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2016.04.04
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タペット調製はエンジンの冷間時に必ず圧縮上死点で行わなければならない。その為にはエンジンの左側にあるクラックシャフトホールキャップとタイミングホールキャップを外して圧縮上死点であるTマークと合わせマークを合わす必要がある。
小さなタイミングホールキャップはマイナスドライバーで直ぐに緩んだが、クラックシャフトホールキャップはビクともしない。キャップがマイナスの溝のみであるので、他の工具は使用出来ないのである。ドライバーをタガネ代わりにしてハンマーで叩いて回そうとするも、動かない。アルミなので余り大きな力で叩くと割れる恐れがあるので此処は慎重にならざるを得ない。
他に何か良い方法はないものかとネットで調べてみたら、500円硬貨をペンチで挟んで緩めたと言うのが見つかった。早速やってみたが、硬貨が曲がっておしまい。撃沈である。
エンジンカバーもホールキャップもアルミなので、鉄のような頑固な錆が発生しているとも思えないし、ロック機構も無いのに何故こんなに固いのか。ホールキャップをじっくりと眺めているとキャップが嵌っている廻りに細い隙間があり、その隙間が茶色に変色している。どうやら、ゴミとアルミ腐食で固まっているらしい。極細精密ドライバーで隙間を掘ってみたら茶色いゴミサビが出て来た。そこにCRCを噴射し、マイナスドライバーとハンマーでブッ叩いたら少し回った。やれやれである。突起が無いように安全面とデザインに配慮してのマイナス溝のホールキャップであろうが、もう少し整備性を考えて貰いたいものである。ここが緩まないトラブルが多いようで、改良型のホールキャップと交換している者もいるようである。
クランクシャフトに14ミリのディープソケットを突っ込んで左に回転させて行き、タイミングホールから見えるTマークを探すのだが、色々表示打痕があって分かりにくい。懐中電灯で照らすもTの打痕が確認できない。SMを見ても写真が小さく暗いので分からないので、ネットで調べてみたら、クランクシャフトを左に回転させて行き最初に現れる2本線(II)マークがアドバンス(進角)マーク、その次に現れる1本線(I)マークがF(点火)マーク、その次に現れる1本線(I)マークがT(圧縮上死点)マークで横にTの打痕があるとの事。親切なものである。
3本目の1本線をよく見てみると、その横にTが横向きに打痕されているように見える。これじゃ分からない訳だわ。
圧縮上死点を出したところで、タペット調製に掛かる。SMによるとタペット間隔はIN側が0.05ミリ、EX側が0.08ミリとなっている。タペット間隔の調製はサブロッカーアームの下側にシクネスゲージを突っ込んで行う。10ミリのロックナットにメガネレンチを嚙ませ、調製ネジで調製するのだが、通常このネジの頭はマイナスが切ってあるのだが、クラブマンは四角になっている。SMを見るとタペットアジャストなる専用工具を使用する事になっているが、こんな物買うわけには行かないので、ペンチで摘んで調製を行った。
IN側が左右共開き気味であったが、EX側は調製の必要はなかったので、カバーを閉じることにする。新品のガスケットはゴム製でかなり厚みがあり、ガスケットと言うよりはパッキンと言った感じだろうか。恐らくタペット調製などで開ける事が多いので、シリンダーヘッドやカバーの接合面に張りつかないゴム製にする事で再使用出来る事を考えているのだろう。メーカーはその都度新品にして下さいとアナウンスしているが、現にモトグッチなどは毎回の交換は行っていない。
念のために液体パッキンを薄く塗って組み立てる。ボルト4本を慎重に軽めに締めて、ブリーザーチューブを繋ぎ、プラグキャップを嵌めて終了である。

IMG_1976.JPG
ドライバーをタガネ代わりに使用するが緩まないクラックシャフトホールキャップ
IMG_1977.JPG
ホールキャップの合わせ目に付いた腐食汚れ
IMG_1978.JPG
クランクシャフトを回しタイミングホールキャップでTマークを合わせる
IMG_1981.JPG
シクネスゲージを突っ込んでバルブクリアランスの調製を行う





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Last updated  2016.04.04 06:25:48
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