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2025.06.03
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カテゴリ: HONDA TLM50/2号機


今回はクラッチレバーロッドに付いているリターンスプリングが真っ赤に錆びて今にも折れそうなので交換するのが目的だ。1号機でも錆が酷くて後になって新品に交換した経緯がある。
しかし、この小さなバネを交換するにはクラッチカバーを開けなければ交換できない。ギアオイルを抜いて取り付けボルトを全て外し、カバーをプラハンでどつくが、びくともしない。1号機でもてこずった記憶が甦る。仕方が無いのでクランクケースとの合わせ目の小さな突起を探し、マイナスドライバーを当てて加減をしながら叩く。小さな隙間が出来たところで、合わせ面を傷付けないようにスクレーパーを差し込み、ノックピンにはまっているカバーを少しずつ持ち上げて行くと外れた。
外れたと同時にキックスピンドルのバネも外れてバラバラになった。どのように取り付けられていたのか分からなくなったが、SMがあるので何とかなるだろうと思い、次に進む。
クラッチレバーロッドの先はカバーの中央まで延びており、プッシュピンに繋がっているので、プッシュピンを摘まんで抜き取るとロッドが抜けるがOリングが付いているので力を掛けないと抜けて来ない。これでやっとスプリングが交換出来る。(クラッチレバースプリング22815-166-000、クラッチレバーOリング9103-719-000)
組み上げた後にれレバーの動きに応じて裏側中央にあるプッシュピンが出たり引っ込んだりするかテストせよとSMに書いてあるので、テストを行うOKである。
折角クラッチカバーを開けたのだから、ついでにアルミが粉を吹いて真っ黒に汚れたオイルポンプを外して磨こうとして真っ赤に錆びたプラスネジを回そうとインパクトドライバーを斜めにあてがいどついたら、いきなりナメた。う~んこれは困った。どうやって外そうかと眺めていたら、エンジンの左側にプラスネジを外すための穴が空いているのを見つけた。この穴にインパクトドライバーを突っ込めばネジの頭が一直線上になるので、ナメずにすんだと思うが、後の祭りだ。この穴にドリルを突っ込んでネジの頭を破壊しようとしたが、ドリルビットがなまくらで埒が明かないので、タガネを当ててハンマーでどつく事数回、やっと回った。少しずつ回して最後はラジオペンチで緩めてやっとボルトを抜く事ができた。ボルトを抜くとオイルポンプが外れてくる筈だが、外れない。Oリングが嵌まっているので、ドライバーで抉るとやっと外れた。やれやれである。
外したオイルポンプは複雑な形状をしているので、磨く事は諦めて、精密ドライバーで大まかに汚れを落とした後に簡易ブラストを行なったら、小さなHONDAの鋳型文字が浮き出て来た。流石、80年代のバイクは作りが丁寧だ。塗装をした後、Oリングを交換する。(オイルポンプOリング91301-147-023)
次は、汚れたクラッチカバーの塗装であるが、このカバーはクラッチレバーロッドが入る箇所が膨らんでおり、そこには何かに擦った痕であろう大きな傷が斜めに走っているので、ナイロンディスクで傷が無くなるまで磨いて、後は塗装を残しならが表面の凸凹だけをペーパーで大まかに均して、アクリルの黒で塗装したが、表面がざらついて汚い。矢張り手抜きをすればこのザマだ。撃沈である。面倒だが、再度ペーパーで塗装を剥離して、更にボンスターで仕上げて、再塗装と相成った。
クラッチは滑っている感じは無かったので、そのままにして置き、キックスピンドルの組立てに掛かる。SMを見るが、「外す」とか「組む」とかしか書いてなくて素人にはそこが知りたい箇所の説明が皆無であるが、重要なスピンドルの穴にバネの端を入れ、その一直線上にスタータードライブラチェットのポンチマークを合わせるとの表記があったので助かった。ポンチマークは小さいので、見落とす事が確実であった。
カバーを取り付けた後でも出来るが、ついでにキックスピンドルオイルシールも交換しておいた。(キックスピンドルオイルシール91211-671-003)
交換部品はあとガスケット(Rクランクケースガスケット11393-GE2-000)のみとなったところで、クラッチカバーのHONDAのロゴにシルバーで色を入れてみたくなり、筆ペンでフレームに使った塗料で塗ってみたが、老眼のため手元が何回も狂い、あちこちにはみ出して酷い仕上がりになった。やらなきゃ良かった。オフ車なので目を瞑る事にしてスルーだ。
やっとクラッチカバーを取り付ける準備が出来たので閉じに掛かる。上手い具合に嵌まって、ボルトを2本締めたところで、ノックピンを取り付けていない事に気が付いた。もう一度最初からやり直しだ。ボルトを全て締めてエンジン右側がやっと終わった。情けない事でクラッチレバーの小さなスプリング1個を交換するのに何日も掛かってしまった。これから後の作業が思いやられる。

エンジン右側(錆びたクラッチレバースプリングとカバーに擦り傷が見える)

エンジン左側(フライホイールが錆びている)

汚れを落としたクランクケース

クラッチカバーを外したエンジン(キックスピンドルの備品がカバー側に付いたまま抜けている)

カスタムジャパンで購入した消耗品

クラッチレバーと錆びたバネとプッシュピン




ナメたプラスネジをドリルで揉んだ痕(ドライバーの先の部分)

苦労して外したオイルポンプ

ブラスト後のオイルポンプ

大きなOリングがあるので鉄棒を当てて叩き入れる前のオイルポンプ

オイルポンプのロッドに嵌まったプラのギア

キックスピンドルにリターンスプリングの端を入れる穴

スタータードライブラチェットに印された小さなポンチ痕

スピンドルの穴とラチェットのポンチ痕を合わした状態

部品を全て納めた状態のスピンドル

磨きが甘かったクラッチカバー

再度磨いたクラッチカバー

Rクランクケースガスケット

ガスケット置いたクランクケース(ノックピンを忘れている)

やっと元に戻ったクラッチカバー







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Last updated  2025.06.03 14:38:34
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