2007年02月15日
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カテゴリ: Classical Music
brunello1

Mario Brunello
Mario Brunello & Andrea Lucchesini Duo Concert

15 Feb 2007
Kioi Hall, Akasaka, Tokyo

Franz Peter SCHUBERT: Sonata for Arpeggione and piano in A-minor, D 821
I.Allegro moderato
II.Adagio
III.Allegretto

Brahms : Cello Sonata No. 2. in F Major, Op. 99 Per Violoncello E Pianoforte
1. Allegro Vivace

3. Allegro Passionato
4. Allegro Molto

Intermission

G.Lekeu:Sonata for cello and piano in F
I.Adagio malinconico
II.Allegro molto quasi presto
III.Lento assai
IV.EPILOGUE;Allegro assai,ed appassionato espressivo

Encore:

Sergei Rachmaninoff: Sonata for Cello and Piano in G-minor, Op. 19
III. Andante




マリオ・ブルネロ&アンドレア・ルケシーニ デュオ・コンサート

2007年2月15日 (木)
東京・赤坂・紀尾井ホール

1.F.シューベルト:アルペッジョーネ・ソナタ イ短調 D821
2、J.ブラームス:チェロ・ソナタ 第2番 ヘ長調 作品99



3、G.ルクー:チェロ・ソナタ

アンコール
1、ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 作品19
 から第3楽章 アンダンテ

2、バッハ (シューマン編曲)
 無伴奏チェロ組曲第3番より"ブーレ"

きょうもどうしてもブルネロさんのブラームスが聴きたくなって行ってしまいました。

満員でした。

きょうは思いがけないうれしいことがありました。
きのう聴いてものすごく、ものすっごくよかったラフマニノフの"アンダンテ"をアンコールでやってくれたのです。もう~心憎いです。
すっかり今日も虜になってしまいました。

最初のシューベルトは親しみ深い、よくできた曲です。
しかしブルネロの真骨頂を発揮するにはまだ至っていません。

2曲目のブラームス!
あぁやはりすばらしい。
これはもうなんというか人生そのものです。
ドラマチックで
美しくて。
ブラームスはなんという天才なんでしょうか。

まったく話がそれますが、きのうも思いました。
作曲家はサッカーで言えば監督。
演奏家はサッカーで言えば選手。
やはり名監督の下で初めて名選手が生きるのです。
ありえないぐらいの構成力。それがブラームスです。
どうして一つや二つ書いただけでチェロの深淵までつかめるのか。
ブラームスは交響曲第1番でもうベートーベンの第10番と言わしめた天才です。
1番が一番完成しているのです。
これは天才であることの証明ですね。
モーツァルトも最初から天才だったように。

ブルネッロの演奏は、多分彼の人間性そのものです。
優しくて甘くてドラマチックで激しくて…
彼は非常にシャイな人なんだろうと勝手に思ってます。
彼はきのうは舞台上でたった4つのワードしかしゃべりませんでした。
「バッハ、シューマン、ショパン、ラルゴ」これだけです。
きょうはもっとしゃべりましたけど…
それなのに彼のチェロは!なんと雄弁なのでしょうか。

第1部了。

第2部。
これが問題でした。
ルクーのチェロ・ソナタ。
何度聴いても頭に入ってこない曲です。もういわば「挑戦」です。私の、そしてブルネロの挑戦です。

第1楽章
これが長いんです。副題は「マリンコニーコ」。とっにっかっく、暗いんです。陰鬱なんです。うわ~という曲なんです。これをなんで1部でやらなかったのか。
もうサラリーマンは疲労のピークです。
しかしこの曲ではピアノが『伴奏」ではありません。添え物ではないのです。ピアノがすごく主張するのでこれはチェロ・ソナタというより、チェロ・ピアノ・ソナタだなと思ってしまいます。
ルケシーノのピアノがすばらしい!
ブルネロもうんうんと首をふって彼のソロに聴き入ります。

そして第2楽章。
もうとどめです。う~~ん。

第3楽章。
もうここまで来ると。うんそうなのか。作曲家が自問自答している曲なんだなとわかってきます。哲学です。この曲は作曲家の内面そのものです。

そしてアタッカで第4楽章へ。
この終わりが、幕切れが注目でした。
どう終わるのか?
夭逝した天才が途中で筆を置いてしまった第4楽章。
それは唐突に途切れます。
まるで小節の途中で針が止まったよう。
ブルネロもルケシーニもストップモーションのように凍りついています。
このように終わらせることこそがこの曲なのです。
お客さんの間にもかつてない緊張が走ります。
沈黙。
ブルネロはこの沈黙を最後に演奏したのです。
そして。
拍手。
嵐のように。
ブラボーも飛んだ。
これをすばらしい、と思える人はほんとに通でしょう。

そしてアンコール。
ブルネロさんは凍てついた心を溶かすようなプレゼントをしてくれました。

「アンダンテ・フロム・ラフマニノフ・ソング」
あら、英語しゃべれるのですね。
驚きの拍手が沸く。
だってこの曲はほんとにほんとに最高なのですもの。
美しくて美しすぎて…。陶酔の極みとはこのことです。大昔の悲恋映画の最後にかかる曲のようです。ラフマニノフ+ブルネッロ=反則、ですわ、もう~
もう言葉がありません!!
ありがとうございます。

大拍手。

そして2曲目
きのうも聴いたバッハのブーレ。

「バック・チェロ・ソロ・スート・ナンバー・スリー・ブーレ、アレンジド・バイ・ロベルト・シューマン」
というようなことを英語でゆっくりゆっくり区切りながらしゃべった。
さすがに「バック、シューマン」だけじゃあまりにも不親切だと思ったのかしら(笑)。
知らなかったらバッハとシューマンだと思いますものねえ。しかしなぜ英語? ドイツ語でもイタリア語でもフランス語でもいいのに。

おなじみの曲。
軽快。
彼が速いテンポのところで楽しそうに首を振るの、昨日も見ました~
最後に軽快な曲で締めました。

いろんな顔を見せてくれました。ブルネッロ。
堪能させていただきました。

蛇足ですが、NHKのHiVisionで、2月24日 (土)に、「夢の音楽堂 ~ クラシック音楽・不滅のメロディー ~」という番組が放送されますが、第一部(午後 1時00分 ~ 午後6時00分)の方にブルネロさんが出演します。なんと彼の自宅にカメラがお邪魔したそうです。めったに見られない素顔が見られる!と会場に宣伝の紙が張ってありました。楽しみですね!





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最終更新日  2007年08月12日 22時57分57秒
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