スカラ座「ドン・カルロ」 Part3 | Sheva's Ballet Fan Ibra's Opera Fan

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2009年09月09日

スカラ座「ドン・カルロ」　Part3

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スカラ座「ドン・カルロ」　Part3

第3幕
第1場
国王の執務室

この場面をひたすら待っていた
だだっぴろい何もない部屋。
あるのは椅子と燭台だけ。
フィリッポが椅子に腰掛け寝ている
彼はまどろんでいる

妻は私を愛したことはなかった
今までの暴君キャラから一転、パーペは等身大の弱い男になっている
みじめさに夢の中で泣くなんてなんて悲しいのだろう
彼女が私の白髪の頭を見た時の悲しそうな顔が今もよみがえる

右手にしっかり握りしめているのはカルロの肖像画の鎖。
盗ませたエリザベッタの宝石箱に入っていた。

頬杖をついていた腕がひじかけからずり落ち、眼がさめる。
はっ！
しょく台の火が消えかかっている
表情が変わる
私が王衣をまとい眠るのは

ああ人の心を読み取る力があればいいのに！

絶大な権力がありながら好きな女性の心を変えられない自分がなさけない
彼はエリザベッタを愛している
愛が痛いぐらいに伝わってきた
彼はそれを伝えるすべも知らないのだ

苦しみと悲しみ、怒りと絶望
…
パーペの歌唱に会場中がかたずをのんで聴き入っている。
涙も出ないほど厳しい現実を彼に突き付けられうちのめされる私たち。
歌が終わった時
嵐のようなブラボーがうずまいた。

しかしこれだけではなかった

人間的な弱さをさらけ出したフィリッポはすぐに俗っぽい復讐に燃えだす
彼は大審問官を呼び、息子を反逆の罪で殺していいかと問う。
卑怯だ！
彼が息子を殺したいのは妻を盗んだ（と思っている）からだ
それなのに彼はごまかしている

フィリッポは神を利用しようとするが審問官は一枚うわて。
彼は腹心のロドリーゴをフィリッポに殺させようとする。

エリザベッタが駆け込んでくる
彼女が盗まれたと訴える宝石箱は王が持っていた。
王はエリザベッタを問い詰める。
私は潔白だと訴えるがフィリッポは信じない。
エリザベッタの首筋と腕を強くつかむ
エリザベッタは気を失い崩れ落ちる

ロドリーゴとエボリが出てくる
エボリはなぜか心打たれて改心する

国王とロドリーゴは去る

エボリは自分の罪を告白する
エリザベッタは軽蔑し去っていく
エボリは自分の美貌を呪う

これは世俗から宗教的境地に到ろうとしているところ

ここの歌唱に客席は熱狂する
終わってカーテンがさーーっとしまる
ブラヴァの嵐に包まれた

第2部
カルロの牢獄

ここの部屋はまるでさきほどのフィリッポの部屋の相似形だ。
部屋が狭苦しくきられているが椅子の位置も形も家具のなさもそっくり
座り方も
シルエットで浮かびあがる入ってくる人影はロドリーゴ。
彼は見張っている兵士を下がらせる
ロドリーゴは彼を救うために自分を矢面に立たせることにした。
彼は別れを告げに来たのだ

カルロ、アスコルタの前の歌唱で拍手が起こる。

ロドリーゴは撃たれる
腹を押さえた手が血だらけになる
血だらけの手を握り締めるカルロ

聞いて下さい、カルロ
私は死にます
でも幸せです
あなたを守ることができたのだから
スペインを救うために
ああ！
私を忘れないで！
ああ！
絶命するロドリーゴ

フィリッポが平然と入ってくる
ここがすごいよね～パーペ
お前に剣を返してやる

カルロ
あなたの息子はもういない！

真実を知りフィリッポは動揺する
ロドリーゴを失ったことでショックを受ける

民衆が入ってくるが
大審問官らが威光を振りかざし、
反乱を阻止する

教会に翻弄されているフィリッポ

第4幕
場面転換

またカルロ5世の墓。
微妙に方向が違うが。

ここのエリザベッタの歌唱がすばらしかった
ブラヴァの嵐。
カルロとの悲しい別れのシーン
ここも良かった！
しかし勘違いしてしまうフィリッポ
カルロをとらえる。

そこに現れた死んだはずのカルロ5世(実際に登場する）
彼はマントをカルロにかざす。
カルロは先帝の墓の上で眠るようにうずくまる

墓に倒れて泣くエリザベッタ
偉大な父が現れたことに驚愕しがっくりと膝を折るフィリッポ。

暗転

全幕了

はああ～終わった。
なんなんでしょうか
この複雑なドロドロ感は…
消化しきれない作品ではあるが
歌唱はすばらしかった～

カーテンコール
一列に並ぶ出演者。子役も並んでいるのが可愛い～

ガッティは見ずに帰ってしまった。

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