2009年09月09日
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公演開始の2時間ぐらい前からドキドキ動悸がしてきた。
こんなことは久しぶりだ。

スカラ座のドン・カルロ第1幕が始まった。

まず最初の場面はサンジュスト修道院
カルロ5世の墓である。

白い大理石(?)の石だけの墓
現代的だ~
修道士のソロ
回廊には白い扉が無数についている。まるで墓標のようだ


ドン・カルロが登場
スチュアート・ニールにもまるでギャグのようにめちゃくちゃ似あっていなかった衣装だが、
ヴァルガスの体型でもやや苦しかった。
この衣装は本当にスレンダーなお方しか似合わない。
若々しさを強調する衣装だ。

さきほどの修道士は実はカルロ5世としてこの後カルロを恫喝する。

フォンテンブローの森は出てこない
彼の思い出の中に登場するだけ。
思い出の中で森の中で出会った可愛い女の子を思い出す
10歳ぐらいのドンカルロと13歳ぐらいのエリザベッタが登場する。
自分より少し年上だけど自分はその子を好きだった。


カルロはフランドルをスペインの圧政から解放するためにスペインに戻って来たのだ

しかし悩んでいるこの友にロドリーゴはわけを尋ねる

カルロは打ち明ける
エリザベッタを愛していると

あなたの母上をですって!?

しかしロドリーゴは自分はいつもカルロを愛していると告げる

二人の二重唱
非常に有名なシーン

一段高い段に現れる
10歳ぐらいのドンカルロと12歳ぐらいのロドリーゴ
2人とおなじ衣装を着ている。
ドンカルロは可愛いくりくり茶色の巻き毛の白人の子でロドリーゴは東洋人が演じていた。
お互いに手を取り合ってぐるぐる回る
同じことをおとなになっても繰り返す。
ここで示されているのはロドリーゴとカルロが子供のころからいっしょに育った幼馴染だということだ。
ロドリーゴはこの神経質でストレス太りしてしまった運動神経のまったくない王子様を実に兄弟のように愛しているのだ。
実の父親が彼を愛するよりも深く深く。
二人の心は結びついているのだ。

(イェニスはオネーギンの時とまったく同じ長髪にひげ。このどじょうひげと髪を切ってくれ!)

そこに国王夫妻がやってくる。
カルロとロドリーゴは思い出す。
あの衝撃の日の思い出を。
父王フィリッポ2世はカルロの好きだった女の子と結婚してしまうのだ。
幼いカルロの肩をおさえる少年のロドリーゴ。
苦い思いで

そして10年ほどたって
老人になった父王と成熟した女性になったエリザベッタが墓参りに来る。

髪の毛をグレーに染めたパーペはそれでも若々しい。
つき従うエリザベッタのフリットリは苦痛に青ざめているが
実に美しい!
なんか彼女の美しさって内面からの美しさなんだよねって感じてしまう。

あわてて出ていく人影をフィリッポは見ている。
苦々しくカルロを見ている。
彼はもううすうす感じているのだ息子の母親を見る視線の熱いことを!
そのまま幕が閉じる

第2場 修道院の広場
女官たち
テバルド
エボリ公女は
まるで当てつけのような歌を歌う

王妃が登場。
その苦しみに満ちた美しさに人々は圧倒される

ロドリーゴが現れ巧みにエリザベッタにカルロの手紙を渡す。
ロドリーゴはカルロは自分を好きだと思い込んでいるエボリのお相手をする。
人払いをし
カルロが現れる

二人のやりとりを背景からじーーーっと火のような目で見ているフィリッポ。
ここでのフィリッポはまさに暴君全開。
おつきのフランス女性を国に帰らせる
小さいエリザベッタが現れる
エリザベッタの小さい頃からいっしょにいた伯爵夫人。
顔を覆って泣き始める
エリザベッタの異国での疎外感が伝わってくる

フィリッポは立ち去ろうとするロドリーゴを呼びとめる
このシーン良かった~
とにかくいいシーンというのはフィリッポとロドリーゴのシーン
まるでこの二人が主役のようなのであった。
ほんとはカルロとの二重唱がそうあるべきなのかもしれないが
きょうの場合天秤の重りがフィリッポに傾いていた

ロドリーゴは世界を統べる王に臆することなく現実をつきつける。

あなたの領土は
墓場の平和です!

その瞬間、フィリッポはものすごい形相で顔をロドリーゴにぐいと近づける
その迫力に火花が散る
オペラを超えた人間の憎しみなどの心の形がくっきり浮き出てくる。
しびれる。
一歩もひかないロドリーゴに豪胆なフィリッポは逆に感心する。
フィリッポはカルロとエリザベッタのスパイをしろと命令する。
ロドリーゴはまるで二重スパイのような立場になってしまったのだ。
ロドリーゴはその立場を利用しようと考える。

第2幕

マドリードの王宮の庭

柱の林立する回廊
白い服を着てヴェールをかぶった女性が歩いていく
その影を追うカルロ
カルロは逢引の手紙を読む
しかし現れたのはエボリだった
勘違いされていたとわかったエボリは憎しみをあらわにする

ロドリーゴが駆けつけエボリを斬ろうとする
しかし思いなおす
ロドリーゴはカルロを救うため機密書類を自分が預かることにする

第2場
アトーチャ聖母教会前の大広間

ここはスペクタクル・シーンです。

あれこれ第3幕?と勘違いしてしまう
幕の前、フィリッポが玉座にひとり。
淋しい
彼は考えている
恐ろしいことを考えている
権力を守るためにはどんな残酷なことも卑劣なことをできる男。それがフィリッポ。

突然人々がいっぱいのシーンになる。
兵士たちに制止されている民衆。
彼らはフィリッポの王国を讃えているが
描いているのはその逆の光景。
現代の服を着た民衆が王の圧制を訴えているのだ
歌っているのとやっているのがまったく逆なのだ。

火刑にされる人たちが乱暴に連れてこられる
頭にとんがり帽子をかぶせられている
抵抗するが背景の火あぶり台に縛り付けられる。
すると少年時代のカルロが現れ中央の火刑台に縛り付けられる

かみてから行列して出てくるエリザベッタとロドリーゴ
エリザベッタがひざまづき、薄幕が上に上がる
するとまばゆいばかりの豪華けんらんな光景になる

場違いな感じで貴族たちが次々と出てきてあいさつを交わしあう。
現実と王宮の世界のかい離。

突然乱入してくるカルロと彼に導かれたフランドルの使節6人
ここの重唱もよかったです~

フィリッポは訴えを退ける
カルロが自分を見失い剣を抜く
ロドリーゴは何とかしなくてはと思う
王は剣を取り上げろ!と叫ぶが誰も動かない。

すると音楽が止まって
(これは少年の出が遅れたのか?と思った)
しもてから少年時代のロドリーゴが現れ
カルロの剣を預かる
するとおとなのロドリーゴとともに王の前にひざまづく
王は大人のロドリーゴを公爵に任ずる

火刑が始まり、空が真っ赤に染まる。
とらえられたカルロ
少年時代のカルロは文字通り天に飛び立っていく。
心が殺され、魂は空を希求している。
印象的なシーンではあるがちょっとやりすぎ?

Part3 に続く





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最終更新日  2009年09月13日 09時09分45秒


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