2009年09月12日
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スカラ座「ドン・カルロ」 Day2 Part3

第3幕

来た~
ついにこのシーンが…

チェロがフィリッポの心情を語る。
ゆっくりで重い。
悲しい。

妻は私を愛したことがない。
あれは心を閉ざしておる


ここでちょっとハプニング

初日の演技では
ひじかけからひじがずりおちてはっと目をさますという演技をやっていてなるほどと思ったのですが
きょうは
Amor per me non ha!
(わしへの愛などないのだ!)
の Amor でひじがずり落ちてしまって
声が上ずってしまった。
パーペは何事もないように歌っていたが
そして
わしはどこにいるんだ?

なんてことだ
もう朝だ
わしは眠ることさえできない
年をとったら睡魔もこない
本当に眠れるのは棺に入った時なんだろう

若い女を妻にしたために
常に夫としての名誉を失うことを恐れて生きる
なんて悲しいんだ
なんかトリスタンのマルケ王とすごく似ている

やっぱり大拍手とブラボー!
この日一番のブラボー。

きょうは演技抑えめだったけどね~

審問官登場
フィリッポはカルロのロケットを箱にしまう

フィリッポは立ち上がり、長い黒いガウンを翻しながら歩いていく
後ろ姿もかっこいい…
フィリッポは大審問官を椅子に座らせると手をとり
息子を反逆者として処刑してもいいかと赦しを請う。
大審問官は肯定する

フィリッポは後ろを向き歩いていくが涙をぬぐっている
これは初日もやっていたのでやっぱり演技だったんだな~

ほかには?

ない

じゃあ私から言おう
彼はある反逆者のことを匂わす。
明らかにロドリーゴのことを言っているとぴんときた王は表情が険しくなる

かみてに苦しげに移動する

私はやっと信義ある男を見つけました

男?じゃなぜ陛下は王なのですか
他に王がいるのなら

もうやめろ!

軟弱なことは許されん
ポーザを引き渡しなさい

いやだ!

王よ、異端審問を受けたいのか?

もうやめてくれ!

自分の椅子に寄りかかり感情を鎮めるのに必死なフィリッポ。

わしが2人の王を戴冠したというのに
ではなぜわしはここにいるのかな?

ゆるゆる歩み去る大審問官
そのふれるほどの傍らにたち呟くフィリッポ

仲直りしましょう…

去った大審問官
椅子に戻り嘆くフィリッポ

玉座は祭壇に屈するしかないのか!?
沈黙。
椅子に座っているとエリザベッタがやってくる

飛んで火にいる夏の虫

宝石箱が盗まれたんです!

それはここにあるぞ
中身を見たいか?
じゃあわしが。

これはカルロの肖像ではないか

そうです

浮気の証拠を突きつけたと思ったフィリッポ。
眼が怖い

私は潔白です!

よくも!
立ち上がって肖像画を椅子に叩きつけるとエリザベッタに近づく
わしが年取ってると馬鹿にしているようだが
わしの怒りは怖いぞ

必ず血が流れるぞ

お慈悲を!

浮気女への慈悲か?

ひどい言葉を投げつけられ、
エリザベッタは王に肩を掴まれ失神する

とたんに王は動転する

だれか!王妃が!

エボリがかみてから入ってくる
エボリを制止する王

ロドリーゴは吐き捨てる
世界の半分が従っている男が
自分を抑えられないとは…

フィリッポは悟ってしまう
彼女は裏切っていない
彼女の自尊心がそれはさせない
自分の猜疑心は悪魔のしわざだ

自分を責めるフィリッポ

ロドリーゴは不倫が王の知るところになった今
自分が死ぬときが来たと自覚する

エボリは自分のやったことを死ぬほど後悔している

エリザベッタが意識を取り戻す
するとフィリッポは今までしっかり支えて抱いていたのに
すっと立ち上がっていってしまう
素直に振るまえないのだ
エボリが問いたげに追うが、
フィリッポは右手で制止する

来るな!

フィリッポはエボリに盗ませたのは自分なのにもうエボリのことを忌み嫌っている

ロドリーゴが続く

エボリは真実を告げる

エリザベッタが出ていく

そしてエボリのアリア

すごい!
すばらしすぎる!
これこそがオペラの醍醐味!


第2場

場面転換
カルロの囚われた部屋。

ロドリーゴが入ってくる

ロドリーゴのアリア

ロドリーゴ撃たれて死亡

直後に入ってくる国王一行

国王はロドリーゴを顔色ひとつ変えずに殺した

さっきの場面であんなに動揺していたのに

政治のためにはなすべきことをなすのみ

彼はロドリーゴを失ったカルロを見にきた

しかしカルロに真実を言われ急に後悔する。

ここで数日前に聴いたヴェルディのレクイエムに転用されているラクリモーサのメロディで歌い始めるフィリッポ
このシーンもすごく良かったです!
まさに鎮魂歌!
あの時の歌唱とはまったく違い(歌詞も違う)
悲痛な演技の入った歌。

私はあの男を信頼していたのに…
墓場に追いやってしまった…このわしが。
わしが殺めたのだ

カルロの歌唱と合唱が重なる

合唱、
王が偏愛していた男が死に、寵臣たちは内心喜んでいるが
死んだ彼に、よみがえれ!と執着を見せる王にとまどっている

パーペはかみての壁に寄りかかるほどの近くで歌っている。
これは内心の吐露。

ところがレルマ伯爵がやってきて告げる
民衆が激怒しています
王子を求めています
これはフランドルの肩を持った王子への憎しみってことですか?

王はこともなく言う
王子ならあそこにおる

必死でエボリはカルロをロドリーゴの遺体から引き剥がす
ド迫力

そこへ大審問官がやってくる

神が守っている王にひれ伏すのだ!

また審問官に屈する形のフィリッポなのだった
フィリッポは大審問官の手をとりひざまずく。

第3幕了

Part4 へ続く





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最終更新日  2009年09月17日 05時36分03秒


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