2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
全8件 (8件中 1-8件目)
1
北方水滸伝11-15巻(集英社文庫/北方謙三) うわああ、どんどんお亡くなりになっております。 どの死に様(生き様)も印象深くて、とてもとてもベストなんぞ選べない状況になってきました。それでも敢えて、無理に選ぶとしたら。1 張平 盗み癖のある張平に対する父親の情。泣ける。さらには楊令との兄弟のような感情のやりとり。苦悩しながら、なんとかして立ち直ろうとあがく少年の姿が、胸に迫ります。しかし楊令、立派になりすぎ。王進先生、あれでは楊令は一般社会で暮らすのは大変ですよう!2 杜興 駄目だ、杜興の親父がかっこよすぎる。大切な坊ちゃん(というにはトシをくっていますが)の死で意気消沈しているのも、可哀相すぎる。いやいや、なんていいキャラなんだ、杜興! 熟年キャラ万歳!!3 朱仝 雷横と共に泣けた。この二人は双璧。たとえるならロイエンタールとミッターマイヤーのような。あまりにも雄々しく、壮絶。言葉もなく、呆然としてしまった・・・。4 李逵 無垢なるもの、汚れなきもの、聖性さえ感じる存在。ここまでくると、可愛いを通り越して、「人外」とさえ思われてきます。宋江の父親に対する態度がまたなんとも。自分の作った料理を食べてくれないとわんわん泣く様なんて、もうもう・・・ぎゅーっ。5 燕青 ようやく全面に出てきてドキドキ。原典でも実は一番好きなキャラクターだったので。最初、男色疑惑があった時には文字通りひっくり返って「あほなー」と叫びましたが、後にきちんと説明されてほっとしました。いやいや、燕青さまはやっぱり二枚目じゃなくちゃ。 番外編。 すべてのキャラの生き死にに関わるシーン。楽和も悲しかったし(特に馬麟が鉄笛の音色を響かせるのがもう・・)、穆弘の風に遮られた・・・というシーンとか、いつのまにか力尽きていた欧鵬とか、やめろ! という声の届かなかった朱武とか、じっくりと己の死を観察しつづけた樊瑞とか・・・挙げるときりがありません。 「楊令伝」へのつながりを意識させる、次世代の若者が次々と登場しはじめているのも、こちらの「水滸伝」が終焉に向かっている兆しでもあって。 切ないです。
2008年01月31日
TVドラマ「SP」 毎週土曜日、深夜枠の「SP」をとても楽しみに見ていました。 ただ時々都合で見れなかったりしたので、番組終了後、迷わずDVDを予約(笑) 日本のドラマでDVDを買うのって・・もしかしたら初めて? かも。 非常にスタイリッシュな画像と音楽がかっこよく、どこか香港映画ぽい雰囲気。 さらに個性豊かな登場人物もきちんと描き分けられており、内容もシビア。 わくわくして見ていました。 味方だと思っていたあの方が、実は黒幕ですか? という最終回のラストに、「うわあああ、つ、続きを早く見せてくれ!」とじたばた。 主人公もこのままでは日常生活を普通に営むのは難しくなりそうですし。 いろいろな意味で、ギリギリ状態の張りつめたドラマです。 これは面白かった! シリーズ化して放映してほしいですね。ただし、質を重視しているのが伝わってくるので、焦らずに続編を作成してほしいです。早く見たいのは本音ですが(笑)
2008年01月29日
「摂氏零度の少女」(新堂冬樹/幻冬社) 昨年末に読んだ本。実際に起こった、女子高生が母親を毒殺しようとした事件に基づいて書かれた小説。 こういう実録風のものはけっこう好きなんだけれど・・・今回は残念ながら、感性がズレていた模様>私と作者が。 自分の十代を思い出すと、ヒリヒリして突き刺すような痛みと、凍えるような絶望、そんな中であがき苦しむ心がすぐに眼前に浮かび上がってくる。 主人公が自分を「ぼく」としたのは、初恋だとか男性への恋心とかそんなんではないと思う。十代の私も「ぼく」と名乗り、「ぼく」と記していた。 それは「女」という枠にはめられることへの拒絶、男でもない女でもない、ただ「自分」としての存在。それなのに「女性」としての生き方を要求される。違う、私は「女」でも「男」でもない、ただの「私」だ。中性でありたいのだ! 閉塞感。 そんな中から主人公は「ぼく」を名乗ったのだ、と私は思う。(自分の体験談からいえば) 母親を冷徹に観察し、毒を盛っていくさまも、もちろん私は考えもしなかったことだが、しかし理解できる部分が確かにある。十代の私は犯罪に興味を持ち、特に世界中の殺人に関する書物を読みあさった。おこづかいをためて「マーダー・ケース・ブック」(雑誌)をコンプリートし、暗記するほどに読み込んだ。 親からは「精神的に問題があるのではないか」と本気で心配されたが、そういうものではなくて。 私は何かを打ち砕きたかった。 何かを壊したかった。 何かから脱したかった。 それが何なのかは分からず、ただ私はもがき苦しんだ。 そんな十代だった。 ・・・この「摂氏零度の少女」には残念ながら、そんな内面の葛藤や苦悩が描かれていない。むしろ主人公はどこか壊れた「怪物」だ。 そうではない、と私は思う。 怪物ではなくて。 どこにでもいる当たり前の十代の少女。 それが何かのきっかけに暴発してしまう。 ただ、それだけのこと。 それだけのことではないのか、と。 ・・・むろん、私の個人的な思いこみにすぎないのだろうけれど。 (愚痴)こういう小説なら、書きたいし書けるんですけどね。くらーくなるしヒリヒリした痛い話だけれど。でも私にくるのは全然異なるタイプの話の依頼ばかり。どなたか、青春小説書かせてくださいよーう。
2008年01月25日
「北方水滸伝」6-10巻(集英社文庫/北方謙三) 熱くなって参りました。 水滸伝は元来、英雄が集まるまでが楽しいのであって、それから先はしりつぼみ・・というのが原典の印象です。 しかし、北方水滸伝は集まるまでに全員が生きているわけではありません。楊志の壮絶な死をはじめとして、次々と戦死もしくは事故死していきます。 というわけで、5-10巻でのマイ・ベスト。1.雷横の死ぬシーン。 「愉しかったな」に泣けました。どうして、こんなに表現が素晴らしいのでせう。 まいりました。2.鄭天寿の楊令への思い 懐いっぱいに薬草を詰め込んで・・・うをををを。泣けました。戦死じゃなくても、人は死ぬ、という当たり前のことが、実は当たり前ではないように思えている読者に対して、ガツンと一撃。3.秦明さま 単に渋すぎ。かっこよすぎ。このみすぎ。やばー。奥様と幸せになればいいのだけれど・・何せ水滸伝なんで・・・。4.宣賛、杜興、解珍 このタイプのキャラがどうもツボらしいことを自覚する。トップではなく、なんというか執事タイプ? そういえば「ジーヴス」も大好きだしなあ・・・。主従燃え(萌えではない)らしいことが判明。いやいや、どこか屈折した、参謀タイプというのはいいですな。5.李富の変貌 元々好きなキャラクターなんですが、愛する女性を失ってからの彼がいい。 青蓮寺を背負って立つ男になるでせう。 さりげに洪清もいい味ですな。 その他。 どのキャラも死に際で泣かされます。んでもって、なぜに李逵があれほどまでに可愛らしいのでしょう・・嗚呼。可愛すぎて、おばさん、かいぐりしたくなってしまうではありませぬか。はっきり言って、最も原典からかけ離れた性格かも・・。 そんなわけで引き続き読み進めております。 16巻が出ましたね。全19巻ですから、そろそろバタバタと死に初めておりまするよ。 うあう。 『楊令伝』も同時進行で読んでいるので、誰が亡くなったとか誰が生き残ったとか分かっていて、切ないかも・・・。 しかし一行一行「すごいすごい」と血湧き肉躍る感覚というのもなかなかないことなので、ありがたく読ませていただきます。
2008年01月22日
直木賞受賞が桜庭一樹さんとのこと。 おめでとうございます。 新人賞受賞作からぼちぼち読んでいて、最近は積ん読傾向なんですが(でも買ってますよ)、そういう作家さんが受賞されると、なんだか嬉しいものですね。 今までにもコバルト出身の作家さんが何人も直木賞をとっておられますが、みんな「コバルトを卒業」した後に受賞されているのがポイント。 それに対して桜庭さんは、大人向けとライトノベルを同時に執筆されながらの受賞で、これはちょっと珍しいかもしれませんね。 現役ライトノベル作家が受賞というのは、やっぱりめでたい。 ライトノベルというと、どうしても低く見られがちですが、とても良いお話を書かれる方、上手い方はたくさんおられるわけで。 これを機に、どんどんと領域の垣根を崩していってほしいものです。 芥川賞受賞の作家さんも何作か読んだような・・・。確か短編。(ちょっと記憶があいまい) なににせよ、何だかちょっとばかり、いつもより身近に感じた直木賞報道でした。
2008年01月17日
「岳飛伝」(田中芳樹編訳/講談社新書全五巻・講談社文庫現在三巻まで) 岳飛というと、中国最大の悲劇の英雄。 私も「尊敬する人物を二名挙げよ」と言われたら、岳飛と包公を挙げる。 で、原書でも読んでいたし、ドラマなどもたくさん見ていたこともあり、「岳飛伝」の編訳に手を出すのは、実はちょっと勇気が必要だった。 思い入れがありすぎて(^^;) 実際に読み始めると、きちんと整理されていて、枝葉末節が省略され、必要最小限の加筆がなされていて、とても読みやすかった。 どこのだれのなにという本とは言わないけれど、原典から大きく逸脱しまくって、キャラの性格まで変えてしまったものがあったなあ。過去にそういうのに出会って、ひどく憤慨した覚えがあるので(創作、とか編訳、とかハッキリ打ち出していれば問題ないのですが)。 そういう意味では全く何の心配もなく、最愛の湯懐さまもかっこいいし、道化キャラの牛親子も生き生きとしているし。 すっかりはまって、二読、三読とくり返してしまったのでした。 いやあ、楽しかったなあ。 また原書を読み返してみよーっと。
2008年01月15日
「広辞苑 第六版」 を思わず先ほど衝動買い。15パーセントオフだったし、今買えば予約特典もつけてくれると言われて・・つい。 ちなみに職場には第一版が置いてあります。家にも、亡き父が使っていた広辞苑があるのですが、何版だったかなー。 家にお持ち帰りするので、机上版はやめてコンパクトなほうにしました。 それでも重いですが・・・楽しみなので。ちょっとうきうき。 楽しく辞書を活用しながら、ちまちまと文章を書き連ねていきたいと思います。
2008年01月11日
あけました、ついに仕事始めです。 というわけで、本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。 今年の目標は「とにかく仕上げる」です。 んで「とにかく提出する」です。 ・・・ってなんだか長期休暇あけの学生みたいな台詞ですね(^^;) あとは引っ越し予定なので、ちゃきちゃき片付け・整理して、春からまた新しい環境で頑張りたいと思います。(札幌からは動きません)
2008年01月07日
全8件 (8件中 1-8件目)
1


