偐万葉・真澄篇(その10)
昨日に続き、本日も偐万葉であります。シリーズ第84弾、偐万葉・真澄篇(その10)をお楽しみ下さい。
<参考>過去の偐万葉・真澄篇は コチラ
からどうぞ。
真澄さんのブログは コチラ
からどうぞ。
偐家持 が 真澄郎女 に贈りて詠める歌20首
西風の 運べる雨の 雫にや
咲きて真白き 秋の花なれ (花家持)
(注)ゼフィランサスの花の名はZephyros(西風、ゼピュロス)と
anthos(花)に由来する。

うすぎぬを まとひて尾花 萩の花
雲居の月に 恋ふてやあらし (中秋家持)
かぎろひの 空駆けゆける おほとりの
翼
音
すらし 朝風わたる

天上の 青うつしてや 高々と
向けてぞ空に 牽牛花咲け (出立ちの朝)
枝垂れ咲く 花は高々 大空ゆ
み神の笑みの こぼれて咲くや (
枝垂麻呂
)

怠惰など 言はるる筋の なくあれば
サボってん菊の 駄洒落とや見む (聞くも涙)
エリーゼに あらねど恋の アラベスク
繰りや返せる ロンドにあらし (輪舞家持)

行く人を 呼びや返さむ
少女
らの
頭巾も
領巾
か 風にぞ靡く (
偐佐用姫
)
ひと針に いのちぞ込めむ
縫女
われ
恋とふ糸の 先は知らずも (
偐縫女
)

機織
りの 音のみしてや 秋の夜は
更けゆくならむ 星も降るらし
軽
き身の 借り暮らしなり
竪琴
の
一曲
きかな たなばたつ
女
に
(借り暮らしのナリヒラッティ)

ひとつ織る ごとにやあやに 花咲きて あかぬ夢見の 夜長なりけり
蜜柑の香 たちまちにして 部屋に満つ 皮剥くきみの 白き指先
青き服 着て来たりける ひとありて 蜜柑を剥きぬ 白きその指

わが
屋前
に
未
だ
含
める その花の
いかにか咲くや 待ち恋ひあらむ (偐紫田舎源氏)
秋雨の しくしく降れば 思はゆる
花をかざしの はしき兒もがも (偐傘持)
(注)もがも=副詞語尾風助辞「も」に、或る状態が実現するように心の
中に望みを持つことを示す「が」が付いたのが「もが」。
「もがも」は、この「もが」に感歎の意を示す「も」がつ
いたもの。はしき(いとしい)あの娘がいたらなあ、とい
うような意味である。

風吹けど しなやかに咲く コスモスの 少女は今し いづくやあらむ
咲けば散る 咲かねば散らぬ 山茶花の
散りて乱れて 今は眠らな (
眠今日白
)

無となりて
修証一如
只管打坐
自ずからにし 輝けるあり (偐道元)
もみつ葉の
木間
ほつ枝差し延べ 木もまた踊る (
踊狂家持
)
(注)掲載の絵画は全て真澄さんのブログからの転載です。
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