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あるひとりの男を襲ったのがきっかけだった。なんでこんなやつがカメラなんかもっていたのか不思議だが、ともかく襲いかかったおれの姿、この情けない姿をあいつは写真に撮りやがった。しかもまずいことに、おれはそいつを取り逃がしてしまった。なんたる失態!基本的におれたちショッカーは暗躍行動を常としている。このショッカーという組織が公になることを避けるためだ。だから、ひとまずアジトに戻ったおれは処刑されるのが怖かった。しかし、死神博士はおれの報告に「よくやったヒルゲリラ」と言ったのだ。なんで?理由はすぐにわかった。死神博士の説明によれば、数日前おれが捕らえた親子がこの男、山崎の家族であり、あえておれの姿を写真に撮られることで、かえって山崎を脅迫でき、そして彼の後輩である、一文字隼人ことライダー2号をおびき出すことができるというのだ。だったら最初から一文字のヤツを襲えばよかったのに…とはもう思わないことにした。結果オーライ。処刑されなかっただけでも儲けものだ。しかしひとつ確信した。ショッカー首領の座右の銘は「風が吹けば桶屋が儲かる」にちがいない。めずらしく死神博士の目論見があたった。めずらしいこともあるもんだ。一文字のヤツ、まんまと罠にはまり、おれの手で、そう、このおれの手で毒液を注入することに成功したのだ!これで一文字はショッカーの奴隷となった!ここまでヤツを陥れた怪人はいないだろう!やったぞおれ!だが死神博士は意外な命令を一文字にした。ヤツの仲間、FBIの滝和也を襲えといったのだ。アホッ!せっかくあれだけの能力を持つライダーを手中に収めたのなら、そんな身内を襲わせる前に脳改造して完全にショッカーの怪人として生まれ変わらせればいいのに。おれは正直、ヤツとは奴隷人間にする前に戦いたかったのだ。戦ってヤツを倒したかった。そのためにトレーニングで汗を流し、数々の作戦をこなし、再び改造人間になれたってのに。ヒルだけど。死神さん。おれの以前の改造人間時代と同じ名を持つ死神さん。あんた、よく幹部なんかになれたなぁ。首領になにか、貢物でもしたのか?見ろ、見ろ。そんなヘンテコな命令なんぞ出すもんだから、山崎が毒液の血清をいつのまにか開発して(もしかして人間の世界の科学力って、ショッカーを超えてるんじゃないか?)滝に持たせたらしい。そしてそのせいで、一文字は正気に戻ってしまったじゃないか!だ~から初めから奴隷人間となったヤツを再改造しときゃよかったのに。死神の馬鹿!ショッカーの大馬鹿!だが、まあいい。やつがライダーの変身すれば、おれと戦うことはまちがいない。今、ようやくおれの希望がかなうときだ!(つづく)
2005.08.29
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おれは、自分の姿を確認して呆然としてしまった。いや、そりゃね、このショッカーという組織の悪趣味さは十分承知していたつもりだよ。改造人間にしてやる、と首領からうれしいお言葉をもらったときに、有頂天になったおれも悪い。しかし、だ。前回と違って何の改造人間になりたいか、選択はおろか、改造されるまでまったく教えてもらえなかった。思えばそのときの不安が的中してしまった。あの、死神博士とかいう新しい幹部(車椅子に乗ったりして、よく幹部になんぞなれたと思うが)の仕業か趣味か、そんなところに違いない。くっそう。よりによってヒルだぜヒル。この地球上にごまんといる生き物のなかで、おいおいそりゃないぜ!って感じだ。ほかの者はそれこそガマ、ムカデ、カニ、モグラ、アルマジロ、トド…。なかにはキノコやカビなんてものの怪人もいるくらいだからそれに比べりゃマシってか?ハァ…。というわけで、ヒルの改造人間ヒルゲリラ、ここに誕生だ。ヒル男なんて名をつけられなくてよかったぜまったく。あ~あ。おれは指さえ失い筒状になった手を見て、心の中でひそかに泣いた。実際、涙なんか流さない。いや流せない。だっておれの顔には目なんてないのだから。頭の上の触角がその代わりだそうだ。別にいいじゃん。ヒルに目があったって。元々キノコに目があるのか?えっ、首領さんよぉ。サボテンに顔なんてなかったぞ。まったく、まったく…。容姿への落胆はともかく、いち早くヤツと戦いたかったおれであるが、死神博士から受けた命令は、吸血沼と呼ばれるところに潜み、そこを通りかかった人々の血を吸い、替わりに緑色の毒液を注入して猿人並みの頭脳となった奴隷人間をふやすこと、であった。猿人並みったって、それじゃ奴隷どころか命令すら理解できないんじゃないのか、と思ったが、死神博士の顔は自信満々に見えた。やれやれ、こんなところもあいかわらずだ。もともとショッカーという組織、世界征服なんて大それた野望をもつわりに、個々の作戦が異様に細かい。しかも、だ。他国の支部ではどうだかわからないが、この日本支部では作戦の同時進行という発想が欠落しているらしい。今回おれが受けた命令にしてもそうだ。緑の毒液を注入、といったっておれひとりでそれをやれってんだから恐れ入る。いったいおれが日本中の人間の血を吸うのにどのくらいかかると思ってんだ?何年?何十年?だったら素直に、戦闘員全員に毒液の入った注射器を持たせ、日本全国に散らばっていっせいに人間を襲わせればよいのに。あぁ…。もしおれが幹部や首領になれたら、こんなかったるい作戦など取らない。一度に多くの怪人を作り、全国、いや全世界に配置し時を合わせて同時に破壊活動を行わせるのに。たとえライダーが二人いようと、あのサイクロンというオートバイ(くそっ、ちょっとかっこいいな)がどれほど高速で走ろうと、全世界を移動するにはかなりの時間を要するはずだ。FBIだかインターポールだかの特別組織とて、戦闘員は倒せても怪人にはかなうまい。実は以前、これに似たような作戦をショッカーも実際に行なったことがある。まだおれが前の戦闘員だった頃だ。例によって拉致だの強奪だのと日本を駆け巡っていたときだったため直接おれはこの作戦に参加しなかったが、あとから人づて(いや、この場合戦闘員づてか)に聞いたところによると、何十体もの再生怪人を地獄谷と呼ばれるところに結集させ、こともあろうに全員を二人のライダーと戦わせたというのだ。もう、話を聞いてあきれたね。何考えてるんだか。いったいショッカーの目的は、ライダーを倒すことなのか、世界征服なのか、わからん…。そんなことを思いながら、おれは気を取り直して、吸血沼に着いた。触覚を動かし、周囲の様子を確認する。ここを通る、あわれな人間の血を吸うために。おいおい、本気かショッカー。こんな小さな沼、一日に何人の人が通りかかるってんだよぉ。おれはもしかして、閑職扱いされているのか?沼に入る。ちょっと気持ちが落ち着く。これ、ヒルの習性か。悲しいなぁ。こんなことしてて、ヤツと戦うときなんて本当にくるんだろうか…?(つづく)
2005.08.28
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おれはおのれの体を鍛えた。ごていねいにその入り口にすら紋章が掲げられた、お世辞にも広いとは言えないトレーニングルームで、おれはひたすら汗を流した。なんのために?ヤツを、ライダーを倒すために、だ。この部屋はさまざまな器具がそろっている。サンドバッグ、パンチングボール、トランポリン(なぜだ?)、そしてリング。まるでプロレスジムのようなこの設備。おれは片っ端からそれらを使い、戦闘能力を高めることに専念した。時おり、改造された体を鍛えてパワーアップできるものなのか?と疑問に思うこともあったが、雑念をふりきって体を動かした。ここには竹刀を持ったトレーナーもいる。少しでも怠ける者があれば即座に打ち据えられる。あるときなど、きわめて普通の人間と見えるどこかの親父が、血相を変えて怪人をしばいている光景すら目にしたこともあるくらいだ(イカの改造人間だった。あのやわらかい体を竹刀で打って効果があるのかと不思議に思ったのだが、その怪人もおとなしく指導に従っていたのだから無駄ではなかったのだろう)。そう、ここではおれたち戦闘員も怪人も、一緒になってトレーニングに励んでいるのだ。これこそ組織の一体感を深めるのにもってこいだ。おれは見慣れぬ怪人やほかの部隊の戦闘員に混じって同じようにサンドバッグを叩き、トランポリンを跳ぶ。しかし、おれの目的はただひとつ。打倒仮面ライダー。この思いはいつも胸にあった。ヤツより高く跳んでやる。ヤツより強いこぶしを打ってやる。おれは燃えた。ところでこのトレーニングルームには、いろいろなうわさ話が舞い込んでくる。いわく「科学班がふたりめのバッタ男を造ったが、本郷猛に救出され、そいつも仮面ライダーを名乗り我々を壊滅させようとしている」いわく「かまきり男もハチ女も、アリキメデスもエジプタスも、みんなライダーに倒された」いわく「中近東支部より大幹部、ゾル大佐がこの日本に招へいされた」ゾル大佐にはおれも会ったことがある。うわさどおりの厳しいお方で、服装の乱れすらも細かく指導されたものだ。隻眼なのか、左目にアイパッチをつけ、軍服姿のりりしいいでたちにはあこがれたものだ。そうか、ショッカーという組織は、功績を挙げ続ければ幹部に昇格できるのか。よし、やってやる。おれもあんなかっこいい軍服を着てやるぞ。しかしそのゾル大佐も、のちに2号ライダー、一文字隼人とかいうヤツとの対決により敗れ去った、と聞いた。ライダーってやつは、どこまで強いんだ。恐れが頭をよぎる。本当にヤツを倒すことなんてできるのか?恐れが逆に、おれのトレーニング内容をさらに極めさせた。怪人相手にスパーリングしたり、戦闘員内での百人組み手にも挑んだ。ヤツへの闘志が、ふたたび音を立てて燃え上がる…。そう言いながら、おれがやってきたのは特訓ばかりではない。トレーニングメニューと同じ数だけの(いや、それ以上か)作戦を、ブラック小隊の仲間たちとこなしてきたのだ。あいかわらず拉致、強奪の類が多かったが。しかし、文句は胸の中にしまい、任務を遂行することに専念した。失敗はなかった。そしてあるとき、おれはまた首領に呼び出された。作戦室で、あいかわらず姿を見せない首領の声が、おれを歓喜の渦にたたきこんだ。「戦闘員7号、これまでの功績をたたえ、おまえを新たなる改造人間に生まれ変わらせてやろう」ついにこのときがきた!(つづく)
2005.08.27
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目を覚ますと、そこはどこかで見た光景だった。んっ、ここは?見覚えがあるはず、そこは改造室と呼ばれる所。おれが戦闘員として、死神カメレオンとして誕生した部屋だ。カメレオン?おれはガバッと身を起こした。そうだ、おれはヤツと戦い、ライダーキックを受けてやられたんだ。しかし…生きている。おれはまだ生きている。てっきりあのときもう終わりだと思ったのに…。ふと手を見る。黒い。なんだこれ?腹を見る。黒い。が、脇のところが赤い。そういえば心なしか息苦しい気がする。ま~た首領のヤツ、おれを別なものに改造したのか?ドアの開く音が聞こえ、バラバラと人影が入ってきた。みな真っ黒ないでたちで、プロレスラーのような覆面をしている。体の横には赤い色が。そうか、おれもあのような姿になっているのか。ひとりがおれに近づいてきて、右手をあげ「キーッ」と叫んだ。おれも知らず「キーッ」と答える。「おまえ、一緒に来い」短い言葉でそいつが言った。おれはそいつらの後に続いて部屋を出た。どこへ連れて行く気だ?とある部屋に入る。正面におなじみの紋章が見えた。さっきのひとり(だと思う。声が似てたから)がまた右手を上げて言った。「戦闘員部隊ブラック小隊第7号、連れてまいりました」あらっ、おれはただの戦闘員に格下げかい?今度は7号ときたか。「戦闘員7号、おまえはライダーにやぶれた。もう少し訓練が必要のようだな。よって、そこにいるブラック小隊の諸君と行動を共にして、おまえのその戦闘能力を高めるがよい」「首領、おれ、いやわたしは、ヤツのキックを浴びててっきりやられたものとばかり思いました」「おまえは運がよかったのだ。ヤツのキックを浴びた際、偶然ベルトが外れたのだ。つまり爆発したのはベルトだけで、おまえは重傷を負ったものの、救護班に救出されたというわけだ。本来なら作戦に失敗した者は処刑するのがショッカーの掟だが、おまえのその運のよさは貴重だと判断し、特別に救護させたのだ」「そうでしたか、ありがとうございます」本当を言えばそれほどありがたいとは思わなかったが、まぁうれしくないわけでもなし、とりあえずご機嫌をとることにしたのだ。「今後はますますわがショッカーのために働いてもらいたい」「わかりました。くそう、仮面ライダーめ、今度会ったら必ず倒してやる!」これは本心だ。「そのためにも、おまえは訓練が必要なのだ。ブラック小隊戦闘員1号、7号をトレーニングルームに連れてゆけ」キーッ、とひとりが答えた。よし、やるぜ。もっともっと強くなって、今度こそヤツを倒してやる。おれの闘志は火と燃えた。(つづく)
2005.08.25
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戦闘員たちがライダーと対峙した。よし、こいつらと戦うところを見て、ヤツがどれほど強いか見極めてやる。しかし、その余裕はなかった。強い。あまりにも強すぎる!あのパンチは空手ではなさそうだし、キックも見たことのない型だ。チョップはどうもプロレスの人気選手のそれに見え、ひとりの戦闘員から奪った剣を器用にこなしてもいる。こう言うと長い時間のバトルのようだが、実際には電光石火とも言うべきスピードであっという間に5人の戦闘員は地に倒れた。このおれ、カメレオン様のすぐれた目でなければ、この一瞬の間になにが起きたのかわからなかっただろう。それほど速かったのだ。勝てるか?こいつに。先ほどの怒りはどこへやら、おれは少々ビビってしまった。が、カメレオンとバッタ、どちらが強いかを考える。狼とカモシカでは狼、カメレオンとバッタなら間違いなくカメレオン、すなわち、おれの方だ。そう思うと自信がみなぎってきた。腰が据わる。よし、やるぜ!ヤツがこちらにせまる。おれもひるまずに待ち構える。「とうっ!」太い声をあげ、ヤツが左のパンチを繰り出してきた。おれは右腕でそれを払う。んっ?やけに軽いな?こんな拳でおれを倒せると思ったのか。そのまま払った腕を返して、やつの顔面をねらう。と、とんでもない衝撃がおれを襲った。「とうっ!」しまった。思うまもなくおれはふっとばされた。さっきの左は、この右のパンチを繰り出すためのフェイントだったのか!今ごろ気付いても遅いっての。地面に叩きつけられたおれは自分の不注意さに腹が立った。くそうっ、ならば、こちらもフェイントだ。おれは這いつくばったまま地面と同じように体色を変えた。どうだライダー、おれにはこんな能力もあるんだぜ。このまま後ろに回りこんで攻撃してやる。おれは音も立てないように地を這った。ヤツがおれの倒れたあたりをまだじっと見ている。いいぞ、鬼さんこちら、だ。もう少し、もう少しでバックを取れる…。突然、ヤツの目が赤く光った。な、なんだ?ヤツが周囲を見回す。そしてこちらを見た。ゲッ、まさか見つかったのか?そうらしい。ヤツは大きく振りかぶると、またも右のパンチを打ってきた。よけられない!「とうっ!」バキッ!おれの腹でイヤな音がした。たまらずのた打ち回ってしまう。「やはりそこか!」勝ち誇ったようにヤツが言った。くそっ、あの赤い光は透視光線を放ってたのか。痛む腹を押さえ、おれは思った。バッタ野郎にそんな能力があったとは…。気がつくと、おれの体の保護色が元に戻っている。やばい!おれはヤツに引き起こされた。わかった。おまえの強さは十分わかった。だから今回だけは見逃してくれ。おれはおまえに対して、何も危害は加えてなかったじゃないか!再びおれは保護色を使って逃げようとした。しかし、装置のどこかを破壊されたらしく、変わらない。その後はもう、ヤツの独壇場。パンチ、キックの雨あられ。何発食らったのかもわからない。「と~うっ!」ひときわ太い声が聞こえると、一瞬ヤツの体が視界から消えた。まさか、おれと同じ保護色を?しかしそうではなかった。見上げたおれの目に、ヤツの姿が映った。あんなに高くジャンプしてなにをする気なんだ?「ライダー、キーック!」右足を前に、左足を折りたたみ、急降下でヤツがせまる!逃げなければ!だが、そんな体力など残っていなかった。呆然と立ち尽くすおれに、これまでにない衝撃が走った。「キーッ!」たまらず吹っ飛ばされ、おれの意識は遠のいた。くっそう、ヤツには手も足も出なかった。もしも、もしも次に戦う時があれば、今度は絶対にヤツを倒してやる…。ドカーン!爆発音。そしておれは闇に落ちた。(つづく)
2005.08.24
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その場所に財宝はたしかにあった。どこかで見たことのあるナチスの卍マークが刻印された黒い箱が、深さ数メートルのところに埋められていた。砂田という男の言うとおりだ。ショッカーの科学班も、たまにはいい仕事をするもんだ。だがなぁ。おれは改めて周囲を見渡した。ヒットラーの財宝が、こんなところに運び込まれ、隠されていたなんて信じられん。ただの広場。赤土が広がる、何の変哲もない、本当にただの広場としか言いようがないこの場所。いいのかなぁこんな目印もない場所に財宝なんか隠しておいて。だが、どう思ったところであるものはあったのだ。さて、運ぶとするか。「おい、早く運べ!」戦闘員に命令する。間髪を入れずにイーッと返事が返ってくる。ちょっと気持ちいい。あのクモ男さんもこんな気分だったんだろうか?今なら同じ改造人間同士、そこらの酒場で意気投合しながらグラスをかたむけ合うこともできただろうな。惜しい人を亡くしてしまった。「カメレオンさま、たいへんです!」血相をかえて(あのペイント顔で血相もないものだが、おれの目をもってすればそのくらいのことを見抜くなど軽いものだ)戦闘員のひとりが叫んだ。「どうしたのだ?」「カメレオンさま、中身がありません!」え~い、そのカメレオンさま、ってのやめんか!なんだか呼ばれても情けないばかり、なにも威厳が感じられんじゃないか。なぜおれにはカメレオン男と名がつかんのだろう?クモ男さま、コウモリ男さま、カメレオンさま…あぁ。「そんなバカな」気を取り直して、おれは黒い箱に近づいた。中を覗き込んでいる戦闘員を押しのけると、おれは中を見た。ない!どうしたことだこれは!意味もなくおれは周囲を見回した。そんなところを見たって見つかるはずないのに、わかっていながらそうしてしまったのは、不覚にもうろたえてしまった証である。が、何度も周囲と箱の中へと視線を動かしたが、やはりない。と、そのとき。「残念だったな、カメレオン!」なまいきにもおれを呼び捨てにする不届きな声が聞こえた。なにっ、と振り向いたおれの目に、赤いマフラーを身につけた異形の者が映った。複眼の目。緑色の筋肉を思わせる胸の下に、風車のついたベルトが巻かれている。もしやこいつがうわさの…「き、きさま、仮面ライダーか?」「いかにも。わたしがきさまらショッカーを倒し、人類の平和を守る大自然の使者、仮面ライダーだ。きさまらが来る前に先回りして、ヒットラーの財宝はこの私が海へ捨てた!」す、すてた?捨てただと?も、もったいない。何兆もの価値を持つ財宝だぞ!なんの権利があってそんな勝手なことするんだ!財宝を横取りされ、怒りのあまり頭に血が上ったおれは戦闘員たちに向かって叫んだ。「かかれ!」(つづく)
2005.08.22
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そしておれは今、新しい任務を終えて戻ってきたところだ。ナチス・ドイツのヒットラー総統が、第二次大戦中この日本に莫大な財宝を運び込んだという、そのありかを知る砂田という男をさらってきたのだ。おれの変身、変色に加えて壁抜けの能力をもってすれば、たやすい任務だった。しかし、財宝ねえ…。金で世界を征服するつもりなのか?それなら別に、こんなけったいなアジトや改造人間なんて、作る必要ないと思うのだが。「死神カメレオンよ、作戦室まで来い」首領の声が聞こえる。なんだ?今度は何の用だ?やれやれ人使い、いや怪人使いの荒いお方だな、首領も。おれは歩いていた通路を引き返し、作戦室に向かった。「死神カメレオンよ。財宝のありかが判明したぞ。砂田という男が自供したのだ。おまえはただちに現場に向かい、必ずやヒットラーの財宝を手に入れるのだ」はぁ、人の次は宝物の拉致かい(いや、強奪か)。こんな命令ばっかりだな。ショッカーと係わり合いをもって何回目、いや何十回目かのため息をつき、しかしおれは威勢よく右手を挙げ、「キー!」と叫んだ。とても不思議なのだが、別にそんなポーズをとりたくなくても首領から命令を聞くとついやってしまう。なにか神経的なプログラミングでもされているのかな。ま、グズグズしてるとまた短気な首領にドヤされてしまう。おれは速やかに作戦室を出た。そして気がついた。あれ、首領は財宝のありかがわかったと言っただけで、具体的な場所までは教えてくれなかったな。しかしなぁ、今さら部屋に戻って改めてたずねても「そんなことも知らんのか、このマヌケ!」と一喝されてしまうのがオチだろう。この理不尽さがたまらない。そのうち快感になってきそうだが、それは別な話。さて、どうしたものだろう。そこでおれは、近くを通りかかった戦闘員(何号かはわからないが)を呼び止めた。「おい、今からヒットラーの財宝を奪いに行くぞ。おまえも来い!」すると戦闘員は「わかりました。で、どこに行けばよいのでしょうか?」などと、のんきなことを言いやがった。おれはニヤリと笑うと、言った。戦闘員の、ペイント顔がひきつった。「そんなことも知らんのか、このマヌケ!」たちまち戦闘員がキーッと一声あげ、直立不動になった。おれは少しだけ首領の気持ちがわかったような気がした。よし、これからもわからぬときはこの手でいこう。(つづく)
2005.08.21
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おれはひとつのケースを指差した。なかに、緑色をしたカメレオンが木の枝につかまっているのを横目で見ながら。もちろん、こんなもの選びたくない、というのが本音だが、ほかに選択の余地がなければしかたない。どうせ改造されるなら、虫やヘビなどよりはいくらかマシ、といったところで、きわめて消極的な選び方であったことを、おれの名誉のために(もはやそんなものがあるとは自分でも思わないが)これだけは述べておこう。「よし、では戦闘員5号を控え室に連れて行け!」白衣の男がそれを聞いて、おれをうながした。早く行け、ということか。「首領、ひとつうかがってもよろしいでしょうか?控え室はどこに…」「ええい、おまえは控え室も知らぬのか。マヌケなヤツだ」いらだつ首領の声。どこかで聞いたセリフだ。まったくこの連中ときたら…。白衣の男が、こっちだ、と先に立って部屋を出て行った。案内してくれるつもりのようだ。おれは続いて部屋を出ようとした。その瞬間、左右のドアが閉まり、頭をぶつけてしまった。なんたる醜態!「おろかもの!早く行け!」思ったとおり、首領の叱責。はぁ、とため息ひとつ。こんな安普請の自動ドアしか設置できない集団が、本当に世界征服などできるのだろうか?なんにしても、これ以上首領を怒らせてはいけない。おれはあわてて、しかしドアがしっかり開くのを待って部屋を出た。左側の通路で、白衣の男がこちらを向いて立っている。小走りに男のいる方へ急いだ。はぁ、とため息をもうひとつつきながら…。やれやれ。(つづく)
2005.08.19
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アジトに戻ったおれは作戦室に呼ばれた。親切なクモ男さんに教えてもらったのだ。ありがとうクモ男さん。「おまえ、作戦室も知らんのか?マヌケなヤツだ」このひと言がなければあなたをもっと尊敬できたのに。マヌケもなにも、おれはまだここに来たばっかりだっての。細い通路を歩くと、周囲と違ってひときわ大きなドアがみえた。あそこか。ドアの前に立つと、自動的に左右に開いた。へぇ、自動ドアか。だけどなぜ不揃いにぎこちなく開くんだろう?薄暗い部屋のなかに入る。正面に、鷲だか鷹だか、ともかく鳥が地球の上にまたがっている紋章が飾られており(なんちゅう趣味だ?)、その中央部が緑色に点滅している。ざっと辺りを見回したが、他には人がいないようだ。と、聞いたことのある声が突然部屋に響いた。「よくやった、戦闘員5号」へっ?おれの名は5号?他の呼び方はないのかなあ。たとえばコードネームとか、もっとイカした名前をつけてもらいたいもんだ。もう一度部屋を見回すが、やはりだれもいない。ただ紋章の中央が点滅を繰り返すだけだ。首領はどこにいるんだろう?「キミの働きによって、我々ショッカーは本郷猛を手に入れることができた」声が続く。あのなぁ、おれはただクモ男に言われて気絶させただけだっての。働きなんて言えるほどのことはなにも…。「よって、キミを特別に、改造人間に生まれ変わらせてやろう」かいぞうにんげん?なんだそれ?まさかあのクモ男みたいなヤツのことか?あんな化け物みたいなヤツにされるのか?とんでもない!今のこの変なペイント顔ですらショックだってのに、これ以上おれの体をどうかされるなんてまっぴらだ。だからおれは言った。「首領、おれ、い、いやわたしは、まだそんな活躍などしておりません。改造人間になど、滅相もございません」こんなていねいな言葉使いがおれにできるとは。ちょっとホメてやりたいぞ。「ならぬ!おまえは本郷猛の改造終了後、次の計画によって改造されることが決まっておるのだ!」なんだ、うまいこと言いやがって、はじめからそのつもりだったんじゃないか。しっかしきたないよなぁやり方が。さっきまで“キミ”だったのがもうおまえ呼ばわりだし。あの不揃いに開く自動ドアが動き、白衣の人間(かどうかあやしいものだが)がキャスターつきの台車を押して入ってきた。台の上にいくつかのケースが置かれていて、それぞれの中になにかうごめいているのがチラリと見えた。「これらのなかから、好きなケースを選ぶがよい。それが今回の働きに対するおまえへの、私からの褒美だ」まだ言ってる。最初から改造は決まってたって言ってたくせにヌケヌケとまぁ。うれしくない褒美だなぁ。いやいやながら近寄ってケースの中を見た。ハチ、コウモリ、カマキリ、コブラ、サソリ、その他…まったくありがたい。この中から選べって言うのか首領さん。「どうした、早く選ばぬか!」首領はそうとう短気な性格らしい。まったくもう…。もちろん、できるならどれも選びたくない。顔のペイントも取って逃げ出したいくらいだ。しかし、もしそうしようものなら、短気な首領のどんな仕打ちが待っているかわからない。こわい!ケースを見比べて、おれはそのうちのひとつを指さした。「首領、こ、これでお願いします」(つづく)
2005.08.18
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草むらの影から、おれは未舗装の道を見ていた。オフロード用バイクのレース場らしい。細く荒いタイヤの跡が無数についている。それにしても、このクモ男とかいうけったいなヤツは何者なんだろう?おれはとなりで同じように前を向いているそいつを見た。フシュルル、フシュルルと、妙な息づかいで微動だにしていない。はぁ、なんだかしらないが、妙なことになっちまった。こんなやつらに加担して、本当に世界征服なんてできるんだろうか?と、そのとき、彼方からオートバイのエンジン音が聞こえてきた。かなりのスピードらしい。甲高い爆音を響かせて、こちらに近づいてくるようだ。「来たぞ」クモ男が言った。ちぇっ、わかってら。心の中でつぶやきながら、それでもおれは頭に乗っかっているベレー帽をかぶり直した。なぜ戦闘員と呼ばれるコマンド部隊にベレー帽が必要なのか、しかも顔に妙なペイントまで塗られて(かなり特殊な染料らしい。出動前にふと鏡を見たおれはショックのあまり必至になって顔をこすったが、少しも取れなかった。なるほど“ショッカー”とはこういう意味だったのか、と妙な納得をしたのだった)、こいつらのセンスもわけがわからん。せめて世界征服を達成した日には、おれだけはもう少しセンスのいいペイントと服装をしよう。エンジン音が大きくなってきた。近づいてきた証拠だ。しっかりおれは目を凝らした。来た!クモ男がおもむろに立ち上がった。何をする気だ、と見ていると、彼は走ってくるバイクに向けてなにかを投げつけた。その瞬間、クモの巣状に広がったそれが、バイクと搭乗者を絡め取った。おぉ、さすがクモ男と呼ばれるだけのことはあるな。今投げたのはクモの糸だったのか。すごいもんだ!「おい、戦闘員、こいつを気絶させろ!」クモ男がおれの方を向くと、エラそうに命令した。くそっ、感心するんじゃなかった。そのくらい自分でやりゃいいのに。おれはしぶしぶ、バイクのとなりでもがいているその男に近寄った。黄色いヘルメット、水色のライダースーツ。太い眉だなぁ、それが、その男を見たおれの第一印象だ。まだ二十代前半くらいか。もがきながらもこちらをにらんでいる。悪く思うなよ。そう言いながら、おれは男の腹にこぶしを打った。ビクン、と体が一瞬痙攣し、男が目を閉じた。しまった、強すぎたか?しかし、おれの心配をよそに、クモ男がそいつを無造作に肩に担ぎ上げ、無言で歩いていってしまった。無愛想なヤツだなぁ。そんなんじゃ仲間に嫌われるぞ。それに、さっきパンチを当てたときクモの糸がおれの手についてしまったじゃないか。これ、取れるのかな…?しばらくしつこい糸と格闘したものの、おれはあきらめてクモ男の後を追いかけた。あの担がれた男が本郷猛か。なんで首領はわざわざこいつを指名してさらってこい、なんて命令したんだろう?まったくわけがわからない。もしかしておれもこんな風に拉致されたのか。再びおれは失われた記憶を取り戻そうとしたが、クモ男の「早く来い!」のひと言であきらめた。あ~あ。
2005.08.16
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※これはテレビ版仮面ライダーの設定、ストーリーを元に筆者が勝手に創作した物語です。よって、実際のドラマとは大きく異なりますので、あらかじめご了承ください。目が覚めるとおれはうす暗い部屋のなか、なにか、手術台のようなものの上に横たわっていた。心なしか体が、頭が重い。何がどうしてどうなったのか、いやその前に、いったいここはどこなんだ?目覚める前の記憶が取り戻せないまま、おれはうろたえた。と、頭上から異様に重々しい声が聞こえた。「ようこそ、わがショッカーへ」へっ?ショッカー?なんだそりゃ?「キミは今日から我々ショッカーの一員として働いてもらうことになったのだ」働く?働くったって、なにをどうすりゃいいんだ?わけのわからないまま、俺は声の主にたずねた。「おまえはいったい誰なんだ?ここは…」どこだ、と聞く前に、何者かがおれの頭めがけて棒のようなものを振り下ろした。とっさに避けようとするが、体がなにかに固定されているようで身動きが取れない。やばい!ガンッ、にぶい音がしてその棒が頭に当たった。軽い衝撃。なに?あんまり痛くない。感触からすれば金属の棒(鉄パイプか?)のようだが、なぜおれは平気なんだ?普通なら頭は割れ、即死だってのに。「首領、実験は成功です。頭部の強度は基準値をクリアしています」たった今、おれの頭に金属棒を落とした人物が言った。実験?体を固定させたままの人を鉄パイプで殴るのが実験だと?そりゃただの虐待、暴力だ。「なにするんだこの野郎!死んだらどうするってんだ。おい、答えろ!おまえらは一体何者なんだ?理不尽きわまる扱いにたまらず、おれは声をあげた。すると再び鉄パイプがとんできた。「首領に向かっておまえと言うな!」ガンッ。こいつ、アホじゃないか?そんなものでいくら殴りかかってきても、たいした効き目はないってのに。今、実験は成功、と言ったばかりじゃないか。しかし、ヘタに抵抗すると正体不明のこいつらに次はなにをされるかわからないので、おれはあえて頭を押さえ痛がるフリをした。なんだかなぁ。「キミには早速働いてもらおう。彼と一緒に、ある男をさらってきてもらいたい」またも頭上から低い声が。こいつら、人の話を聞かないつもりか?本物の、アホか?そのときパチンと音がした。拘束具がはずれるような音。やっと体が自由になったようだ。やれやれ、今から就業時間の始まりってわけか?しかし、彼って、誰だ?台から降りたおれは周囲を見回した。ゲッ、なんだあいつ!?ぼんやりした灯りのなか、そいつのシルエットだけが眼に入った。人のように見える。足らしいものも、腕みたいなものも見える。しかし、どこかおかしい。なにか雰囲気が変だ。そいつが音もなく近づいてきた。ゴクリとつばを飲む。徐々にそいつの姿が顕わになる…うわっ、クモ!そいつの顔はまさしくクモだった。なんだこいつ?着ぐるみか?おれはクモが大きらいなんだ。妙な息づかいまでしやがって。こっちへよるな!「わがショッカーが誇る怪人クモ男だ。彼と一緒に、ある男、すなわち本郷猛をさらってくるのだ」首領のていねい且つあいまいな(つまり、よくわからない)説明が入る。彼、ということは男か。そうかクモ男だもんな。じゃクモ女ってのもいるのか?なんだか祭の見世物小屋みたいだな。「さぁ、ゆけ!」ひときわ太い首領の声がひびきわたる。これまでとはちがう、威圧的な口調だ。どうやら言うことを聞いた方がよさそうだな。しかし、最後のあがきでおれはたずねた。「首領、おまえ、いやあなたの命令に従ったことへの、おれの報酬は?」「ンフッフッフッフ。“世界征服”ではどうだ?」間髪をいれずに返事がきた。なに、世界征服?こんな奇妙な見世物小屋連中と一緒に行動していれば世界が征服できるのか。おもしろい!なに考えてるのか未だに腑に落ちないまま、しかしおれはその話にのることにした。おれが一体誰で、どういう状況からこんなことになったのかはあいかわらず思い出せなかったが、とりあえずそれでもいいや。どうやらふつうの人間よりはるかに強靭なボデーをもらえたらしい。こんなおれがショッカーとやらのたくらみに一役買えるなら、やってみようぞ。こうしておれは、ショッカーの一員として働くことにした。ところで、クモってたしか足が8本じゃなかったっけ?(つづく)
2005.08.15
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夜中にペットボトルのお茶を買いにだとか、ちょっとした用事でコンビニへ行ったとき、時々見る光景がある。また、深夜残業の帰り道、ふと信号待ちで止まった際に、すぐ横のコンビニを何気なく見ると、目にすることがある。それは、あきらかに小学生と見える子供が入り口からひとりで出てくる姿だ。結婚してからはほとんどなくなったが、以前(といっても数年前まで)はよく、ファミレスで友人とセットメニューなど頼みながらいろいろ話し込んだりしてた。「そろそろ行くか」時計を見てレジに向かう。時間は深夜割り増し料がつくくらいの夜。と…小さな子供連れの家族ご一行さまがどやどや店に入ってくる。子供も至って元気にはしゃいでる。えっ?こんな時間に?おいおい、今から夕食かぁ?こんな夜遅くまで小学生がひとりでコンビニに行って、なに買うの?そうなのだ。今って、小学生の子供が夜中も平気で(?)出歩いているのが珍しくない時代なんだなぁ。小さな子供を連れた家族が夜の11時にファミレスで普通に食事出来てしまう時代なんだなぁ…。これも数年前、ひとり暮らしをしていたころ見かけた風景。残業帰りに(なんかこればっかりだけど、事実だ)夜遅くまで開いているスーパーへ夕食を買いに立ち寄った時、そうなぁ、9時か10時ごろだったかな。店に入るとき子供の声がしたんでその方を見たら、自転車置き場で数人のおかあさん(らしき人)が立ち話をしているのが目に入った。小さな子供たちを周囲で遊ばせながら!私が子供のころ、夜の9時10時は祭や花火大会など、特別なイベント時を除いてまずまちがいなく家にいた。夜9時から始まる○○洋画劇場を親と一緒に見て(もちろん毎週じゃないよ)、終わると「あぁもう11時か。早く寝よう」の声で消灯。夜更かししちゃったなぁと思いながら布団にもぐりこんだものだった。夜10時から始まるテレビドラマは完全に大人の雰囲気。ゴールデンタイムとは別な世界がそこにあった。もちろんそんな時間に外へ出るなんてことはなかったし、ましてコンビニなんてなかった時代、ひとりで街を歩くことなど考えられなかった。中学生になって、塾帰りにふと見かけた消防車をむきになって友人たちと追いかけたり、某友人のYクンの家に襲撃(笑)をかけたりはしたな。それでも10時かそこらの話。それ以上の深夜まで出歩いたことはなかったように思う。(高校生がゲーセンに行くだけで補導される時代なんて、今の子供たちには笑い話だろうなぁ)いろんな家庭の事情はあるだろうから、一概に良い悪いは言えないけれど、それでも今の子供たちは夜更かししすぎなんゃないかと思ってしまう。ランドセルを背負ったまま(なくても同じだけど)深夜コンビニの自動ドアをくぐる小学生…なにか悲しくなっちゃうね。…もっとも土曜の夜、小学生の分際でオールナイトニッポンを聴いていた私が言える筋ではないけれど…(爆)<次回予告>ついにあの「戦闘員の挽歌」が装いも新たに再び登場。筆者もまだ結末が見えていない状況の中で、果たして“完”の文字は打てるのか?こんないい加減なことしていいのか?と不安を覚えつつも平気でブログに書き込もうとする筆者のずうずうしさに、乞うご期待!
2005.08.14
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以前オールナイトニッポンのことを取り上げたが、考えてみれば昔は、テレビや漫画に夢中になりながら、一方でラジオもよく聴いた気がする。現在もつづく「昼の歌謡曲」(NHK-FM)は、隠れた名曲を見つけるのに絶好の番組だったし(私はこの番組がきっかけで山口百恵のファンになったといっても過言じゃない)、「淀川長治 ラジオ名画劇場」(SBS、というか、キー局はTBSかニッポン放送か?)では数多くの映画音楽を知ることができた。ちなみに私は淀川さんの大ファンでもある。しかし今回取り上げたいのは、そのラジオ名画劇場のあとに放送されていた「ミステリーゾーン」(後に「夜のミステリー」に改題)だ。ナイターのオフシーズン中、夜9時の時報が鳴り止むと突然キャーという女性の悲鳴、そしてホラー映画(曲想は違うけどちょっとエクソシストっぽい)曲で幕を開けるこの番組、覚えている人いるかな?たしか放送時間は10分か15分くらいだったと思う。あの怪優、岸田森さんがナレーションを務め(「たとえば、あなたはうかつにも○○したことはないだろうか?」が冒頭の定番だった)1回につき1話、ショートストーリーを紹介(というよりドラマ化)したものだ。週ごとにテーマが変わったが(世界怪奇実話シリーズ、とか)、まぁ世界各国の伝奇やホラー性のある民話を題材にしたラジオドラマ、といった方が早いかもしれない。今振り返ればこの番組、怖さよりも不気味さ、後味の悪さが残ったような気がする。私が覚えているのは、吸血鬼、ポルターガイスト現象、パリの狼男(なぜパリ?)、幽霊船、などの話だが、それを差し置いて最も印象に残ったのが、“占いが的中して人の指を食べちゃう”って話。うろおぼえだがちょっとストーリーを紹介すると、占い師に「あなたは近いうちに人の指を食べることになる」と予告された男が(しかし、なんちゅう予告?)、そんなバカなことはしない、と気にも留めずに、女性と試作品の缶詰(だったと思う)を試食していたとき、口の中に違和感を感じてつまみ上げたらそれが人の指だった…。実は、缶詰工場で働く従業員が仕事中の事故で指を切り落としてしまい、それが缶詰に入っていた、という結末(これ、正確なストーリーを覚えている人がいたらぜひ教えて欲しい)。改めて考えると、これ、ホラーやミステリーというより痛ましい労災の話だなぁ…。まぁ、そんな話を毎回聞いて、それだけでは飽き足らずテープに録音していたわけだ小6~中1のころの私は。そしてそのテープをデッキにセットして自転車のかごに入れ、BGM代わりに聴きながら友人と海までサイクリングに行っていた戯け者なのだ私は。あのテープ、まだ実家に残ってるのかなぁ。もしも聴けたら久しぶりに聴いてみたくなった…。プロ野球はテレビでも見られたが、先のラジオ名画劇場とともに、このミステリーゾーンはラジオでしか聴けなかった。だから、ってわけでもないが、オフシーズンがくるのをけっこう楽しみにしていた記憶がある。その時期になると新聞のテレビ欄を毎日見て、まだかな~まだかな~と、「恐怖の公害人間」でのビルに腰掛けてスペクトルマンを待つラーのように(例えになってない)待ち焦がれていたなぁ。最近、といってももうずいぶん昔からラジオ番組って聴かなくなっちゃったけど、こうしたラジオドラマって、今でもやっているんだろうか…?
2005.08.13
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昨日までの3日間、ブログをお休みしていた。で、その間何をしていたか、ってのが今回のお話。まず、9~10日は、妻と山梨に行っていた。題して「いま会いツアー」。映画「いま、会いにゆきます」のロケ地を尋ねて車を走らせてきたんである。まず行ったのは明野のヒマワリ畑。映画を見た方ならご存知の、エンディングシーンやビデオのパッケージにも使われた、あのヒマワリ畑だ。ここねぇ、けっこう人がいたんだ。もともとヒマワリ畑として有名なのに加えて映画の効果もあり、若い人から年配の方まで、みんな手にカメラや携帯を持って畑の中に入っていた。北海道のそれに比べるとヒマワリの本数は少ないらしいけど、なに、あれだけの数がいっせいに咲いているのはやっぱり壮観だったなぁ。駐車場の近くで食べたヒマワリソフトクリームと焼きとうもろこしはうまかった!つづいて行ったのは白州にある、尾白の森名水公園(べるが)。主人公3人が手をつないで歩いた森だ。ここはすばらしい森。なんか静かで、しっとりとしていて(前日雨が降ったんだろうか)、なんとなく空気がうまい気がして、思わず深呼吸とため息。ここを中村獅童と竹内結子が歩いたんだなぁ、なんてミーハー気分にも浸りながら、のんびり森の中を散策したのであった(ここ、リラックスしたい人にはお勧め!)変わって昨日、11日。わが家に家族が増えた。といっても赤ちゃんが生まれたんじゃないよ(望んではいるけど)。犬を飼うことになったのである。ミニチュアダックスフンドのレッドで、名前はヨロ。ヨーソローのヨロちゃんだ。いや、前々から妻と「飼えるものなら犬を飼いたいね」なんて話していたんだけど、ついにそれが可能となったため、今月の初旬から検討して、昨日の夕方、我が家に連れてきたってわけ。それにしても子犬っての、かわいいけど世話かかるね。おっと、今ヨロが目を覚ましてハウスから出てきたぞ。またおしっこの世話と昼飯をやらねば。というわけで、以上がこの3日間の私の行動でした。最後に、ヨロの写真を公開します。明日からこのブログはヨロ日記に…はならずに(たまには登場するかもだけど)、またMATの理の精神を語ろう。
2005.08.12
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前回のテーマに引き続き、今の実写界(特撮界)に物申すシリーズ第2弾。たとえば現在放映されている仮面ライダー響鬼。あれ、仮面ライダーの名をつけなきゃいかんのだろうか?ストーリーや設定自体がおもしろいのはよい。主人公がこれまでの平成ライダーにない雰囲気なのも好感が持てるところ。しかし、だ。なんで “仮面ライダー”なの?普通に“響鬼”だけじゃダメなのか?「妖怪伝・響鬼」とか(…あの~、響鬼ファンの方怒らないでね。作品自体に文句つけてるんじゃないですよ)。たとえば、先日終了したウルトラマンネクサス。ストーリーの難解さ(子供番組として)ゆえに支持を得られず、39話で打ち切りに近い終了となったらしいが、もうひとつストーリー以外に難点だったのは、タイトルの頭に“ウルトラマン”の名がついていたこと。視聴者が“ウルトラ”に期待するものと実際の作品がズレていたその表れじゃないかと思うのだ。個人的には、昔から考えていた“途中からヒーローが交代するドラマ”ってのが現実に登場した点でおもしろいなぁとは感じていたが、だけどやっぱりこれはウルトラマンじゃない。 その反動からか、今放映のウルトラマンマックスの、原点帰りのすさまじいこと。これ、昭和40年代ウルトラのパロディか?と思うくらい、あの頃のストーリーや設定を踏襲している。これなら子供にもわかりやすく、ウケるかもしれない。しかし…。怪獣まで踏襲しなくてもいいじゃん。エレキングやバルタン、ゼットン、ピグモン、レッドキング…本当にマックスに必要か?Aやタロウにだって、たしかに再登場怪獣の話はあった。ムルチ、メトロン星人Jr、メフィラス星人、改造ベロクロン、ベムスター…子供の頃見ていて、怪獣がいっぱい出る!ってことに喜んでいた反面、造形の悪さと、元の設定を無視した登場の仕方に釈然としない思いもあったのだが。話を元に戻すと、今の子供たちがレッドキングやゼットンの再登場に興味を示すんだろうか?と疑問なのだ。それよりここで一発、彼ら先輩怪獣のように、後世までその名を残すオリジナル怪獣(これだけ怪獣だの超獣だの巨獣だの恐獣だの魔獣だの○○星人だのが満ちあふれれば難しいことではあるが)を作ってくれ、と願う。近年のゴジラ映画にも以前から思ってた。いつまでキングギドラやラドン、モスラ、メカゴジラに頼るんだ?平成ゴジラになってから、新しい怪獣は何体登場したんだ?しかも、過去の名怪獣たちも銀幕に出るたびに設定が変わり、造形も変わり(←こりゃ仕方ないとしても)…。もうあきれるばかりとしか言いようがない…。そう、言いたかったのは、これ。過去のヒーローや怪獣の、名前やキャラクターを使うのもいいけれど、それよりもっとオリジナルヒーローを作ってくれ、ってことなのだ。70年代末期に登場した奇跡のヒーロー、宇宙刑事ギャバンのように。過去の栄光を食いつぶすのはもういい。もっと新しい、魅力あふれるヒーローを作ってほしいものである。前回述べたキャシャーンもハットリくんもハニーも、別キャラでいいじゃん。安易なリメイクは、元の作品にも失礼だ。くどいようだけどもう一度。求む、オリジナルヒーロー!(主演はキムタクで!)突然ですが、明日からお出かけやら多忙やらで、3日間ほどこのブログをお休みしますm(__)m金曜日か土曜日あたりに、またお会いしましょう!
2005.08.08
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漫画をドラマ化、あるいは実写の映画化にすることって、よくある。でもこれ、つくづく難しいよなぁ。もちろんストーリーの問題もある。コミック全10巻、20巻を2時間あまりに短縮して、なんだから、そりゃどこかに無理が出るってもんだ。「なんでそこからいきなりその話に飛んじゃうの?」「なぜあのエピソードを省略するの?」なんて感想は、誰にも覚えがあると思う。しかし、もっと切実な問題点がある。それはキャスティングだ。「ゴルゴ13」を千葉ちゃんや高倉健さんが演じた。まぁ、元々デューク東郷は健さんをイメージして作られたキャラクターとのことだから、配役には理解できる。しかし、健さんがビルの屋上で銃をかまえたとき、、ゴルゴの顔が思い浮かぶだろうか?「課長 島耕作」を、恐れ多くも田原の俊ちゃんが演じた。スタッフはマジでキャスティングを考えたのか?島耕作と俊ちゃん、共通点はどこ?「風吹裕矢」を、風吹真也が演じた。なんだこれ?似てるの名前だけじゃん!せめて太い縦縞ジャケットにメーテルばりのロン毛にせんかい!(しかもこの真也くん、この後どこに行った?)「山岡士郎」を佐藤浩一が演じた。これなぁ、悪いとは言わないが、はまり役か?「水原勇気」を木の内みどりが演じた。惜しい!(個人的趣味) あの勇気ちゃんは、清楚なだけじゃ足りない。どこか“男”を感じさせなきゃ…やはり、二次元のキャラ、というよりすでに画として容姿が完成されているキャラを役者が演じるのはむずかしい。元のキャラとは似ても似つかない俳優が漫画と同じセリフを吐いたって、そこに残るのはほとんど白々しさだけ、なんである。昨年は、よくかつてのアニメ作品を実写化した映画がけっこうあった。ハットリ君、ハニー、キャシャーン、そしてファンから批難轟々のデビルマン…。作品の出来はともかく、本当にそのキャスティングでよかったのか?伊崎央登は不動明のスピリッツを表現できたのか?ハットリ君は、そんなに背が高くていいのか?過去を紐解いて、唯一といっていいほど成功したのは映画「ドカベン」の岩鬼=高品正弘。彼はよかった。「漫画=実写化ベストキャラクターランキング」なんてあれば、まず間違いなく第1位にランクインすると思われる。勢い余って(?)、なぜか「大鉄人17」にも“ガンテツさん”と、名前こそ違うがキャラクターはほとんどそのままで登場したのも密かにポイント高し!(そうか?)余談。ふと思ったが、時空を越えて幾多の特撮ドラマにガンテツさんが登場しても、違和感ないかもしれない。ワンセブンも、彼が登場してから作風は変わったもののそれまでよりおもしろくなったしなぁ。それにしても映画のドカベン。殿馬が川谷拓三とは…あぁ…。これからも漫画の実写化ってなくならないと思う。今回はふれなかったが、映画に限らず舞台化もけっこうされているらしいしなぁ。が、せめてそれなら元のキャラに似ている役者をキャスティングしてほしいものだ。もしくは元キャラを凌駕するほどはじけた演技のできる役者であってほしい。ただ話題性だけで配役を決めることが今後もあれば、廃れるぞ…。
2005.08.07
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最近、「二時間目 国語」という本を買った。小・中学校の国語の教科書に載っていた短編小説、詩、漢文などを集めた本で、「トロッコ」「注文の多い料理店」「高瀬舟」「ごん狐」「屋根の上のサワン」…思わず、あったな~こんな話、とつぶやいてしまうほど、数十年ぶりに再会した物語たちに懐かしさを感じながらほとんど一気に読んでしまった。これらの物語、どこで、どういう基準で教材に選ばれたんだろう?どれも予想以上におもしろかった。が。読み終わってふと思った。たしかに今読むとおもしろい。しかし、授業中にこれらを読んで、おもしろかったか?答えはノーだ。活字を読むのが子供の頃から苦手ではなかった私が、授業中に読んでておもしろいと思ったことはほとんどなかった。そりゃそうだわなぁ。わずか十数ページ(もしくはそれ以下)の物語を何時間もかけて、しかも「今日は○ページから△ページまで」なんてブツ切り状態で取り上げられれば、ストーリーを味わうことも雰囲気を楽しむこともできやしない。「-線<1>のところで“私はなぜそう思ったのか”20文字以内で書きなさい」い~じゃん30文字かかったってしっかり意図がつかめてれば。文字数にこだわるより正確に内容を捉えることの方が大切だろ~が!「-線Aと同じ意味を持つ言葉を次の1~4から選びなさい」これ、ストーリーとはまったく関係ない問題じゃん。まるで人気番組のキャラクターを使って無理やり作った雑学クイズ本みたいだ。それぞれ設問の理由は理解できるが、なんかなぁ、へんな話、内臓ひとつを取り上げてこれで人間を語りなさい、的なものを感じるのだ(別名、木を見て森を見ず、ともいうか)夏休みの推薦図書も同じだ。本を読んで感想を書く、だったら「この3冊のうちひとつを選んで」なんて縛り、いらないぞ。読みたい本(マンガがダメならせめて図鑑でもSF小説でも)を生徒に選ばせて感想文を書かせりゃいいじゃん。私のようなある種の偏読者(子供のころ)にとって、実につらい仕打ちだった。おかげであの推薦図書、読んで楽しめたのなんかひとつもありゃしなかった(今読んだらおもしろいのかもしれないが。きっとそうだろう)。おまけに、あとがきや解説だけ読んで感想文を仕上げるという邪道極まりない方法まで身についた…。活字離れが論じられて久しい。書店に行けば、マンガと雑誌に押されて小説(特に単行本)のスペースは猫の額ほど。そんなんだから、絶版になるのも異常に早い。悲しい時代だが、こんな状況になった原因、つまり本嫌いを増やした理由のひとつには、学校の授業にあったのかもしれない。そこで。たとえば、国語の時間を2時間にしたらどうだろう?常時でなくていい。それを読書の時間に充てるのだ(だいたい、1時間ばかりの短いくらいで1冊の本を読めるかっての。年間を通じて同じ時間割ってのも疑問だ。他のクラスとの兼ね合いもあるのだろうが、ここはひとつ先生方と文部省にがんばってもらって、なんとか組むんでもらいたい)。そこで読む本は、自前でも図書室から持ってきてもよい。ただし、マンガは禁止。じっくり読みたい本をそこで読む。感想文は、書かせても書かせなくてもいい、が、まぁ授業の一環として、書いてもらうことにする。もちろんそれは宿題としてもよいし、次の国語の時間にでもよい。そして、それを集めたら…先生は誤字脱字の類にだけ赤ペンを入れ、あとは必ずコメントを入れる。できるだけ、感想文自体に返事を書く(ブログにコメントを入れる感じで)。こんな授業、半年に1回もできたら、本が好きな子ってもっと増えるような気がするけどなぁ。漢字の読み書きや言葉の意味も今より知ることが多いだろうしね(実際言葉の意味なんて、学校よりも家で読んでた本から教わった方が多かったぞ私は)。ともかく、もっともっと本好きの子供を増やすのだ!そして、もっと本屋にいっぱい小説が並べるのだ!…そうすれば、私ももっと本屋に足を運ぶのになぁ…(結局それが言いたかったんかい!?)
2005.08.06
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最近、ローレライやイージス、そして「男たちの大和」など、海洋物の映画が続くようだが、なにか流行りなんだろうか?ま、それはともかく、宇宙戦艦ヤマトの魅力である。ちなみに、ヤマトといっても私の中では「さらば宇宙戦艦ヤマト」で終わっている。勝手にスターシアと古代守の娘を登場させたり、“完結編”ではあの沖田艦長まで再登場させたり(な~にが脳死に至らなかった、だ。あの第1部…といっていいのかどうかわからないが、あの感動を返せ~)と、ご都合主義に走ったそれ以降のシリーズは、ハッキリ言って蛇足だ。唯一の救いはテーマソングで、八神純子(ラブ・シュープリーム)と布施明(愛よその日まで)、ささきいさおの挿入歌(♪ルィメンバ~ ヤ~マト~♪)が生まれたことだろうか(あと、「新コスモタイガーのテーマ」も、か)イメージしてみよう。全長200メートルからなる戦艦から翼が生えて、空に舞い上がる姿。これだけで興奮するではないか。そのフライトも、最初はスムーズなものではなかった。補助エンジンを作動させても一度は失敗。二度目も、はじめのうちは無音。乗員は元より視聴者ですら、んっ、また失敗か?と思わせといて、やがてゴゴゴゴ…とかすかに響く波動エンジンの音。この、タメ。主砲も、わざわざ照準あわせからはじまるプロセスを踏んでの発射。このこだわりがいい。“ワープ”や“波動砲”についても、ヤマト内のドラえもん、真田さんの説明がイチイチ入り、あぁ、そういう原理か、と、説得力十分だ。余談だが、当時ほとんどSFファンにしか知られてなかった“ワープ”という言葉を、広く一般に知らしめたのがこのヤマトだ。学生の頃、体育の時間でグラウンドをランニングしている際、「ワープ!」といってコースをショートカットするズルイヤツ(私を含め全国に多数)を生んだのもヤマトのおかげ(?)だろう。そして、そう波動砲。天下の宝刀。とどめの一撃。待ってました千両役者!その破壊力と描写は、それまでのアニメにはないスケールのものだ。“オーストラリア大陸を木っ端微塵にするほどの破壊力”(この、オーストラリア大陸という半端さが、節度があっていい)という説明がイカす。つまり、それだけ波動エンジンのパワーのすごさと、それほどのハイパワーでなければ14万8千光年の長い道のりを旅することはできない、という逆説的な意味にもつながる。波動砲の発射手順も魅力だ。ヤマトファンなら一度は口にしただろう「電影クロスゲージ、明度9」「対ショック、対閃光防御!」のセリフは、発射までの準備確認をしているだけなのに、どこか名言の香りすら漂う。ヤマトの乗組員もまた、いい。古代君は見るからに熱血漢だし、対する島君はクレバーな(時として逆切れほどの激情を見せる時もあるが)キャラ、この対比。沖田艦長は全ヒーロードラマの博士、教授、先生…その誰よりも父だった。存在感、大。森雪もヒロインの条件を満たして申し分なし。真田さんなくしてヤマトの航海は成功しなかっただろうし、ギャグメーカーとしての佐渡先生(時々マジな表情をするのもツボ)アナライザーもなくてはならないキャラだ。そして対する敵も、そのキザぶりとヒステリックさが素敵なデスラー、闘将ドメルに憎めないヒスくん、まさに暴君というべきズォーダーなど、魅力に満ち溢れている…。さて、これらの魅力あふれるヤマトの世界、やはり、スパロボワールドには欲しい作品だ。というか、チャフィーさんの指摘通り、いっそ「スーパー王道大戦」として新たなゲームを作るか、ってところに決まりだ。1ターンに2回しか使えないワープ、1回撃ったら3ターンぐらいその場から動きも反撃もできない波動砲、古代君の熱血コマンドに、島君のかわし、ポイントを溜めると装備できる、反射衛星砲をヒントにしたバリア…。結論、やっぱりヤマトの出るスーパーロボット大戦、やってみたいぞ!
2005.08.05
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「スーパーロボット大戦」というシリーズ物のゲームソフトがある。Z、ゲッター、ダイターン、ガンダムと、70年代を中心とした(最近はエヴァやトップをねらえ、なども仲間入りしているみたいだが)ロボットアニメのキャラクターが一同に介したシミュレーションの、あのゲームだ。グレートとコンバトラーVの競演などという、東映マンが祭り世代にはたまらない夢のソフトで、途中からはキャラクターの音声まで入り(オリジナル声優ってのが泣かせる)、さらに驚異のスーパーソフトと化した。私も一時期、夢中になって遊んだものだ。面のラスボスはスーパーロボットで倒すのが私の流儀だったなぁ。ただ、プレイしていてひとつ不満があった。シリーズを通して払拭されたことのない不満が。それは、どうしてもストーリーの骨子がリアルロボット系(ガンダム系)になってしまっていること。敵キャラにおいて特に顕著だが、Dr.ヘル、シャーキン、暗黒大将軍たちが最後の大ボスになることはなく、またプレイ中の移動戦艦もガンダムワールドかダンバインワールドのそれが中心。なんかちょっと(いや、かなり)くやしいんだな、これ。そこで思うのだが、この移動戦艦に、(宇宙戦艦)ヤマトを起用したらどうだろう?いや、マジでそう思っているのだ。そりゃヤマトにスーパーロボットは登場しない。ま、しいて言えばアナライザーくらいだが、これをスーパーロボットというには無理がありすぎる(あと真田さん、って考えもあるが)。しかし、だ。ヤマト自体が、言ってみりゃ戦艦の姿をしたスーパーロボットではないか?少なくとも、当時テレビを見ていた私はそんな捕らえ方をしていたように思うぞ。ストーリーも、地球を救うために結成されたスーパーロボットチームがヤマトに搭載され、途中さまざまな妨害や戦闘を乗り越えながらイスカンダルを目指して宇宙を旅する…ってのはどうだろう?(ガミラスを打ち破った古代君が「俺たちのしなきゃならなかったことは、愛し合うことだったのに…」と嘆いていると、鉄也君が来て「そんなことはないよ古代君。やつらは滅ぼされて当然だ!」ときっぱり言い切る…なんてね)ということで、次回、宇宙戦艦ヤマトの、戦艦としてのヤマトの魅力を語りながら、スーパーロボット大戦に登場する資格の有無を検証してみたい。
2005.08.03
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漫画の効果音って、どうしてこうもユニークなんだろう。もともと音を文字で表すのだから、作者の解釈でどのようにも表現できるとはいえ、ねぇ。だれかがボケをかましたときの、片足を滑らせた“ズルッ”。誰かが満を辞して登場したときの“ジャーン”(映画の影響だろうな、これ)など、定番中の定番だよなぁ。そして、その漫画特有の効果音ってのもある。思いつくまま挙げてみよう。・スタン「タイガーマスク」「ジャイアント台風」の、タイガーや馬場がチョップを当てた時の音。なんか、いい感じで軽いチョップだなぁ。・ククッ「キャプテン」「プレイボール」で、ピッチャーが投げた変化球が曲がるときの音。このあと“スパン”とミットに収まるか、“カキッ”と打たれるかは神(ちばあきお)のみぞ知るところ。たいていキャッチャーが「さっ、ここよ、ここ」とミットを構えた後に出る(そりゃそうか)。この、ちょっと控えめな変化っぽいところがいい。・グワラグワラガキーンご存知、岩鬼の打球音、というか、岩鬼が豪打爆発のとき、彼の口から出る効果音?う~む、「キャプテン」と違っていかにも仰々しいところが岩鬼しているなぁ。・シュルルルルル星飛雄馬の大リーグボール1号を投げた時の音。ここでも「キャプテン」との比較になるが、“ククッ”が変化球ならこの音はまさに魔球のごとき雰囲気がある。・パフパフおねえさんのパフパフではありません(笑)。これぞ、かの有名な漫画「チビ」でのパフパフパンチだ!いかにも力のない“パフパフ”は、数あるボクシング漫画の中でも最も情けないパンチ音と認定しよう(でも好きだ)・チャッ銃を構える音、でもいいけど、なぜかラブコメ漫画で2枚目キャラがピースサインをするときにもこの音が出る。さぁ、あなたもやってみよう!…音は出たかな?・ドリュリュリュリュうまい!「サーキットの狼」でドリフトをかますときの音。おそらくタイヤが路面をすべるのとエンジン音の合体音だろうけど、な~んかしっくりくるなぁ。そして直線コースを全開でぶっとばしてるときは“BORRRRRR”と、なぜか横文字の確率多し。それまでの漫画に出てくる車がほとんどブロロロロ~(バロム1のマッハロッドですら!)だったから、ここで一気にレベルアップした感じだ。・迅 迅 迅 迅 迅 迅 迅…「男大空」で、祭俵太が疾走するときの効果音(これ、意図はわかるけどはじめて読んだ時思わず笑ってしまった)。なにか、バロム1が走る音を連想させる。・フハッこれもご存知、水木しげるの漫画に出てくるメガネをかけた一般市民の、気が抜けたときの音(ため息?)。このヌケ方が、まったくもって水木漫画の真骨頂!・ドゴーン、バゴーン「ドーベルマン刑事」で、加納刑事がコンバットマグナムをぶっぱなつ音。う~む、やはり44口径は重い音がする、って?そしてこの音と切っても切れないこのセリフ。「ど外道がぁ~!!」まだまだこの手の特長的な効果音っていっぱいあるが(ワンピースでも使われている、主要キャラがおもむろに登場するときの「ドン!」「ドドン!」もそうだね)、これ、日本の漫画特有のものなんだろうな。で、究極の効果音といったら、今も昔もこれに尽きる。「シーン」これぞ、無音の音!
2005.08.02
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楽器を弾くヒーローがいる。といって思い出すのは、ヒーロー界三大ギタリストのジロー(キカイダー)、早川健(ズバット)、そしてスナフキンだろうか。キカイダー01のイチローはトランペット、ビジンダーは竪琴、キリヤマ隊長はマンドリン(「700キロを突っ走れ」の回でキャンプ中に披露)、風見志郎と神隼人はハーモニカが得意だ。そういやスパイダーマンにゲスト出演した宮内洋もギターを持ってたなぁ。近藤正臣の柔道一直線における、通称“足ピアノ”(足の指で猫踏んじゃったを弾く)は驚異の神業!そして、ピアノといえば殿馬も忘れちゃいけない。小助は横笛、超電子バイオマンのピンクファイブはフルート。おっと、プロフェッサーギルも笛吹きだった(って、こいつヒーローじゃないじゃん)。さまざまな楽器が登場するものの、ヒーローの孤独や哀愁を気高く表現するものといったら、やはりギターだろう。しかし、しかしだ。テレビヒーロー界のギタリスト諸君に物申す。頼むからちゃんと弾いてくれ~。スナフキンは、まぁアニメだから良しとしよう。問題はギターを抱えた特撮ヒーローだ。まず、早川健もジローも手袋をしている。これがまずイカン。どうしてその手でアルペジオができる?さらに、コードを押さえるべき左手が動かない。お願いだからネックをわしづかみにしたまま弾かないでくれ~。しかも、ひとりで弾いているはずなのに、なぜ合奏の音色が出せる?特に、早川健のギターには内部にズバットスーツを収納している。はたしてこれで音が出るのだろうか?しかもしかも、そんな心の友でありトレードマークのギターで、戦闘員やダッカーの手下どもを殴るな~。弦が飛ぶだけじゃない、ボデーが割れるだろう!またジローは、ダーク破壊部隊の前に立ちはだかる時、なにゆえそんな高いところ(橋の欄干や崖の上)でギターを奏でる?目立ちたがり屋のロボットなのか?それとも光明寺博士にそうインプットされているのか?(だとしたら、光明寺博士はヒーローたるものを理解しているなぁ)いずれにしても不思議だ。そして不思議といえば。これはヒーローに限らないが、なぜ当時の特撮番組にギターが登場するとクラシックギター率が高いんだろう?エレキはともかく、フォークギターですらめったにお目にはかかれない(ジローはフォークだったが)。あのころはまだフォークギターブームは来なかったからなのか?(もっとも、当時見ていた私はフォークとクラシックギターの違いも分からずにいたから気付かなかったけれど…)なんだかんだ難癖つけたようだけど、やっぱりギターを持つヒーローはかっこよかった。ジローはあのギターあったればこそのジローだし、早川健に至っては、親友飛鳥五郎を失ってからの、唯一、心を許せる存在だった(仲間の東条刑事にすら一線を引いていた彼がひとり悲しみをこらえる時、親友の作った「二人の地平線」を弾いていた姿は、実に男を感じさせた)。後年のギターブームのきっかけを作ったのは、名うてのフォークシンガー達であったが、ひょっとしたらそのときギター小僧に変身した若者たちの何割かは、彼らヒーローへのあこがれもあったかもしれない。実際、「ジローのテーマ」や「二人の地平線」をギターで弾くと、ちょっぴり彼らになった気分がするしなぁ。そういえば、「仮面ライダー響鬼」も、最近のライダーの例に洩れず何人もの“仮面ライダーを名乗る者”が登場するが、みんななにかしらの楽器(型の武器)を持っている。響鬼が太鼓のバチ、なのはいいが、他の連中はトランペットだのエレキギター(エレキを持った特撮ヒーローっての初めてか)だのと、どうしてこうも節操というか、一貫性がないんだ?今度公開される劇場版では巨大なトライアングルを持つヤツまで登場する始末(雑誌を見て笑ってしまった。次はカスタネットか?それともアルトリコーダーか?)。東映は、東映フィルハーモニーライダー楽団でも作る気なのか…?
2005.08.01
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