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2024.05.15
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カテゴリ: 観照 & 探訪

吉城園(ヨシキエン)の「離れ茶屋」から西方向へ、


この 庭園マップ に記されたほぼ長方形に広がる 「苔の庭」の 南寄りの散策路を 歩きました。
庭園南辺の樹木の根元には、宝篋印塔の残闕を組み合わせた石塔がひっそりと置かれています。


このかなり広い庭の 中央部はまさに苔が中心の庭 です。

巨大な石や石灯籠 が数点配置されているばかり。

    この 石灯籠 が瑞々しい苔の緑の中で、 景色の要に なっているようです。
時季と時刻の移ろいにつれ、苔の緑が変化する広い空間の静穏を味わう風情というところでしょうか。


庭の西端に程近く、 「茶花の庭」に向かう階段道 があります。
こちらの庭は一段高い位置に、庭が広がっています。

振り返って


「あずまや」 があります。

あずまやは樹木で囲われています。

茶花の庭で、ほとんど花を見かけませんでした。緑が目に入るばかり。
見落としていたのかも知れませんが・・・・。


苔の庭に戻る際には、 別の散策路、一番西端の道 を降りました。



異なる位置から眺めた石灯籠


この一輪だけ が目にとまりました。調べてみますと、 シャガの花 です。 (資料1)



吉城園の敷地の 北辺には吉城川 が谷川状に流れ下り、境界となっています。
石敷道に沿いほぼ同じ高さの土塀が続くという、ちょっとおもしろい通路を歩むと受付所の傍に戻ります。

散策路の順路を様々に組み合わせて歩み、庭の景色を楽しむことができます。

吉城園を出て、 西に真っ直ぐ進みますと、国道369号に 出ます。
奈良県庁の東側の道路です。

国道に出る手前、 北側には築地塀沿いに池 があります。


南側は野原 。この野原の南東端に、一番最初にご紹介した拍子神社があります。
築地塀の内側は、堂宇の内部がリフォームされ、モダンなホテルに変容しているようです。
古都の佇まいは維持されています。


この近くに設置されている 観光案内地図の部分図 です。
マゼンタ色の丸を付記したところが「吉城園」
赤地白抜きの現在位置がこの地図の設置場所です。

この後は、JR奈良駅に向かう復路での点描と探訪です。

国道を横断し、 県庁前を経由して 、大宮通を渡り、 興福寺の北参道を南進 します。
三条通に至って右折して

猿沢池の西端 に回り込み池を眺めました。 浮御堂が東端に 見えます。
背景のビル群がなければ、奈良時代そのままの景色なのでしょうね。

三条通をいつも通りに戻るのはおもしろみに欠けるので、今回一筋南の道路を進んでみることにしました。知らない径路で新たな出会いがあるかもしれないことを期待して・・・・。
小人も歩けば棒にあたるかもしれません。


一筋南の小径を東に進み、 この石碑のところで振り返った景色 です。
何ということもない景色ですが、

初めて見る石碑 。銘板が嵌め込まれています。

元林院町絵屋橋跡
 元林院町の町名は、興福寺の別院『元林院』があったことに由来するという。
 江戸時代には、もと春日大社や興福寺の絵所( 南都絵所 )に属した絵師たちが住んでいたと伝えられ、『絵屋町』とも呼ばれた。
 春日山を源とし、佐保川に注ぐ率川(いさがわ)は菩提川とも呼ばれ、平成四年暗渠となるまでここに絵屋の名前をとどめる 『絵屋橋』があった (碑文転記)

つまり、この小径は暗渠化された川の流路なのです。
奈良の遺跡の一つに早速出会うという付録がつきました。早速、棒にアタリマシタ!

インターネットでマピオンの地図を確認しますと、 猿沢池の西側に「元林院町」の町名 があります。

また、調べて見ますと、南都絵所とは、「鎌倉時代以降,南都 (奈良) 興福寺大乗院,一乗院に属した吐田座 (はんだざ) ,松南院座,芝座の3座の絵仏師組織。治承4 (1180) 年の焼打ちによる南都復興を大きな契機とし,吐田座有尊,松南院座尊智など,京都から下った絵師や在地の絵師が定着して座を形成し,世襲的に継承した。院家より給分を与えられ,被官分となって仏画制作,仏像彩色や堂内装飾に従事した」 (資料2)
室町時代16世紀に制作された「東大寺縁起」の絹本着色の掛幅(三幅一舗)は、南都絵所の筆とみなされているそうです。 (資料3)

この後小径を西へと進みますが、ジグザグと右折左折を繰り返しながら歩むことになりました。

つづく

参照資料
*入手した「吉城園」のリーフレット
1. ​ シャガ ​    :「みんなの趣味の園芸」
2. ​ 南都絵所 ​   :「コトバンク」
3. ​ 東大寺縁起 ​  :「奈良国立博物館」

補遺
シャガ ​   :ウィキペディア
キラキラと白く輝くシャガの群生 ​  :「IBARAKI FLOWER PARK」
法安寺発想涅槃図 ​   :「寝屋川市」
興福寺国宝展 鎌倉復興期のみほとけ ​ :「大阪市立博物館」
  2005年の特別展  「興福寺をめぐる-南都絵師の展開」という一項あり 

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Last updated  2024.05.15 14:35:15
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