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おやじ女の華胥の夢

業界裏ネタから政治経済まで、
ときに楽しく、ときに腹立ち紛れに
あれやこれやと書き連ね
巷をたっぷり語りましょう。

<<<<<<<<<<<<

どんな情報を発信すると決めもせず、
とりあえずブログを始めてみましたが、
これまでに書きためたエッセイや小説なども
徐々にアップしていこうと思います。
フリーページもたまにチェックしてみてください。


※本ブログでは、以前は時事ネタや政治への提言など、
多少は世間様のお役に立つ論評や情報を提供していましたが、
去年病気をしてからは、私亡き後に家族や友人知人がこれを見て
「そんなことを考えていたのか」
「そんな生活をしていたのか」
と懐かしんでくれるような、極めて私的な内容になっています。
何卒ご理解のほど。。
とはいえ、政治ネタや時事ネタも懲りもせずに扱いますので
よろしくお願いいたします。


>>>>>>>>>>>>

2024.06.08
XML
カテゴリ: I whisper




血液検査の数値は軒並み正常。
肝臓も、血液関係も、血糖値も、全て基準値。

ファスティングのおかげか。

通常の検診ならこれで終わるのだが、
今回は造影剤CTの結果がある。


少し遡って、診察室に入るところから再現。

虫けらの私、『トントントン』ノックする。
怖い主治医、中から「はい、どうぞ」


私は面食らう。そんな笑顔を見たのは初めてだ。

私が入る直前に、看護師たちとよほど楽しい話をしていたのだろうか。

虫「先生、すごくお笑いになってますね。何かありました?」
怖「どうですか? いつもと変わりなく?」

先に私の質問に答えなさい。
しかもまた。なぜ先に結果を言うのだろう。
変わりがあっても、言うつもりはなかったが。

虫「はい」
怖「悪い知らせです」

え、え、え? そんな笑顔で?

怖「転移ですね」


中略(詳しい話はまたの機会に)

あの笑顔は、私の状況がうれしかったのか。
違った背景があるのかどうかわからないが、
私がそう思うのは必然である。


怖「抗がん剤は受けないとおっしゃいましたが、どうします?」


そう言ったよ。前も。

怖「わかりました。治療はするということですね」
虫「はい」

中略(治療の話)

虫「半年前だったら、なかったか、少なかったか」
怖「ちょっと考えたんやけど、そうかもしれんね」
虫「PETといわんまでも、これくらい(造影剤CT)は半年前にやっていたら」
怖「すみません」

謝らせた。

ずっと思っていたのだ。
義父は3ヶ月ごとにPET検査を受けていた。
食道という罹患場所の問題や手術内容からのことかもしれないが、
1年ほったらかしはないだろう。

しかも、今回の血液検査でも、数値は極めてよいのだ。
炎症反応も基準値内。
腫瘍マーカーも高くない。
血液の数値で察知することができないほど
小さく、できたてのガンもあると思う。

ずっと不信に思いながらも何も言わなかった。
怖い主治医の治療方針に逆らったのだから、
泣き言的訴えは言えないと思っていた。

怖い主治医の「すみません」の後に私は、
「いえ、これが運命だったんでしょう」
と言った。ま、今更言っても仕方のないことだ。


怖い主治医がやおら私に向き直った。

怖「どうですか、この結果について」

これは、『予防的抗がん剤治療をやっておけばよかっただろう』
という含みのある言い回しだと思った。
及第点の答えは、
「抗がん剤をやっておけば、もう少し遅らせることくらいはできたかも」
あたりだろうか。

虫「1年も元気に、やりたいこと、やらないといけないことをして過ごせました。
  満足です」
怖「……」
虫「再発や転移は予測していましたが、1年間元気に過ごさせていただけたことに
  感謝してます。ありがとうございます」
怖「……」
虫「ガンって、いい病気ですね」
怖「けど、苦しんだやんか。腸閉塞になって」
虫「症状のない病気はありませんから。それより、
  突然亡くなる脳梗塞とか、心筋梗塞なら、時間の猶予がない。
  ガンは、大体の余命がわかるし、その間に片付けないといけないことができる」
怖「脳梗塞や心筋梗塞は爆弾みたいなもんやからね。爆発したら終わりや」

そう言うとるがな。

怖い主治医、膵臓部分の画像を見ながら

怖「膵臓がね…」

えーーーっ、それ、一番重要やん。

虫「ガンですか?」
怖「違うと思うねんけど、一応検査しとこか」

膵臓となると、エコーか。

怖「胃カメラ飲んでもらうよ」

なんで膵臓なのに胃カメラ?

怖「膵臓が胃に密着しとるねん。胃側から何かわかるかもしれん」

えー、素人の私でもそりゃおかしいと思う。
でもいい。
ある程度の金儲けには協力せねばならん。

怖「いまは、麻酔使って楽にできるから」
虫「要りません」
怖「えっ???」

ものすごくあっけにとられた表情の怖い主治医。

虫「何度も胃カメラ飲んでますが、麻酔なんかない時代からやってますから。
  麻酔は不要です」
怖「僕もこの間やったけど、えらい状態になったよ」
虫「夫も、涙と鼻とよだれでグシャグシャになったと言ってましたが、
  私はそんなことになったことありません。先生もそのタイプですか?」
怖「まぁ…、よだれやけどね」

想像したら笑えた。
目に涙を浮かべ、よだれをだらだら流しながら口に
ファイバーを突っ込まれている図。

怖「麻酔…、やっといた方がいいと思うけど」
虫「それは、先生がそうだったからでしょう?」
怖「僕も麻酔せずにやったけどね」

わかっとるわい。
麻酔した上によだれだらだら流してたら、
やる意味ないがな。

虫「要りません。大丈夫です」
怖「そうかなぁ。やっといた方が…」

しつこいなぁ。
そんなに儲けたいんか。

否、この人はサドなんだとわかった。

とにかく人の言うこと(主張)を否定し、上から自分の意見をかぶせる。
大抵の人は、屈服するのだろう。
しかし、私のような人間は、曲げないところは曲げない。

それがよほど腹立たしいというか、許せないのだろう。

その仕返しに、私の主張を後悔させる結果へと導く。
そしてそのとき、満面の笑みで「どうですか?」と聞く。

検査の内容や間隔は病院や医師の考え方、患者の状態によるのだろうが、
いくらなんでも1年の放置は長すぎる。

患者は、悲惨な結果に対して後悔の弁を述べる。
「先生の言う通りにすればよかった」と。

しかし、私はあさっての回答をする。
私は最初から言っていた。
「長生きしたいとは思っていません」
「あるがままでいいと思っていましたが、イレウスは計算外でした」
「効果が期待できない予防的抗がん剤治療はやめ、それに費やすだろう日々を
やらないといけないことに使います」
と。

「治療的抗がん剤は拒否しません」とも言っていた。
今回は、「この状態で何もせずに死ぬと
家族に申し訳ないし、片付けないといけないことがまだあります」
と付け加えた。

よしんば、今回直面した結果に私が異議を申し立てたとしたら、
怖い主治医は私の意に沿った検査、治療方針を立てた
と言うだろうし、それは間違いではない。

ただ、普通の医師なら、患者がそうは言っても
少しでも長く生きられる配慮はするだろう。

しかし、怖い主治医はそういうタイプの医師ではなかったということだ。


処置室に移り、胃カメラの説明を看護師さんから受けたとき、
「麻酔の説明をしますね」
と言われたので、
「え、麻酔は要らないと言ったのですが」
と言うと、説明係の看護師さんは、慌てて麻酔の説明書を
処分しようとしたが、私が診察を受けたときに診察室にいた
看護師さんが気づいて「そうですよね。ちょっと聞いてきます」
と怖い主治医の元へ行った。

「一応、説明しておいてと。準備しておくようです」

要らんとあれほど言ったのに。
なぜ、これほど頑ななんだ。
自分が辛かったから、やった方がいいということだ、
なんて、私が思うわけないだろう。
所詮、金儲けだと思う。
最近は皆、麻酔をするようになっているのだろう。
(もしや、麻酔で眠らせたい理由でもあるのか?)

よし、当日、絶対拒否してやる。


こうして、命がけの1年検診が終わった。

怖い主治医に大笑いさせる、文字通りの結果だったわけだ。

ふん。


これからは違うステージに入らざるを得ないが、仕方ない。


こうやって、人は死ぬその瞬間まであたふた、ジタバタしながら生きるのだ。





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Last updated  2024.06.10 00:05:23
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