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2007.01.15
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カテゴリ: I write
(九)看護師の瞳2

男は、ナースの表情が緩んだことに、わずかな安堵を
感じた。『この看護師は、自分の入院のいきさつを
知らないのかもしれない』と思った。それならば、こんな
かわいい看護師に見守られて、心置きなく眠れることが
この上なく幸せだと思えた。

「お熱と血圧を測らせてください」
そう言うと、ナースは体温計を男に渡し、男の腕に
血圧計の腕帯をはめた。男は左脇に体温計を挟み、

いくのを感じていた。
〈シュポシュポシュポ/ドクドクドク〉
こんな色気のある看護師に、血圧を測られるという
ことだけでも血圧が上がるのに、嘘をついているという
やましさや、鉄道会社や会社からの反応がとてつもない
ストレスであることは間違いなく、それが血圧には
確実に、自覚はないが熱にもある程度反映されると
確信していた。

「はい、ありがとうございます」
看護師が男から体温計を回収した。
「問題ありませんね」

ますます疑いの目を向けられる。日頃の不節制の成果が
ここで出てくれなければ意味がない。
「とても気分が悪いんですよ」

男の声に振り返った看護婦の目には、明らかな疑念が
見てとれた。男の中で、何かが弾けた。


男は、言った自分に激しく後悔した。しかももう
とまらなかった。
「私のことを知っているんですか?」
男の声に反応した看護婦は、ゆっくり男のベッドに
近づいてきた。
                    〈つづく〉






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Last updated  2007.01.22 04:16:06
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