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2023.08.28
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カテゴリ: I whisper



(主治医が登場したのはもっと多いが…)

主治医とのコミュニケーションの難しさ、
主治医にこちらの意志を伝達する技術のなさ、
主治医に自身を理解してほしいという理不尽な欲望。

そういうどうにもならないことへのあがきというか、
わかっているけれどおさまりがつかない気持ちのありよう、
それを解決しないことには次に進めない
自分勝手な願望……。


何から来ているものなのか、
何が根底にあるのか、
何を求めての感情なのか……。

主治医に執着してるのか?
主治医に特別な感情を抱いているのか?
主治医に何かを期待しているのか?

──。。。

先週金曜日の外来受診で答えがわかった。



私は去年、連れ合いを亡くして一人になった。
自分の親も、連れ合いの親も見送って、
たった一人の人生になった。


自分一人の生き方を考えざるを得なくなった。

ここ10年間の自分の生き方を省みるに、
全く自分を大切にしてこなかった。
人生に起こる出来事を
他人に置き換えては、他人のために生きてきた。



何年も前から、「普通じゃない」と思っていた。
病院に行ったら、それなりの病名を告げられると。

それでも、その病気で死ねるなら、
それはそれで納得できた。

生きる意味、生きたい意欲、生きようとする力…
何もなかった。

しかし、腸が詰まるという緊急事態。
緊急手術が必要となると、
穏やかに死ねる状況ではなくなった。

それをこなさないと、身の回りのあらゆることが片付けられない。

幸いにも手術のおかげで命の猶予を得た。

その間にできることはした。

そして大きな手術。

ここで主治医登場!

眼光が鋭く、言葉が短く、クレバーな上にサドチック。

初対面から「波長が合わない」と思った。

主治医の抱く私へのイメージが、私と違うのだと察知した。

仕方ない。

年齢や見た目で判断されるのは否定できない。
が、違うのだ。
私は、見た目とは違う生き方を強いてきた(自分が自分に)。

こんな厄介な病気にかかった自分を、
見た目ではなく本当の自分をわかってほしいし、
その上で手術や治療をしてほしいと思った、のだと思う。

命を預けるような心持ちなのに、
波長が合わないのは致命的な状況。
だから、焦りに焦ったのだ。

が、幸いにも、手術は成功し、
体の中は、一応健全な状態になった。
綿密なコミュニケーションが必要という状況を脱し、
主治医のペースで事が運ぶことに従っていてもいいという
安定的な段階にいる。

が、主治医は私の何をもわかっていない。

そんなことは当たり前だと思う。
患者の生き方や考え方、生きる環境、好き嫌いなど
いちいちわからなければならないとなると、
医師自身の体が持たない。

しかし、たった一人で生きている私が、
この病気に罹患するに至った理由は何か、
なぜ主治医の勧める治療を拒否するのか、
これからの人生をどう考えているのかを
わかってほしかったのだと思う。

主治医にしたら、いい迷惑だと理解できる。
が、いつ死ぬかわからない患者にとって、
病気のことと、自分の考えを併せて理解してくれる人が欲しいのだ。

それがかなわないから葛藤が生まれた。
胃が痛くなり、下痢が続いた。

が、が、それも昇華できたのだと思う。

体重が増えたし、肌ツヤもよくなった。

先週の外来から仕事に向かうときは、胃が痛くて
「いつものことだ」
と思っていたけれど、
何がいつものことかわからなくて考えていたら、
「3ヵ月間、自分のことを理解してもらう機会がない」
と考えているのではないかと思い至り、
「理解してくれる人などいない。私は一人、私は私」
と声を出して言ってみた。

すると、全身が楽になり、
よく眠れたし、食欲も出た。

つまりは、医師に、自分の悲惨な状況をわかって欲しい、
という、バカな甘えが招いた自虐ギャグだったのだ。

私としたことが……。

自分で自分を悲惨な状況に追いやるのは愚の骨頂。

医師には病態の改善を求めるだけにしよう。

ちょっと甘えて疑問を投げかけたら、
検査を追加されて、大変な検査料を取られるだけなのだ。

人に過剰な期待はせぬもの。
医師とて人。
営利団体に属するサラリーマンなのだから。


※前回登場した「差し入れ」などの小ネタは別記しますぅ。





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Last updated  2023.08.28 23:09:10
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