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2025.12.19
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カテゴリ: I think
「どう生きたか」を考えてみた ​というシリーズを
書いている。

まだ完結していない。

それのスピンオフ企画第2弾と言えるだろうか。

というわけで、シリーズの⑥にしてみた。


先週、うちの店のお客さんに紹介してもらった
歯科医院に行ってきた。

以前通っていた歯科医院の院長の方針で、

「このまま使えるだけ使おうか」
という、余り聞かないやり方で放置していたのだが、
抗がん剤を使うと血小板の減少や
免疫力の低下が顕著になることがあり、
治療が難しくなることが考えられる。

いまのタイミングで処置してしまおうというわけで、
予約を取って、院長先生に診てもらった。

問診票には一応これまでの病歴や
治療中であること、服用中の薬剤名を
正直に書いておいたのだが、
余り見ておられなかったのか、


虫歯はないのだが、
当該の処置が済んだ後の
歯周病予防のための検診や
定期検診の話などを途中で遮り、

虫「先生、最初にお伝えしないといけないんですが」



虫「問診票にも書いたんですが、
  現在、がんの治療中なんです。
  これまでの経過からして、
  もう余り先がないんです。
  いいところ数ヶ月、半年は持たないと思います」

先「……」

虫「ですので、対症療法をお願いします。
  問題の箇所以外は、都度ご相談ということで」

先「イサギいい(大阪弁の言い回し。「潔い」)人やな」

虫「もう2年になりますから。そろそろです」

先「そうなんか」

と言った後、笑っておられた。



この「潔い」という言葉も、
虫けらの長い人生の中で、何度か聞いた。

納期が本当に短い仕事、
予算が極端にない仕事、
プロジェクトのスタッフの誰もが経験したことのない
困難を含んだ仕事、
クライアントの扱いが難しい仕事……

さまざまな局面で、

虫「やりましょう。私のことです。なんとかするでしょう」

と言って、仕事を受けた。

そんなとき、「潔い」と言われたと記憶している。

そして、必ず仕事を完遂した。
それを知ってか知らずか、難しい仕事ばかりが
虫けらに集中する時期があった。

虫けらは、苦情処理係のような存在だったのかもしれない。

断ることができないわけではなかった。
しかし、こんな難しい仕事を虫けらが断ったら、
誰がやり遂げられるというのだろう。
スタッフが困る姿が脳裏をかすめる。

で、

「やりましょう」

となるのだ。



ここ数日、

「なぜ虫けらは、
自分の死をこんなに素直に受け入れて、
人に笑いながら話すことができるのだろう」

と考えていた。

答えが出た。

虫けらには、

「こうしたい」
「ああなりたい」
「それは嫌」
「そうすべき」
「これはできない」

という「欲」や「嫌悪」といった情緒的なもの、
あるいは、「できる」「できない」など
自分を規定する枠がないのだ。

その根源は、「自己肯定感が絶対的にない」という
悲しいというか、無残な事実なのである。

自己肯定感がない理由は、
このブログでも書いたが、
「自分は生まれてくるはずではなかった」
という生い立ちと、
生まれてからの家族との関係性で出来上がった。

このことは、もうどうにもできないものだ。

故に、「わがまま」「自己主張」がなく、
状況に合わせて何でも受け入れる生き方になった。

おかげで、楽である。

どんな状況になっても、「いや」と思わないし、
「後悔」したり、以前のいい状況に「拘泥」することがない。

「こんなもの」

という姿勢で受け入れて生きられる。

以前、何度か医師に「PTSDが心配です」
と言われたことがある。

そのときは、医師が心配するほど
過酷な状況に置かれていたのだが、
虫けらの精神は何ともなかった。

夫が亡くなったときも、
突然だったこともあり、周辺から随分心配してもらったが、
やることはやらないといけないし、
仕事もある。

悲しんだり、思い出に浸ったりする時間は、
少し先にして、目の前の雑事をこなすことが先決だった。

そうしているうちに、夫のいない日常が
折り重なって、それが当たり前になった。

悲しまないわけでもないし、
涙を流さなかったわけでもない。

しかし、現実を否定したり、回避したりはできない。


そういう、こだわりのない生き方だから、
「潔い」と言われるような、
過酷な状況を素直に受け入れられたのだろうと思う。


先「治療中でも、抜歯できるやろか」

虫「大丈夫です。CRPも白血球も正常値。
  感染症は心配ありませんし、
  好中球も十分です。血小板も良好ですから、
  止血しにくいことはありません」

先「はははは…」

虫「これ以上がん治療が進んだら、
  抜歯が難しくなるかもしれません」

先「抜歯したら、翌日洗浄しないといけないので、
  週明けにしましょうか」

虫「……いえ」

先「きょう抜く?」

虫「はい」

先「おぉ、やっぱりイサギいい(潔い)なぁ」

というわけで、6年ほど被せが取れて放置状態だった
奥歯を抜いた。
スッキリした。

「潔い」理由のもう一つは、
虫けらがよく考えた末の結論のみを
人に話すということにあるのではないかと思う。

思いつきや、感情の吐露といったことがなく、
考えに考え抜いた、虫けらの持論だけを
口にしているから、他人から見たら、

「はっきり物を言う人」
「迷いがない」
「言葉が端的」

ということになるのだろう。


改めて、「潔い」の意味を。

『思い切りがよい。未練がましくない。
 さっぱりとしていて小気味がよい。
 道に反することがない。潔白である』


「かっこいい」に「潔い」は含まれるように思う。

「見てくれ」のカッコいいではなく、「生き方」だが。


シリーズ化する? もういいか。。

                   廉 潔






虫「先生、最初にお伝えしないといけないんですが」

先「はい、何でしょう」

虫「問診票にも書いたんですが、
  現在、がんの治療中なんです。
  これが二度目なんですが、これまでの経過からして、
  もう余り先がないんです。
  いいところ数ヶ月、半年は持たないと思います」

先「ほんまか……」

虫「ですので、対症療法をお願いします。
  問題の箇所以外は、都度ご相談ということで」

先「……、大変やな」

虫「いえ、両親も、夫の両親も、夫も見送りました。
  いま、誰かが生きていたら、大変心配されるでしょうけれど、
  みんなあっちに行きましたから、
  心配されなくて楽です」

先「それはそうやろけど…」

虫「葬儀場も決めて、料金も払い込みました。
  もうちょっとやらないといけないことはありますが、
  大体片付きました」

院長、少し考えてから、

先「イサギいい(大阪弁の言い回し。「潔い」)人やな」

虫「もう2年になりますから。そろそろです」

先「そうなんか」





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Last updated  2025.12.30 13:03:10
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