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2009.03.22
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カテゴリ: 教育・子育て

 それがあなたの先生である」
 これが本著における定義。
 だから、先生は皆『えらい』ということになる。

 そして、人間が誰かを『えらい』と思うのは、どういう場合か?
 これを明らかにしていこうというのが、本著のねらい。
 「いい先生」が少ない上に、「先生運」がない、と思っている中高生たちに、
 内田先生が、独自の理論を展開していきます。

   ***


  「誰もが尊敬できる先生」なんて存在しません。
  昔からいませんでした。
  「絶滅寸前種」どころか、はじめから存在しなかったのです。(中略)
  同じように、「先生運」などというものも存在しません。
  先生というのは、あちらからみなさんのところにやってくるものではありません。(中略)
  先生はあなたが探し出すのです。自分で足を棒にして。目を皿にして。
  先生を求めて長く苦しい旅をした人間だけに、先生と出会うチャンスは訪れます。(p.13)

内田先生が、本著で言っているところの「先生」とは、
単なる職業としての、学校の「先生」ではないことが、これで分かります。
もちろん、学校の「先生」が、自分にとっての「先生」になる場合もあるけれど、
それは、偶然、誰かによって与えられた存在ではなく、自ら求め、獲得した存在なのです。


  人間は自分が学ぶことのできることしか学ぶことができない、
  学ぶことを欲望するものしか学ぶことができないという自明の事実です。
  当たり前ですよね。
  どんなにえらい先生が教壇に立って、どれほど高尚な学説を説き聞かせても、
  生徒が居眠りをしていては「学ぶ」という行為は成就しません。

  それこそ It's Greek to me(ちんぷんかんぷん)です。
  学びには二人の参加者が必要です。送信するものと受信するものです。
  そして、このドラマの主人公は、あくまでも「受信者」です。
  先生の発信するメッセージを弟子が、
  「教え」であると思い込んで受信してしまうというときに学びは成立します。(p.37)

学ぶ側が「受け身」では、何事も始まらないということが、明確に示されています。
このことからすれば、送信する側の「先生」という立場は、
「馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ますことは出来ない」ということになるでしょう。
もちろん、職業としての学校の「先生」ならば、「生徒」をその気させるのも仕事の内でしょうが。

この後の、「沈黙交易」「話し合い」から「謎の先生」に至る展開は秀逸。
そして、結論。

  師弟関係というものを商取引の関係から類推してはなりません。
  もし、先生というのは、なんらかの知識や技術を具体的なかたちで「所有」しており、
  しかるべき対価の代償として、それを「クライアント」に伝授する職業人であると定義するとしたら、
  そのような関係を「師弟関係」と呼ぶことはできません。
  つまり、そこでは本当の意味で「学ぶ」ということは成立しないということです。
  なぜなら、そのような関係において、習う側は、自分がどのような知識、
  どのような技術を欠いているのかをあらかじめ知っているということが前提になるからです。(中略)
  ものを学ぶというのは定額の対価を投じれば
  相当額の商品が出てくる自動販売機を利用することとは違います。
  なぜなら、真の師弟関係において、
  学ぶものは自分がその師から何を学ぶかを、
  師事する以前には言うことができないからです。(p.167)

消費社会に毒された人々に、会心の一撃を食らわす「教育論」でした。





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Last updated  2009.03.22 20:41:00
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