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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2014.09.29
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 「うつ」になっている当事者にとっては、なおさらでしょう。
 しかし、これが多くの人の本音の疑問だというのも事実でしょう。
 それだけに、きちんと考えねばならないと思います。

 週刊誌で、様々なスキャンダルについての記事を読むように、
 外野席から読む分には、とても面白いと思います。
 しかし、当事者にとっては、ハッキリ言って、気分を害するような書き方です。
 「うつ」が改善していない状態の方は、読まない方がいいと思います。

  うつ病に似た状態は、甘えということも十分にありえる。(p.180)


ある程度の状態が整った段階では、読み進めるべきでしょう。
書籍なら、ページを捲る手を止めてしまうことはできますが、
社会に出れば、周囲の人たちの視線や本音と、向き合わざるを得ませんから。

そして、著者もちゃんと書いてくれています。

  内因性うつ病なら、間違いなく病気である。脳の病気だ。(p.233)

しかし、医師の下す診断が、実は問題だったのです。

  だがうつ病と呼ばれているものの中には、メンタルヘルス不調が相当に含まれている。
  メンタルヘルス不調の中には、病気未満が相当に含まれている。
  あらゆる程度の不調、あらゆる種類の不調が含まれている。
  あらゆる不調を「病気」と名づけ、医療化する。
  一丁上がりで広大な市場がそこに開ける。


そう、うつ病に似た状態まで、診断書に「うつ病」と書かれている現状があるのです。
それは、主観至上主義の医療のため?
それとも主観市場主義、市場至上主義の医療になってしまっているから?

  ひとりでにおこる「うつ」。原因のない「うつ」。
  本来のその人とは違ってしまった「うつ」。

  精神医学が真のうつ病として認知してきた内因性うつ病だけをうつ病と呼ぶ時代では、
  もはやなくなっていたのだ。
  一定以上の症状があれば、公式にはそれはうつ病。
  原因は診断名とは無関係。現代ではそれが公認されたうつ病になった。(p.237)

その結果、診断書に書かれた「うつ病」は、
本来の「うつ病」とは違うものまで含んでしまうことになっています。

  診断書に書かれている「うつ病」。
  それは、休養すなわちドクターストップを命ずるための便宜的な記号にすぎない。
  その記号の意味するものは、人間の心身のあらゆる不調だ。メンタルヘルス不調。
  そこには甘えも含んでいる。怠けも含んでいるかもしれない。
  それはもはや、医学的な診断名ではない。
  だから、うつ病の診断書を見たら、人はこう問わなければならない。
  うつ病とは何か。
  本書で繰り返し書いてきたこの問い。
  しかし今回は意味が違う。
  次のように言い換えることができる。
  診断書に書かれている「うつ病」とは、何を意味する記号か。
  それによって、周囲の人々の取るべき行動は違ってくる。(p.243)

専門家が書いた診断書が、当てにならない現状。
これが、多くの人に『「うつ」は病気か甘えか。』という疑問を
抱かせてしまう原因となっていたのです。
では、どうすればいいのでしょうか?

  時間をかけて綿密に診察し、内因性うつ病の特徴が認められるかどうかを聴き出していく、
  それが最も信頼できる診断法である。(中略)
  「原因がない」「それまでのその人とは変わってしまった」はポイントであっても
  それだけでは診断できない。さらなる診察が必要である。
  内因性うつ病は、心因性とは症状の質が違う。
  「落ち込み」「不眠」「意欲低下」など、症状を単語に解消すると区別がつかなくなるが、
  十分な経験ある精神科医が注意深く診れば、違いが確かにある。
  これは講堂で教えるのは無理で、
  臨床実習や臨床研修で人間を肌で見てはじめて身につく技術である。(p.275)

  もし内因性のうつ病だったら、抗うつ薬で治療することができ、
  自殺を防ぐことができたはずだということである。(p.277)

専門家である精神科医の能力や姿勢が問われるということでしょう。
そうでないと、本当に「うつ病」の人たちまで、
世間から疑惑の目で見られ、さらに苦しむことになってしまいます。

そして、私が本著で知ったのが次の理論。

  うつ病になるかならないかは、
  ストレスの強さと個人の脆弱性という二つの要因のバランスで決まる。
  ストレスが非常に強ければ、個人の脆弱性が小さくてもうつ病になる。
  逆に個人の脆弱性が大きければ、ストレスが小さくてもうつ病になる。
  これをストレス脆弱性理論と言う。
  最近のうつ病裁判の判決文に必ず引用されている理論である。
  ストレス比例理論は誤りだが、
  ストレス脆弱性理論は、精神医学界でも正しい理論として広く認められている。(p.303)

その他にも、人を助ける仕事に付きまとうヒポクラテスバイアスや
技術者に付きまとうハンマーバイアスも、本著で知ることが出来ました。
また、本著に登場した、笠原嘉さん著の『軽症うつ病』は、
機会があれば読んでみようと思っています。





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Last updated  2014.09.29 12:14:48
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