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kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2014.10.25
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 1985年から2002年までに行われた7回の対談を一冊にまとめたもの。
 かなり昔の対談だが、内容に古さは感じられない。
 副題は『「うつ社会」脱出のために』。

 特に印象に残ったのは、第四話「人が死ぬときに迫る」と、
 第五話「息子の死を見つめて語る」。
 第四話では、 『死ぬ瞬間』 のキューブラ-=ロスについて、
 第五話では、柳田さんの息子さんの死について語られている。



  日本の男性は個人主義でない方法で集団的に生きる生き方をうまく身につけている。
  ところが、女性はいままでその下積みでしたね。
  日本的な生き方をそれほど身につけていない。
  そこに西洋的なものが入ってきたため、女性のほうが西洋スピリットに対する適応度が高い。
  いまの離婚が急増している現象など、まさにそのあらわれではないでしょうか。
  個人主義的に考えれば離婚したほうが正解という場合がたくさんある。
  従来はずっとしんぼうしてきたけれども、
  いまでは女性のほうから離婚を言いだすケースが多くなった。
  一方、男性は日本的な集団的生き方で生きているから、
  離婚なんて全然考えていない。
  そこで、ある日突然、奥さんから離婚の話しが出るから仰天してしまう。

  男のほうはまるで対応できない。
  これは若者と中年との関係にも言えます。
  若者たちが個人主義的な論理で攻めてくると、中年層はそれに対して何も言えない。
  そういう問題がすごく多い。
  だから私は、「日本の意識改革は女性、子どもがする」と言っているんです。(p.40)


当然、生きていれば、若者だった者は中年に、中年だった者は老年に差し掛かかっている。
個人主義、合理主義的な論理の持ち主が、増加しているはずだ。
そして、河合さんは、次のようなことも言っている。

  変革にはどうしても苦しみがともなうから、誰もしたくないと思っている。
  その苦しみをそらすために、みんな悪者を探そうとするわけです。
  そのときに私がそばにいて、
  「悪者なんていませんよ。希望はあります」と言いつづけていればいいわけです。
  ただそれだけ。それが私たちの仕事なんです。(p.65)

それに対して、柳田さんが、

  悪者を探すのは、自分の苦痛をやわらげるためなんですね。
  ともすると、夫婦がお互いに責任をなすりつけあい、憎みあったりする。

そして、河合さんが、

  だから、子どもが問題を起こしたら、両親は自分が悪者と言われはしないかと怖がって、
  私たちと会うのをいやがるようになる。
  そういうときにぼくらが、「お父さん、お母さんが原因ではありませんよ」と言うと、
  そのとたん、ほっとする。

自分が悪者にならないように、常に誰かの責任にしようと悪者探しを続ける。
個人主義がはびこり、スケープゴートを次々に必要とする社会。
まさに、今の日本は、そういう世の中になってしまった。
そして次は、別の対談における、河合さんの言葉。

  あるいは、親子でもめている人に
  「お母さん、もう少し子どもにやさしくしてください」と言っても、
  それは正しいですけど、やさしくできないから困っているんでね。
  だから、正しいことというのはだいたいあまり役に立たないですよ。
  ほんとうに役に立つことを言うのはすごくむずかしいですね。(p.86)

むずかしいです。
正しいだけでは、理屈だけでは、うまくいかない。
では、何が必要なのか……
最後も、やっぱり河合さんの1995年の言葉。

  そうなると、死ぬのは敗北で、
  死から救ったら勝ちだということばかり思うわけでしょう。
  そして、死んでいく人に対しては、負け戦だという考えをもつわけですね。
  しかし、負け戦なんかじゃないですよ。
  その人は無意味に死んでいくんじゃなくて、
  人生をどう全うするかというすごい仕事に直面しているわけです。
  これは医療にとってもものすごい大切な仕事だと思うんですね。
  そういうふうに考えるようになったら、医学もずいぶん変わると思うんですけどね。(p.217)

人は誰もが、生まれた瞬間から、死に向かって歩み始める。
なぜ、どうせ死んでしまうのに、歩を進めるのか?
その歩みに、いったいどんな意味があるのか?
死が負け戦なら、その意味を見出すことは出来ない。





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Last updated  2014.10.25 16:16:53
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