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2016.06.26
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カテゴリ: スポーツ

 ディフェンスが戻りきれずに失点するパターンが続き、
 近年では記憶にないほどの連敗を喫してしまった。
 それで思ったのは、「本当にディフェンスは難しいなぁ」ということ。

 本著の副題は「ゾーンディフェンス論」。
 著者は、ヴィッセル神戸でプレーしていた松田浩氏。
 現役引退後、神戸でコーチ、福岡や神戸、栃木で監督を務めた経験を持つ、
 確固たる守備戦術を駆使できる、希少な指導者である。

そして、彼が推奨する「ゾーンディフェンス」とは、次のようなものだ。


  これが欧州では当たり前に共有される守備の考え方であり、
  スタンダードに用いられるゾーンディフェンスの守備の肝である。(p.020)

さて、本著の中で、私が特に興味を持ったのは、
『セレッソ大阪 最少失点の要因 鍵となるリトリートを読み解く』。
初出は『フットボールサミット第17回』(カンゼン社)で、
2013年12月に掲載された記事である。

  やはり、柿谷の動き出しは、初速の速さ、タイミング、駆け引き、
  いずれも日本でトップクラスですよ。
  セレッソにボールを奪われた瞬間はこちらの守備も脆弱だし、
  ディフェンダーも対応する時間がないので
  相手の速いカウンターに対する判断を誤ることがある。

  試合では練習のときほど冷静でいられないし、
  自分たちの攻撃中の準備ができていないことが多い。
  練習では2対2でもゴールは奪われないのに、試合では一瞬でもパニックに陥ると
  4対2の数的優位な状況ですらやられてしまうことがあります。
  やはり、セレッソが志向するリトリートの守備はサッカーでは強いんです。(p.160)


私の贔屓にしているチームは、ポゼッションフットボール志向で、
見ている分には、やはりその方が楽しい。
でも、痛い目にあうのは、リトリートのチームを相手にした時なんだなぁ。

次は『日本代表の守備はなぜ崩壊したのか? ポジショニングから見る4失点の要因』。
日本がブラジルに0対4で敗れた試合についての内容で、
初出は『サッカー批評issue59』(双葉社)に、
2012年11月に掲載された記事である。

  ゾーンディフェンスであれ、マンツーマンディフェンスであれ、
  カウンターの局面ではいかに早く十分な数の体を帰陣させるか、
  それだけしかないんです。
  僕はその意識付けを促すためにDのポジションの重要性を選手に伝えている。
  ペナルティーアークがDの形をしているから僕はDと呼んでいるんだけど、
  DF3枚とボランチ1枚で3と1の形を作る。
  クロスに対してこぼれ球を拾われてズドンなんて場面があるからDを押さえるわけです。
  カウンターの局面ならば『誰でもいいからDに戻れ』と。(p.169)

やはり、全員で攻め、全員で守るという意識が大事。
攻守の切り替えを、どれだけ素早くできるかが問題。
求められるのは、『ボール周辺の雲行き』を読み、ハードワークをすること。
でも、皆が皆、センスに溢れ、無尽蔵のスタミナを持つ選手ばかりではない。

続いては『2013コンフェデレーションズカップ 日本代表の守備はなぜ崩壊したのか?』。
これも日本がブラジルに0対3で敗れた試合を振り返ったもので、
初出は『フットボールチャンネル』(カンゼン社)で、
2013年7月に配信されたものである。

  最初の5分は”クリティカルフェイズ”と呼ばれる、重要な局面。
  僕は前半開始5分と前半終わりの5分、後半開始5分と後半終わりの5分、
  それと得点でも失点でもゴール後の5分間。
  それをクリティカルフェイズと呼んでいる。
  失点しても相手がフワッとしていればすぐに同点にすることもできるし、
  逆にこっちがしょぼんと沈んでしまったら、相手が傘になって攻撃をしかけてきて、
  そこで連続失点して試合が終わってしまうこともある。
  だからその時間帯は気をつけないといけない(p.186)

これは、昨日観戦していた試合が、まさにこれだった。
相手の攻撃を粘り強く耐えていたのが、前半終了間際にとうとう先制点を許すと、
その直後、さらに得点を重ねられて、前半を終えたため、
後半には、どうにも立て直しようがない状況になってしまった。

まぁ、これはサッカーに限らず、日常の色々なことについても言える。
「最初が肝心」とか「終わり良ければ総て良し」とか。
車の運転なんかでも、出発直後や到着間近のトラブルは結構多い気がするので、
私は、結構気を付けるよう心掛けている。

  日本人が日々、温室と形容される甘やかされる環境のなかで、
  ぬくぬくと育ってきたことも大きな影響を与えていると個人的には考えています。
  日本の社会環境そのものが温室で、それがサッカーの現場にも相通じてしまうものがある。
  一方で、海外の育成の現場では、温室とはまるで真逆、
  ボールの奪い合いを激しくやっています。
  それをメッシやハメス・ロドリゲスらはくぐり抜けてトップ選手になっている。
  日本にその激しさを持ち込もうものなら、『子どものうちはそこまでやるなよ』
  という反応が返ってきてしまうのが現状の日本サッカーに携わる人たちの感覚であって、
  つまりそれが日本サッカー文化なのだと思うのです。(p.232)

これも、サッカーだけの話ではないような気がする。
世界を相手にするときは、どんな分野でも、国内で発揮する以上のタフさが求められる。





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Last updated  2016.06.26 13:45:45
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