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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2023.07.09
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 帯には「大手通販ネットショップの業界参入により 
 薬局はかつてない淘汰の危機に直面する!」の文字が踊ります。
 著者は、2019年に日本初のロボット薬局を大阪梅田で開発した渡部正之さん。

   ***

  その一方で、 国による医薬分業推進 の波に乗って薬局の数は増え続けてきました。
  厚生労働省によると、2019年時点で日本全国にある薬局の数は約6万に上ります。
  1989年時点の薬局数は約3万7000なので、


『図解即戦力 医薬品業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』
Chapter7「調剤薬局と ドラッグストア の行く末」にも、この数字は登場しており、
その成長は打ち止めで、過当競争の環境になるとの記述もありました。
そこへもってきて、次のようなことが起こっています。

  調剤報酬改定による調剤報酬点数の低下や、
  新型コロナウイルスの影響による患者の受診控えなどにより
  薬局業界は苦しい状況におかれています。
  そして、将来処方せん枚数が頭打ちになると業界はさらに追い込まれていくはずです。
  このような状況のなかで、薬局は新たな問題にも直面しています。
  それは海の向こうからやってくる Amazon

著者は、Amazon台頭により本屋が市場から姿を消しつつあることに触れながら、
Amazon の次のターゲットは薬局業界であり、
その参入は電子処方せん導入のタイミングであろうとしています。
その脅威に立ち向かうために「テクノロジー×薬剤師業務の分化」が必要と唱えます。

  薬局ビジョンの根幹をなす考え方のうちの1つとして、

  調剤などの対物中心の業務から対人業務へのシフトを目指すという
  「対物業務から対人業務へ」が挙げられます。
  なお、残りの2つの考え方は「立地から機能へ」「バラバラから1つへ」です。(p.72)

「薬局ビジョン」とは、2015年に厚生労働省がまとめた「患者のための薬局ビジョン」のこと。
「対物業務から対人業務へ」は、現在、薬剤師にとって最大の課題となっています。
「処方せんに書かれた医薬品を薬棚から取り出して取り揃える」だけの単純作業ではなく、
専門性を求められる対人業務へのシフトが、強く求められているのです。

  今は対物業務から対人業務への過渡期にあるといえ、
  どの業務を効率化すべきか、どの業務に薬剤師が注力すべきかを
  手探りで探している状態ということもできます。
  一方で、薬局や薬剤師に期待される役割は大きくなるばかりです。
  健康サポート薬局や地域連携薬局、専門医療機関連携薬局、トレーシングレポート、
  調剤後のフォローアップ、リファイル処方など新たな業務が目白押しです。(p.116)

この後、薬剤師が専門性を生かした業務へとシフトしてけるよう、
単純作業をいかにロボット化、ICT化していくかが記されていきます。
そこでは、著者がその実現に向けて取り組んできたことや、その成果が紹介されています。
薬局業界の今後の道筋が示された、素晴らしい一冊でした。





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Last updated  2023.07.09 11:34:56
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