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若泉さんは密約交渉の経緯を詳述した「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」(文芸春秋)を出版した後、毒薬を飲んで自ら命を絶ったらしいことを記事で知った。秘密交渉はやむを得なかった、しかし本当にそれで良かったのか、との苦衷が切ない。「沖縄に申し訳ない」と何度も口にし、遺骨は沖縄の海に散骨されたという。その「密約」に、ニクソン米大統領とともに署名したのが佐藤首相である。佐藤氏は退任後、非核三原則に基づく平和外交などが評価され、ノーベル平和賞を受賞した。
もし当時、有事の際の核持ち込みが表に出ていたとしたら、内閣はつぶれていたのではないか。むろんノーベル賞の受賞もなかっただろう。権謀が渦巻く外交交渉とはいえ、 密使の苦悩と、宰相の栄誉との落差の大きさ に戸惑うばかりである。
おりしも鳩山内閣が米軍普天間飛行場の移設問題で迷走している。「沖縄に申し訳ない」との若泉さんの死を賭した叫びに恥じない結論を導き出していただきたいと切に願う。
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