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その翌日、ブラジルでかつての軍事独裁政権の人権抑圧(反対派の拉致・拷問・虐殺)の報告書が公表され、記者会見でルセフ大統領は涙を見せた。彼女自身が拷問を受けたからだ。当時、南米では軍事政権が次々に成立し、現在のチリとウルグアイの大統領も拷問された経験を持つ。
2つの報告書には深い関連がある。CIAは冷戦の経験から、1960年代のベトナム戦争で捕虜の心身両面の人格崩壊を狙った尋問マニュアルを作ったが、それを南米独裁政権の支援やテロとの闘いにも応用したのだ(A・マッコイ『拷問問題』未訳)。拷問は極秘扱いだが、米国のリアルポリティークの一環だった。
米国の一流紙が、 拷問を合法化したブッシュ政権元幹部の刑事訴追を社説で主張 している。ナチスの秘密警察という暗い過去を持ち、今回は自国民がCIAに拉致・拷問されたドイツでも同じ動きがある。
日本の憲兵隊や特高の拷問は小林多喜二の作品などで知られているが、戦後誰がどう責任をとるべきだったか、 日本人は無関心と沈黙を守っている。 (法政大教授)
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