フリーページ
◆自民党「攻めの国際放送」新設検討
検討委などの合同会議で「国際情報戦略『攻めの情報発信』へ」と題した文書が配布された。「日本の内政外交に対し中国、韓国などの反日宣伝とも思える情報があふれている」と強調し、「主権や国益を守り抜くためには、単なる『中立』、『防御』の姿勢から積極的に攻める『情報発信』や『情報戦略』に転ずることが必要である」と明記されている。
新型「国際放送」を使い、慰安婦や日本海の呼称、靖国問題などで、政府の意図する「特定のメッセージ」を積極的に伝える構想 らしい。
だが、既にNHKワールドTVやNHKワールド・ラジオ日本などの国際放送がある。「わが国の重要な政策及び国際問題に対する公的見解並びにわが国の世論の動向を正しく伝える」ことを編集基準に盛り込んでおり、新型「国際放送」は必要ないようだが・・・。
自民の検討委はそう考えないようだ。文書にはこう理由が記されている。「 従来のNHKワールド等の枠内では報道の自由など基本的な制約が多いため、今日の事態に十分対応できない。 全く新しい発想が必要」
放送法の規定により、総務相はNHKに対し、「放送区域、放送事項その他必要な事項」を指定して国際放送をするよう要請できるものの制約がある。
以前は命令できた。菅義偉官房長官は総務相だった2006年11月、NHKに対し、北朝鮮による拉致問題に特に留意して国際放送をするように命令した。ただし、 具体的な内容に踏み込んだ命令は異例で、表現の自由を損なう恐れがある と批判を浴び、法改正のきっかけの一つとなった。
「報道の自由など基本的な制約」とは、この事例を指しているのかもしれない。
国際放送の新設には巨額の費用がかかりそうだが、うまくいくのか。専修大の岩崎貞明特任教授(放送学)は 「政治が強く干渉するような放送が信用されるのか」 と首をかしげる。
「海外でも、右傾化する安倍政権はよく知られるところだ。その点から、『偏った国際放送』と受け止められる可能性が高い」
外国ではどうなのか。新型「国際放送」に似たものはあるのか。
国際放送で有名な英国の「BBCワールドニュース」。岩崎氏は「 BBCはフォークランド紛争の報道で、『わが軍』ではなく『英国軍』と呼び、当時のサッチャー政権の怒りを買っても姿勢を変えなかった。 客観報道で国際的な評価を得ている。 自民内部で検討される国際放送とは正反対だ 」と語る。
米国政府が資金を提供する国際放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」はどうか。第二次世界大戦中、ナチスのプロパガンダに対抗するために設立された経緯もあり、政府の宣伝機関という色合いが濃いという。
岩崎氏は「自民の検討委が想定する国際放送はVOAに近いように思える」と指摘した。そのうえで、こんな危供をする。「VOAは軍事用の放送だ。 自民党は近隣国と事を構えることを念頭に置いているのか。世界からそう受け止められかねない 」
アベノミクスは、隠れ蓑!?(30日の日… 2016年07月30日
大橋巨泉の遺言(29日の日記) 2016年07月29日
憲法と違う回路で進む恐ろしさ(23日の… 2016年07月23日
PR
キーワードサーチ
コメント新着