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2017年01月21日
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テーマ: ニュース(96979)
カテゴリ: ニュース
年末年始の新聞を読んだ上智大学法学部教授の三浦まり氏は、8日の東京新聞につぎのような感想を書いている;




 振り返れば昨年は、英国の欧州連合(EU)離脱の国民投票と米国大統領選で事前予想が裏切られた。 メディアは社会の片隅でくすぶる不満を見逃した ことになる。今年はオランダ、フランス、ドイツ、韓国、そして恐らく日本でも選挙がある。果たしてハプニングは続くのだろうか。

 新年なので、想定外の展開を少し想像してみよう。日本ではさしずめ、自公大敗、安倍政権退陣だろうか。内閣支持率の高さを考えれば、政権交代はありえないように思えるからだ。

 英米での選挙結果や、欧州で懸念される右傾化の背景には既成政治への拒否反応があったとされる。 没落するかもしれないという中間層の恐怖心が排外主義や憎悪扇動を操る政治家への支持を生み出す というのだ。

 中間層の恐怖心といえば、日本での事態はより深刻だ。先進国で最も成長率が低く、非正規雇用は四割近くに達し、経済に明るい見通しがない。普通に考えれば、こうした状況は政権への失望につながり、内閣支持率も下がりそうだが、そうはなっていない。 中間層の不安が安倍政権へのしがみつきをもたらしている。 つまり日本ではすでに欧米での「想定外」が先取りされているのだ。

 日本での新たな想定外は、むしろ野党が中間層の不満を受け止めることで成立する。アべノミクスに代わる経済政策が見当たらないために、奇妙な安定感を政治にもたらしているが、ひとたび野党の政策が「希望」を感じさせるようになれば事態は急変するだろう。

 ではその希望はどこから来るのだろう? 分断と排斥の上に成り立つ見せかけの安心感ではなく、 社会全体の連帯感に支えられた安心感 ではないだろうか。

 東京新聞の丁寧な貧困報道は問題を可視化させることに成功した。しかし、中間層からの連帯意識の醸成はこれからの課題かもしれない。「自分はまだそこまで貧乏ではない」と、自他ともに我慢を強要することにつながっている可能性があるからだ。

 元日の井手英策、堤未果両氏の対談でも、 自分を「中の下」と思いたい人たちの下層たたき の危険性が指摘された。

 平和主義を守り抜くためには、扇情的な政治家に付け入られないよう、貧困バッシングを生み出さない報道が求められるだろう。そうした姿勢が「非戦の誓い」を確かなものにしてくれるのだ。
(上智大学法学部教授)


2017年1月8日 東京新聞朝刊 11版S 5ページ「新聞を読んで-非戦の誓い 新たに」から引用

 英米での選挙結果や、欧州で懸念される右傾化の背景には既成政治への拒否反応があるとのことであるが、ここで言う「既成政治への拒否反応」とは、有権者が「従来の政党に政治を任せておけば、自分たちの生活は苦しくなるばかりだ」ということに気がついたということだと思います。本来であれば、そういうことは150年前にマルクスが「資本論」の中で説明していることで、人々が「資本論」を読んで学習していれば、もっと早く気がついて、ここまで追い込まれる前に対処できたはずですが、不幸なことに英米ではいち早くブルジョア階級が共産主義を弾圧したために、人々はそのような学習の機会を失い、扇情的な政治家に付け入られてずるずると右傾化の方向に引きずり込まれている、というのが現状ではないでしょうか。右傾化の行き着く先には、ナショナリズムで目隠しされた労働者階級が兵隊に仕立て上げられて「戦争」をやらされるという「悪夢」しかありません。労働者に戦争をやらせて、軍需産業が莫大な利益を獲得するという昔のパターンの繰り返しです。私たちは、そろそろ右傾化に歯止めをかけて、明るい未来に向け舵を切り直す時期にさしかかっているのではないでしょうか。





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最終更新日  2017年01月21日 20時30分11秒


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