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そもそも 釜山の少女像は、「合意」に憤った学生や市民らが建立を決意。 昨年1月6日から「人間少女像ひとりデモ」を毎日交代で350日余り続け、設置のための寄付8500万ウォン(約830万円)を集めた。
少女像は、被害女性と民間団体らが日本軍「慰安婦」問題の解決と平和を求めてソウルの日本大使館前で20年続けられてきた水曜デモ1000回にあたり2011年12月に建てられた(正式名称「平和の碑」)のが始まり。当時から日本政府は少女像撤去を執拗に要求してきた。しかし、少女像は韓国各地、米国、カナダ、オーストラリア、中国と広がり続ける。とりわけ「合意」後、日本大使館前の少女像を守る学生たちの24時間座り込み(続行中)など若い世代も動かし、爆発的な拡大をみせ、政治と文化が呼応するトランスナショナルな「記憶闘争」として深化した (岡本有佳・金富子(キムプジャ)責任編集『増補改訂版(平和の少女像)はなぜ座り続けるのか』世織書房参照) 。昨年1月には「合意」後初めて被害当事者が来日し、「少女像を撤去することば私たちを殺すこと」(姜日出ハルモニ)と語った。
一方、日本ではマスメディアが「合意履行で日韓関係の改善を」という論調一色だ。しかし、 韓国世論は約6割が反対、国連人権機関も国際人権基準に照らして不十分と評価 している。 つまり、韓国社会からも国際社会からも認められていない。 しかも、「合意」後も韓国側からの「おわびの手紙」要請に対して安倍晋三首相が「毛頭考えていない」と発言、12月29日には稲田朋美防衛相が靖国神社を参拝。
「合意」では加害国として同じ過ちを繰り返さないための歴史教育に一切触れていない。それどころか「慰安婦」の記述は教科書から削除されたまま。ドイツが自らの加害責任に向き合うために作ったホロコースト記念碑のようなメモリアルもない。 そんな加害国がどうして「少女像」の撤去要求をできるのか。
◆マスメディアの偏向報道
また、1月12日、在日本韓国民団中央本部の呉公太(オゴンテ)団長が、「合意」を「英断と評価」し、「撤去が、私たち在日同胞の共通した切実な思い」と述べた。これに対し、「民団中央・呉公太団長の暴言に抗議する在日同胞有志」から撤回を求める声明が出るなど、批判が相次いでいる。問題なのは発言内容とともに、 「少女像撤去要求」に反対する意見や動きを伝えない日本のマスメディア がこの発言をこぞって大きく取り上げたことだ。
最後に、日本のマスメディアで唯一みつけた「少女像撤去」に疑問を呈する声を紹介したい。1月14日の『朝日新聞』大阪本社版に掲載された加藤敦美さん(88歳)の投書である。(※引用者注:加藤氏の投書は当ブログ1月25日の欄参照)16歳で特攻隊を目指す予科練だった加藤さんは今回、少女像の写真を見て、「不意に涙がこみ上げた」と言う。「自分も一員になった日本軍と日本人の、朝鮮人に対する無慈悲な扱い、差別を知りぬいている。/その中に投じられた少女たちの悲鳴が、私に聞こえないはずがない」「私たちを死なせ、素知らぬふりをした権力者。今、安倍政権の権力者らは『少女像』に反感むき出しだ。女性に逆に謝らねばならぬのに。こんな日本人でいいのか」。
いま日本社会に問われているのは、「慰安婦」問題の根本的な解決のために、加害国として何をすべきなのか、改めて誠実に考え実行することである。
<岡本有佳・編集者>
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