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グローバル経済によってダメージを受けた人々による異議申し立て であり、既成政治のあり方を揺さぶるポピュリズムの動きであるとされた。そうだとすれば、17年の課題は、あらためて政党政治を立て直し、民主政治を安定化させることにあったといえる。
そのような見地に立つとき、17年の日本政治において、進展は見られたのだろうか。正直なところ、高い評価を与えることは難しい。
今年の日本政治を振り返るとき、7月の東京都議会選挙と、10月の衆議院選挙に触れないわけにはいかないだろう。そして小池百合子東京都知事率いる都民ファーストの会が躍進した都議選と、勢いに乗った小池知事が希望の党を立ち上げたものの、むしろ野党の分裂と与党の圧勝をもたらした衆院選の対比が、いやでも思い起こされる。
ある意味で小池劇場に振り回された一年であり、 その結果は、国民の政治に対する熱のさらなる低下であった といえる。既成政治のあり方に対する不満は募るものの、結局、その行き先は見えてこない。いろいろ新たな動きはあったものの、それらが何に異議申し立てをしたのかさえわからないのが現状である。
17年の日本政治の混迷の背景にあったのは、東アジア情勢の変化である。2月のマレーシアにおける北朝鮮の金正男(キムジョンナム)氏暗殺事件は、その暗い予兆を告げるものであった。金正恩(キムジョンウン)体制下の北朝鮮はミサイル発射を繰り返し、トランプ政権の米国と一触即発の状態に陥った。韓国では朴槿恵(パククネ)大統領が罷免され、文在寅(ムンジェイン)大統領が就任したが、強権支配を強める習近平(しゅうきんペい)政権の中国ともども、東アジア安全保障の不確定要因となっている。
このような東アジア情勢を見るとき、日本の国内政治については、ともかくも現状維持を望む国民世論が強まったとしても無理はない。麻生太郎副総理兼財務相による「(衆院選における自民党の勝利は)北朝鮮のおかげ」という発言が飛び出したのも、与党の勝利が自らの政策の充実によるものではないという自覚の表れともいえる。
ある意味で、内部的な流動性を、対外的緊張によって何とか抑え込んだというのが、17年の日本政治ということができる。そして、ある意味で「半熟卵」にも例えられるべき日本政治において、森友・加計問題がいつまでたっても腐敗臭のように漂い続けていることが、何とも言えない不快感の原因となっている。
とはいえ、東アジアの国際情勢が急激に改善されることが期待できない以上、卵の中身である国内政治を腐敗させたり、まして中身を外に流出させたりする事態は何としても防がなければならない。国内政治における不満が排外主義に火をつけ、対外的な冒険主義のきっかけになる可能性はつねに潜在している。
政党政治の立て直しと民主政治の安定化という宿題は、来年に持ち越しになりそうである。残念な締めくくりだが、致し方ない。
(東大教授)
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