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――南京事件が政治問題化して久しい。
「1960年代に研究を始めた当初は、学術的な観点から研究していた。当時の研究者は4人だけだ。 80年代、日本で大虐殺を否定する人たちが現れ、中国政府が重大な関心を払うようになった 」
「中国はもともとこの問題で争うつもりはなかったし、一般の人たちも関心を持っていたわけではない。日本が虐殺を巡り中国を挑発し、問題を起こした」
――大虐殺を認める日本の学者でも「30万人以上」は受け入れられない。
「30万人はでたらめな数字ではない。東京裁判は犠牲者を二十数万人、南京軍事法廷は30万人以上という判決を出している」
「重要なのは人数ではない。 虐殺があったのか、大規模だったか、残酷だったか、国際法に違反していたか の4点が重要だ。 日本がこの点を認めるなら、被害者数は共同で研究できる 」
――なぜ歴史問題が解消されないのか。
「90年代以降、 中国の対日方針は『歴史を鑑(かがみ)に未来に向かう』となった。しかし、日本はこの方針を理解していない。 時に反省の言葉をロにするが、悪い態度に変わることもある。その繰り返しで、首相を含む国会議員による靖国神社参拝も中国を刺激している」
――対立を克服する道は。
「両国政府が正しい態度を持ち、それぞれの国民を共同の歴史認識に導いていくべきだ。中日関係が良い方向に向かうかどうかは、歴史を忘れないことにかかっている」
(聞き手・浅井正智、南京で、写真も)
<ちょう・けんぶん> 1934年、山東省生まれ。専門は中華民国史。南京大学中華民国史研究センター長などを経て、現在は同大栄誉教授、南京大虐殺史・国際平和研究院院長。日本や米国、英国など9カ国から膨大な資料を集め、「南京大虐殺史料集」全72巻を編さんした。
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