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(石橋 学)
折り畳みいすに座って読みふけっていたのは「ルポ京都朝鮮学校襲撃事件<ヘイトクライム>に抗して」。 ヘイトスピーチを放置すればヘイトクライム(差別を動機にした犯罪)に行き着く。 だからレイシストを野放しにしてはならない。そんな活動の原点を読書やおしゃべりをしながら確かめ合ってきた。
文化の力でヘイトを止めたい-。代表の木村夏樹さん(53)が川崎へ通い始めたのは昨年12月。ヘイト団体がゲリラ的に街宣するようになっていた。このままではヘイトスピーチが垂れ流され続けてしまう。ならばと先回りを思い立つ。ただ待ち構えているだけでは時間を持て余すが、「読書をしながらなら多くが参加しやすいと思った」。ヘイト街宣が毎週続いた時期もあったが、「駅前に現れる回数はすっかり減った。知性と対極にあるレイシストはよほど文化が嫌いらしい」と胸を張る。
差別が公然と行われているという醜悪な風景を塗り替える営みでもあった。レイシストがいないことこそが正常な日常で、差別があるなら反対する人々が集い、防ごうとしているのがあるべきまちの姿。この日も子どもを朝鮮学校に通わせている父親が「今日は大丈夫だね」と安心した様子で改札へ向かった。
差し入れの菓子やおにぎりが届き、在日1世のハルモニ(おばあさん)からは感謝を示す手作りのうちわやしおりが贈られた。国内外のメディアが報じ、参加者が増えた。卒業論文やゼミの研究で大学生が足を運んでくるようにもなった。
読書会のきっかけになったツイッターを使った「ヘイトパトロール」を始めた「しーぽん」さん(49)は「差別を許さない意思を示す人が横浜や京都などにも広がり、うれしい。マイノリティーの安心に少しでもつながれば」と話す。
川崎市は2年前、刑事罰をもってヘイトスピーチを封じ込める条例を定めた。レイシストを見つけ次第抗議し、通報する読書会は条例に魂を込める取り組みにほかならない。。木村さんは口癖のように繰り返す。「市には条例に基づく施策を積極的に展開してほしい。市民が汗をかかなくても済むようになるまで読書会は続ける」
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