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2022年01月28日
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テーマ: ニュース(96979)
カテゴリ: ニュース
竹信三恵子著「賃金破壊-労働運動を『犯罪』にする国」(旬報社刊)について、ジャーナリストの斎藤貴男氏が8日の東京新聞に、次のような書評を書いている;


1997年以降の4半世紀を通して、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。 米英仏独伊のいずれもで、20~30%は上かっているのに。

 ”異次元”も窮まった賃金デフレ。見せかけだけの”アベノミクス”の主が表舞台を去り、ようやく知れ渡った日本経済の実態を読み解くカギのひとつが、本書にはある。




 練達の労働ジャーナリストが、「関西生コン事件」の深層を活写した。生コンクリート輸送の運転手らを組織した「全日本建設運輸連帯労働組合」の関西支部を標的とする、国策としての労組潰しだった。

 2018年夏から1年間で延べ89人が逮捕され、うち71人が起訴された。同じ大物の逮捕や勾留を、いくつもの警察署が重ねていく。凶悪犯並みに住所まで晒(さら)す報道。検察の求刑は殺人罪を連想させるほど重かった。

 関生支部のような産業別組合には、企業別組合とは異なる戦術がある。国際的にはそれが普通だし、ほとんどが企業別組合の日本でも、もちろん法的に認められた活動だ。

 それでも弾圧された理由。本書によれば、 当局は彼らの正当な組合活動を、「カネ目当て」の「嫌がらせ」「脅し」「不当な圧力」などと言い換えることで、暴力団などの組織犯罪と同然に扱ったという。

 いかなる無理無体も、言葉の表記や定義を変えてしまえば”問題ない”。縮小するパイの分配先から労働者を外すためなら、人間の生存に関わる労働基本権だろうと容赦なく、だ。集団的自衛権の行使を容認する新法に「平和安全法制」の名を与えた 安倍晋三政権らしい、憲法28条の「解釈改憲」と言うべきか。

 事件におけるメディアの問題にも一章が割かれている。朝日新聞出身の著者による構造的陥穿(かんせい)の指摘は生々しい。 記者の取材よりSNS上の空気を優先するデスクが現実にいるらしいとは呆(あき)れた。

 このままなら、賃金デフレは一層の深みに嵌(はま)り、日本の何もかもがジリ貧になっていく。だが著者は希望を捨てない。ラストの一行に感じ入る。
<評・斎藤貴男(ジャーナリスト)>


竹信三恵子(たけのぶ・みえこ):ジャーナリスト・和光大名誉教授。著書『しあわせに働ける社会へ』など。


2022年1月8日 東京新聞朝刊 21ページ 「読む人-国策としての労組潰しの深層」から引用

 政府が国策として労働組合潰しを開始したということは、この辺で民主主義を終わらせて戦前のようなファシズム体制を復活させようとする策謀です。当ブログの22日から3日間引用した、竹信氏の詳細なインタビュー記事が示すように、メディアは「関西生コン事件」などと表現してますが、当該労働組合の活動は労働法で保障された労働者の権利に基づいた正当な活動であり、これを違法行為であるかのように言うのはまったくの「言い掛かり」です。このような「権力の横暴」を止めさせるために、私たちは次の選挙で「野党を過半数」にするための作戦を考える必要があると思います。





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最終更新日  2022年01月28日 01時00分06秒


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