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社長が会議を嫌うのは自身の不祥事を追及されたくなかったためだ。ゆえに通常はできるだけ人とも会わず邸宅に閉じこもっている のだが、そんな社長が張り切る数少ない場面が海外出張だ。各国のVIPを前にした際の異常なテンションにも疑問の声が噴出したが、出張でどんな成果が得られたかは謎だ。
問題はしかし、社長だけではないのである。取締役会には関西系の暴走族めいた軍団がまじっているわ、本来ご意見番であるはずの社外取締役連中は反撃ひとつしないわで、話にならない。
仕事嫌いのその社長が決められた決算日を前に急にあれこれ手を出し始めた。物言う役員のリストラを進める、大阪支社を本社と同格にする、社旗を損壊した社員を罰する、創業家の跡継ぎを男性に限定する。社員の評判はすこぶる悪い。
「えっ、そんなの今やる?」「てか会社のためにも社員のためにもならんでしよ、全部」
このようなリーダーのこのような振る舞いをかつては「ご乱心」と呼んだ。わが社はご乱心が日常だ。
(文芸評論家)
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