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冷夏のイメージがあまりないのは8月15日の東京や大阪が例外的に暑かったためで(東京の最高気温は32・3度)、この年の夏の気温は全国的に低かった。7月の平均気温を見ると・・・
札幌16・7度(21・1度)、東京22・0度(25・7度)、大阪24・6度(27・7度)。平年より3~4度低い(かっこ内は現在の平年値)。
影響は秋に出て、コメの収穫量は激減、空前の大凶作となった。作況指数(平年収量を100とした場合の収量指数)は67。作況指数90以下は最低ランクの「著しい不良」だから、どれほどの凶作だったかだ。
こういう年に日本は敗戦を迎えたのである。
しかも9月には枕崎台風が、10月には阿久根台風が西日本を直撃。多くの人命が失われると同時に農作物も壊滅的なダメージを被った。
かくて45年から46年にかけ、日本は絶望的な食料危機におちいる。
注意すべきは、そうでなくても当時の食料生産力は極限まで落ちていたことだ。労働力の不足、肥料や資材の枯渇、軍用地への農地の転用、空襲や爆撃。すべて軍事を優先した結果である。
熊本の地震や千葉の豪雨に見舞われた2026年の夏。災害が多いこの国で軍拡に向かうなど、頭がおかしいとしか思えない。
(文芸評論家)
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