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女子サッカー・ワールドカップで 日本チームが優勝してからというもの 俄然なでしこジャパンが脚光を浴びることとなった。 日頃、カーネーションの花なら知っていても 「なでしこ」ってなに?程度のギャルまでもが 「やまとなでしこ」などと口にするようになったのは 花屋さんならずとも、めでたしめでたしかも なでしこは 漢字では一般的には「撫子」と書く。 秋の七草のひとつでカーネーションなどとともに、 ナデシコ科に属する多年草。 撫子は、愛らしい花なので、子を撫でる、愛撫するという ところから出た名前らしい。 日本原産のものは、大和撫子、河原撫子ともいうが、 中国から渡来したセキチクをカラナデシコと呼んだのに 区別するためヤマトナデシコの別名をつけたのである。 撫子は古来多く歌に詠まれている。 <秋の野に咲きたる花を指折りかぞふれば、七種(くさ)の花 萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花また藤袴、朝顔の花> (万葉集 山上憶良) 近代の歌謡でも、有名な「故郷を離るる歌」では、 <園の小百合 撫子 垣根の千草 今日は汝(なれ)を眺むる最後(おわり)の日なり おもへば涙 膝をひたす さらば故郷(ふるさと) さらば故郷 さらば故郷 故郷さらば> (アイルランド民謡から 吉丸一昌訳詞) 俳句では 撫子や堤ともなく草の原 虚子 撫子に白布晒す河原哉 子規 なでしこに二文が水を浴びせけり 一茶 万葉集にある大伴家持の挽歌。 <秋さらば見つつ偲へと妹(いも=妻)が植えし 屋前(には)の石竹花(なでしこ)咲きにけるかも> 天平11年(739)夏6月、 家持は愛妾を亡くした。これはその時の挽歌の一首。 家持22歳の頃。妾は身分の低い女性であったらしく、名前すら 伝わっていない。大貴族の若き貴公子の陰にひっそりと生きて みどり児を残してはかなく世を去った彼女のために家持は12首 の挽歌を詠んでいる。
2011.07.31
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時により過ぐれば民のなげきなり 八大龍王雨やめたまへ 源実朝 時により過ぐれば民のなげきなり 漢(おとこ)なら菅さんとく辞めたまへ 雨が降り過ぎて、新潟や福島に被害続出。 鬱陶しいのは雨だけではない。 晴れやらぬこの国の政情またしかり。
2011.07.30
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白髪三千丈 愁いに縁(よ)りて箇(かく)の似(ごと)く長し 知らず明鏡の裏(うち) 何れの処より秋霜を得たる 李白「秋浦の歌」 <白髪の長さが三千丈、愁いのせいでこんなに長くなった。 鏡のなかに、どこから秋の霜がおりたのだろう> 唐代の一丈は約3メートルだったというから、三千丈は 9000メートルになる。今も昔も中国の誇張表現はか わらないらしい。 それはともかく、 白髪の「髪」について。 「髪」という漢字の上の部分を「かみがしら」という。 ちなみに、音読みは「ヒョウ」。 「長」と「毛」の組み合わせから毛髪が長く垂れ下がっ ているさまを表す。 この「髟」を部首とする字は人の毛髪やひげに関するも ので、常用漢字は「髪」だけであるが、漢検一級対象で は15字を覚えておかなければならない。 髟+也=髢 かもじ 髟+方=髣 ほのか 髟+弗=髴 ほのか 熟語として「髣髴」 髟+毛=髦 たれがみ 髟+召=髫 うない 髟+吉=? たぶさ 髟+松=鬆 あらい 熟語に「骨粗鬆症」 髟+曲=髷 まげ 髟+?=鬣 たてがみ 髟+賓=鬢 びん 髟+須=鬚 あごひげ 熟語に「鬚?」(しゅぜん) 髟+?=? ほおひげ 髟+寰=鬟 みずら 髟+包=髱 たぼ 髟+曼=鬘 かつら など 余談ながら、中国宋代を代表する詩人蘇東坡はひげが濃かった ので「?蘇」と呼ばれたというし、三国志で有名な関羽もひげ が濃かったので、諸葛孔明は彼を「ひげ」とあだ名で呼んだと いう。
2011.07.25
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ああ 一日が闇に沈澱する この夜は 鳥達の墓標を刻もう 地 水 火 風 空 名もない鳥達に 名前をつけては刻銘する 梵字の丹と青は 死んでいった鳥達の 柔毛を染める 血の色のようだ 人影もない樹林を シンドロームさながらに 彷徨ったが もはや さんざめく星の 光も消え失せ 果なき冥い野面に 一人 黒衣のシルエットを 引きずりながら 見たものは 今日もまた 鳥達の葬列 朱鷺よみがえれ 雷鳥よ翔べ 声にもならない 胸奥の疾呼は むなしく 風に飛び散るだけ そんな夜だから せめて 鎮魂の祈りをこめて 地 水 火 風 空 無辜のものたちの 墓標を刻もう
2011.07.23
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詩はときにはフィクションであり、諧謔であり、韜晦で あり、ときにはユーモアでもあるのだから、けっして女 性を蔑視したものではない。 ハンリョを飼っている 美しい声で鳴くでもなし <お手>とか<お座り>とか 愛らしい芸をするでもないが 三十年近く ずっと飼っている 「ふん」 犬も飼っている もう七,八年にもなろうか 散歩が趣味らしい 主人が立小便をすれば ツレションよろしく 「お義理だよーん」と 片足あげて 付き合ってくれたりする 犬の世話は私つまり主人がする 餌も私が買ってくる ときどき<ハンリョ>も買ってくる 二重に買うのは 無駄だからと言っても それでも買ってくる 餌は私が与える <ハンリョ>もときどき 自分が買ってきたのだけ与える 二重に餌をやるのは 肥満の元だと言っても それでも与える <ハンリョ>だって ときには無聊 犬に餌ぐらい やりたいこともあるさ と ひとに言われた訳でもないが ちかごろは 文句は言わないことにした ・・・偕老同穴・・・ きれいさっぱり あきらめることにした 「ふん」
2011.07.20
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因果はめぐる糸車 一回 二回 三回と トリオで歌う文字がある 日×3=晶 音読=しょう 訓読=あきらか 口×3=品 音読=ひん 訓読=しな 木×3=森 音読=しん 訓読=もり 虫×3=蟲 音読=ちゅう 訓読=むし 女×3=姦 音読=かん 訓読=かしましい 石×3=磊 音読=らい=小さいことにこだわらないこと 車×3=轟 音読=ごう 訓読=とどろく 貝×3=贔 音読=ひい 訓読=いかる 耳×3 音読=しょう=ひそひそとはなすこと 毛×3 音よみ=さい=にこげ 牛×3=犇 音読=ほん 訓読=ひしめく 羊×3 音読=せん 訓読=なまぐさい 犬×3 音読=ひょう=かすめるような勢で走るさま 鹿×3 音読=そ 訓読=あらい=粗いこと などなど
2011.07.12
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核弾頭五万個秘めて 藍色の 天空に浮くわれらが地球 加藤克巳 時計草が今日も花を着けました ジェット機の爆音に 花はかすかに揺れたようです あの日の平穏ということが 果たして 平和と同義語だったのでしょうか あの日の文化的ということが 果たして 文化と同義語だったのでしょうか 街路樹が 徒長したままの街角に 投票日の過ぎた 選挙ポスターが 何故か笑っているのは 少し不気味です 花は 寸分の狂いもなく 一瞬の弛緩もなく 今日も咲いているというのに 人は何故 意味もなく笑うのでしょう つかの間の平和の累乗が 永遠の平和の保証ではない その証拠に 平和の夢に酔いしれているうち ある日突然 首都東京の真ん中にまで 放射能汚染がやってきた これはまさに 恐怖であり恐慌ではないか クリアランスセールの 平和とやらを一山 金メッキの文化を1ダース その他に ユルキャラ人形と 豊かさ寒暖計と アメニティー雨傘 そんな品々を 袋にいっぱい買いこんだ そういう時代もあったっけが・・・ いまは そこばくの後悔の念を 噛み締めながら とうとう 放射線線量計を 買ってしまった しかし ときには 花が 花として 今日も咲いている この真実を 素直に 見つめていたいこともあるのです
2011.07.10
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虫のこころは知らないが 7月真昼の熱気には さぞかし暑かろ辛かろう ゆめゆめミイラにならぬよう ミミズもムカデもゲジゲジも ) ( ◎虫・虫◎ 虫・虫 * ● ● ( ( ( ( ( ( ( 蚯蚓・蛞蝓・蜥蜴・百足・蜘蛛・守宮・・・<<< 」 」 」 」 」 」
2011.07.05
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漢検試験まであと110日くらいになった。 しかし、いまさら合格のためだけの暗記、詰め込み学習 はしたくない。あくまで漢字を通じて見えてくる文化を 教養の一端として学習したいのだが・・・・ 米倉は空しく干鱈少し積み 高浜虚子 住みつかぬ旅のこころや置火燵 芭蕉 今日は国字について勉強。 国字とは日本でつくられた漢字のこと。 訓読みの字がほとんどで音読みの字はきわめて少ない。 漢検では200点満点中の10点が国字の問題に当てられている。 したがって比重としては軽いのだが、対象となる文字の数が少ない のだから、確実に10点を稼ぐというのも方法ともいえる。 会意文字が多いのが特徴。 冬 雪降る季節の魚だから 鱈 火ヘンに達で燵、これ一字でもコタツだが火燵とも書く。 衣ヘンに上下で 裃(かみしも) 山ヘンに上下で 峠(とうげ) 雨カンムリに下 雫(しずく) 風に下で 颪(おろし) 米に花で 糀(こうじ) 木ヘンに花 椛(もみじ) 木ヘンに神 榊(さかき) などは簡単だが、パソコンではなかなか検索できない字も出題される ので要注意。
2011.07.05
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おまえ どうせ嘘つくなら もっと じょうずにつきな 嘘つきが 自分は嘘つきだと告白したって だれも 彼は正直者だと ほめてはくれまい 逆に 嘘つきが 自分は嘘ついたことがない と 嘘ついたって いまさら だれも信用してくれないだろう 嘘という 陥穽・おとしあなは それほど 暗くて深くて怖いものなのさ だから どうせ 嘘をつくなら もっと じょうずにつきな おまえ
2011.07.01
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