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♪ 怒 り の 海 ♪
バカ者ぅ!!
何年その仕事をやっているんだ!!
おまえなんて首だぁー!!
その部屋から怒鳴り声が聞こえてくる。
今日は誰が怒られているんだい?
庶務係の幸田が聞いた。
ああ~今日はあいつだよ!!
クスッと笑いながら庶務班長の伴在がいった。
営業課長の安井(42才)がまた
怒られているんだよ!!
本当にかわいそうなことですなぁ~
もう日常茶飯事のことで
別に驚くことではないのだが・・・
庶務を担当して15年目をむかえた
伴在はそんな光景を何度も見てきた。
班長になってから5年になり今年で49才になる。
社長の身の回りの世話や会議・会食・週間予定・
来客者の応接などの業務を担当するベテランの
経験豊かな班長であった。
社長の怒りには、もうへきへきしていた。
その声を聞くといつもやりきれない気持ちになった。
そこまで怒らなくてもいいじゃないか・・・
そう思うのだが誰も進言できなかった。
その部屋とは、この会社の社長室である。
ワンマン社長で有名な赤地社長の
「怒りの部屋」といわれている部屋だった。
この社長は背は低くてやせている。。。
自分の肉体に対してのコンプレックスは
普通ではなかった。
すぐカッとなるので社員の間では
「瞬間湯沸かし器」というあだ名がついている。
顔を真っ赤にして口角アワを飛ばし飛び
上がらんばかりに、どなり散らすのであった。
ちっちゃな体に対してのコンプレックスを
大きな怒り声で発散し、自分の威厳を
保持しているそんな社長であった。
社長という肩書きがなかったらただの
そこらへんのオッサンなのに。。。
みんな腹の中ではそう思っているのだが・・
社長は57歳だが、人並みはずれたタフな男で
そしてなかなかのおしゃれでもあった。
ややうすくなった髪にいつもタップリの
整髪料をつけて、櫛でバックにかきあげる
のがくせであった。
そして今日は、わしの怒りでわしより
大きな課長連中をいかにたたきのめすか・・・
そんなことばかり考えている男だった。
課長連中と並ぶと顔や背丈においてずいぶんと
見劣りする社長にとって、課長連中より優位に
たつ唯一の方法は、怒りの部屋で徹底的に
こらしめてやることだった。
それが社長としての威厳を保ち、社員達から
なめられない統率の要であると思っている。
怒りの部屋では、みんな体が硬直して、
頭をさげてじっと耐えるしかなかった。
怒りの部屋からでてきた営業課長の安井は、
青ざめた顔で庶務班長にこういった。
明日から当分の間、休ませてもらうからな!!
こんな会社つぶれたってかまわないよ!!
みんな会社のために一生懸命やっているのに
瞬間湯沸かし器のやつ数字の営業成績ばかり
いって・・・数字に出てこない努力という
ものを少しもわかっちいゃいないんだから!!
伴在さん!! 休暇届をくれないか。・。・
一身上の都合で明日から休ましてもらうから。。。
お前なんて首だ!!
そういわれたんだ。 やめてやるさ!!
こんな会社をやめてもっといい仕事をさがすよ!!
伴在さんは、この気持ちをわかって
くれるだろうねぇ。
はい!! ストップ!!
この社長のあだ名は、「瞬間湯沸かし器」。
こんなワンマン社長の会社の将来は・・・?
社長の姓が赤地だから、収支決算も赤字かも。・。・
さてこの小説の先にどんなドラマがまって
いるというのでしょうか?
このあとは、あなたにおまかせしたいと思います
よろしくお願いしますね。 m(__)m
小 説 断 片 集 「 大 い な る 野 望 」… 2007年01月15日
文楽小説断片集 「 さ す ら い 人 の 歌 … 2006年11月22日
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