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【私の評価】★★★★☆(83点)
■共同通信の特ダネ記者だった著者は、
テレビ朝日のニュースステーションの
ディレクターになりました。
そこで驚いたのは、
テレビはニュースの中味ではなく
インパクトのある映像のある
ニュースを報道すること。
つまり、視聴率が取れるニュースを
優先して報道しているのです。
営利企業ですから当然のことですが、
ジャーナリストとしては
衝撃的な事実だったようです。
・映像メディアのテレビのニュースでは、
記事の中身よりもインパクトのある映像を
伴うものの方が優先される(p11)
■そして新聞では事実の追及に
重きが置かれますが、テレビは
視聴者へのインパクトが追及されます。
いかに視聴者の感情に訴えるか。
長時間、インタビューして編集で
一部しか使わないのは、
事実よりインパクトを出すためなのです。
事実上、テレビはジャーナリズムではなく、
創作も許されるバラエティ番組に近いものである
ということを著者は言いたいのでしょう。
・テレビでは結論をこっちから向こうに投げるような
聞き方をしてはダメなんですよ。
多少は時間がかかっても、
もっと大づかみに質問して向こうに喋らせないと、
インタビューとして使いものにならないでしょ(p98)
■2004年4月に『ニュースステーション』は
『報道ステーション』に変わりました。
著者は、新しい報ステの空気に違和感を覚え、
職場を変えたそうですが、
違和感とは何だったのでしょうか。
同じマスコミとはいえ、
新聞とテレビとは全く文化が
違うということがわかりました。
田中さん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・当時の私はNステのディレクターだったが・・
幹部は申し訳なさそうにこう言った。
「君が深く取材していることはよく分かった。
でもあそこがうちの大口のスポンサーであることは
承知しているよな。だから、うちが
報道の口火を切ることは遠慮してほしい(p216)
・芸能人が絡む事件が起こると、
タレントや所属事務所と顔馴染みのワイドショーの
リポーターが出てきては、社会部の記者が
タレントに都合の悪い質問をしようとするのを
ブロックする光景に何度か出会った(p66)
・民放局の政治部や経済部の実態はどうなのだろう・・
出演して自説を披露したい政治家は、
自分の方から記者に擦り寄ってくる・・
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http://1book.biz/2018/01/12/tv.html
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TVニュースのタブー~特ダネ記者が見た報道現場の内幕~【電子書籍】[ 田中周紀 ] ?
■目次
第1章 通信社とは
第2章 金融証券担当
第3章 国税報道
第4章 民放報道との出合い
第5章 2つのニュース
第6章 さらば、ニュースステーション
第7章 デスク稼業の日々
第8章 国税担当への復帰
第9章 民放局の経済部
<私の評価:人生変える度>
★★★★★(お薦めです!ひざまずいて読むべし)
★★★★☆(買いましょう。素晴らしい本です)
★★★☆☆(社会人として読むべき一冊です)
★★☆☆☆(時間とお金に余裕があればぜひ)
★☆☆☆☆(人によっては価値を見い出すかもしれません)
☆☆☆☆☆(こういうお勧めできない本は掲載しません)
※注意書き※
良いことを書いている人が、良い人とは限らないのが世の常です。
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その活動を推薦するものではないことをご承知おきください。


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さそい水さん