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「二とおりの愛」
男女間の本能的な愛は別として、ここでは一般的な愛について考えてみます。
この愛の発揮のしかたという切り口からみると、「優しい愛」と「厳しい愛」の2種類がありそうです。
いや、現実にあります。これはどのように考えたらよいのでしょうか。
これは自分の子供を育てるときのことを考えてみれば、分かりやすいと思います。
赤ん坊が泣けば、親は、ミルクをやったり、抱っこしたり、オムツをかえたり、あやしたり、といろいろ世話をやきます。 これは親が赤ん坊に対して優しい愛を発揮している状態です。
余談ですが、赤ん坊は、人間に限らず、動物も一般的にかわいいものです。 これはなぜでしょうか? 不思議に思ったことはありませんか。
これは、赤ん坊は自分では何も出来ないからです。
つまり、何もできないから、世話をしてもらうためには、せめてかわいくなければならないからそうなっているのだと思われます。
それも非常にかわいらしく!
ここに巧妙な神しくみといったものが感じられます。
次に子供が3、4歳頃になると、優しい愛だけではだめでしょう。
これは度が過ぎると甘やかしとなって、結果としてわがままな子になってしまいます。この時期には、ある程度厳しい愛も必要となります。
いわゆる躾です。
していいことと、悪いことの区別、善悪の区別を教える必要があります。 子供の将来のことを考えるなら、心を鬼にして、厳しい愛を発揮しなければならない場合もでてきます。
ただ基本的には優しい愛をベースとした方が良いでしょう。 厳しい愛が主体となると、子供が萎縮してしまい、のびのびと成長しなくなり、性格的にいびつになり、またかげに隠れてこそこそするようになるのではないかと思われます。
学校などの野球やサッカーといったクラブ活動でも、優しい愛がベースですが、コーチや監督が優しい、甘いだけの指導だけをしておれば、強いチームにはならないでしょう。 やはり将来、地方大会や、全国大会にでるようになるには、それなりの厳しさが必要です。
この練習に耐えてこそ、忍耐力がつき、技量が向上して成長の喜びが味わえます。
ただ感情的に怒るだけの厳しさであってはいけません。 厳しさの根底には常に、選手やチームの成長を願う愛がなければなりません。
学校の教師も職場の上司も、時として厳しい指導をしなければ、生徒も、部下もなかなかうまい具合に育ちません。
一般に、優しさ厳しさのブレンドの仕方は、やはり優しさが主で、厳しさは従の方がよいと思われます。
また、厳しい愛は、目上の者から目下の者へ向かう愛ですが、優しい愛の方は、上下関係にかかわりなく注がれる愛といえるでしょう。