森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.01.29
XML
山田洋次監督作品である。
大変感動した。森田との関連について書き込んでみたい。

あらすじは、瀬戸内海の小島に住む元高校教師の老夫婦が、二男一女の住む東京見物に出かける話である。
長男夫婦は男の子二人。長女は夫と二人暮らしで子供なし、二男は未婚だか彼女がいる。長男は東京郊外に病院を開業。長女は美容院を開業、二男は舞台設備の仕事をしている。

山田洋次監督は公開された作品すべてに感じることだが、人間の触れ合い、思いやりなど良き伝統が日本からどんどんなくなりつつあることに対して警告を発しているように思われてならない。

この映画で代表的なシーンが2つあった。
東京見物の案内を誰がするかということになって、兄弟どうしで押しつけ合っていた。挙句の果てに、お金を出し合って横浜の高級ホテルを予約して、そこでおいしいものを食べてゆっくりしてもらおうとゆうことになった。老夫婦は2泊3日の予定のところ一泊しかしなかった。

次に東京滞在中お母さんが突然死して、東京で火葬し故郷で葬式という場面があった。
子供たちは葬式が終わると、すぐに形見分けの話をしていた。また仕事が忙しいということで、長男と長女は葬儀が終わるとすぐに東京に引き返した。



現在は多くは核家族である。核家族は外の世界に広がるということを拒んでいるように思える。家族が抱えた多くの問題は家族の中だけで解決しようとする。世代間教育はなくなり、家族と家族の付き合いも少なくなった。また社会が他の家の子供に教育的に関与することはほとんどない。外部との接点は今や学校中心である。そうした人間関係は問題が生じた場合、解決に向かうことは難しい。

今や核家族というのは内へ内へと収縮しているのである。山田監督は人間と人間の触れ合い、人間の思いやりなど欠如を描いているが、実は家族が外向きにならず、内向きになって井の中の蛙現象をきたしていることが問題だと思うのである。
なぜかと言えば、神経症に陥る過程と同じ道を歩んでいるからである。症状に落ち込む過程は、気になる一つのことに意識を向けて、精神交互作用の悪循環により蟻地獄に落ち込んでいったのである。それは換言すれば、外向きにならず内向きに傾斜していったそのことに原因があります。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.01.29 21:20:55
コメント(0) | コメントを書く
[不安の特徴と役割、欲望と不安の関係] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

寒い時期の脳卒中、… New! 楽天星no1さん

長谷寺~室生龍穴神… へこきもとさん

心食動操 メルトスライム25さん
神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: