森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.03.01
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第29回形外会は昭和8年1月28日に開かれました。出席者60名です。

いろいろな余興がありました。落語、童謡、安来節、職業当ゲーム、森田先生の綱渡り芸などがあった。楽しんでおられる様子が目に浮かびます。これらも立派な森田理論学習の一環です。私はこれらに刺激を受けて芸を磨いております。

その中に「赤面恐怖一座」による滑稽劇「三方一両損」の芝居があった。水谷啓二先生も全治退院者として吉五郎役で出演されておられる。
劇の内容は以下のとおりである。

左官の金太が財布を拾った。中に三両と書きつけがあった。書きつけから落とし主は吉五郎と分かり、吉五郎の家に届けると、「三両は拾ったお前のものだ。決して受け取らねえ。」といって二人は喧嘩を始めた。家主の仲介のもとに二人は南町奉行所に訴え出た。
大岡越前守は二人の正直を褒めて、「ではこの三両は私が一旦あずかり、一両足して、両名に褒美として二両ずつつかわす。」と裁定した。
もし金太はだまっておれば三両を得た。吉五郎もそのまま受け取れば三両を得た。大岡越前守もそのまま預かれば三両を得た。ところが裁きにより、金太は二両を、吉五郎も二両を得て、大岡越前は一両を差し出した。三人とも一両ずつ損をしているので「三方一両損」であるという落ちがつく落語の寸劇である。

これが事細かに全集第5巻に載っている。この話は森田理論学習として議論してみても面白い。
神経質者は問題が起きると白か黒かどちらかに決めないと気がすまないところがある。ところが現実にはこのようにうやむやにしてことを終わらせてしまうということもあるということである。すっきりしない、うやむやのままに問題を抱えたまま次に進まなくてはならないことは世の中にたくさんある。理不尽な出来事に遭遇してとても許すことができないことだってたびたびある。不安や恐怖を抱えたまま、仕方なく次に進むことができるようになることは一つの能力を身につけたということである。





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Last updated  2024.04.06 17:53:18
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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