森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.05.29
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カテゴリ: 行動のポイント
2013年6月号の「生活の発見」誌に面白い記事があった。「お使い根性ではいけない」という記事である。

森田先生曰く。「お使い根性の人は、誰さんを呼んでくれたまえ、というと、かならず、どこにいますか、という。素直な人は、はい、といって自分で探して呼んでくる。」

お使い根性は、人から用件を頼まれると、御用聞きのように機転がきかない。頼まれた用件しか頭にない。もともと人からの依頼で行動を起こすことは気が進まないものであるが、それでも「一歩踏み込んだ行動」がその後の展開を大きく変えるということは頭に入れておきたい。

たとえば、森田先生から掛け軸をまいてくれといわれた場合。ただ言われた事をするのではなく、巻きながらその掛け軸の絵を見たり、書を見たりしてみる。そうすれば面白い絵だとか、こんなのがよい書なのだろうかと感じが湧いてくる。それが一歩踏み込んだ行動である。

お使い根性と一歩踏み込んだ行動はどう違うのか。
お使い根性でする行動は、頼まれた用件に意識は向いていない。頼んだ人の反応に意識が向いているのである。よい評価をしてくれるのか、やってくれて当たり前という評価を受けるのが気になるのである。用件に意識が向いていないので、頼まれた事をさらに創意工夫してよりよいものにしていこうという気持ちが湧いてくることはない。

神経症を直すためには、行動をすればよいと聞いてやみくもに行動する人がいる。そういう人は絶対に神経症は克服できない。行動すればするほど神経症は悪化する。なぜかと言えば行動は必要なことをしているのではなく、ネズミが糸車を回しているようなものだからだ。その行為は、さらに症状に注意を向けていくために、ますます悪化するのである。

今一歩踏み込んだ行動をする人はどうか。行動が一心不乱になるのである。症状で苦しいときでも、目の前のことについ夢中になって、後で振り返ってみるとその時は症状のことはすっかり忘れていたという経験は誰でもあると思う。森田理論ではこういう行動を目指しているのである。最初からは難しいかもしれない。最初はイヤイヤ、仕方なしの行動でもよい。行動すればそのチャンスはやってくる。その時に、「今一歩踏み込んだ行動」をキーワードとして思い出していただきたい。その経験を数多く体験することが大事です。





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Last updated  2013.05.29 20:02:23
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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