森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.11.02
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カテゴリ: 森田番外編
阪急阪神ホテルで端を発した食材誤表示問題が後を絶たない。
安い肉に脂肪を注入して、霜降り肉に見せかけて提供していたというホテルまで出てきた。

これらは日本人の本来持っていたよさが失われている結果だと思う。
少なくとも江戸時代から明治時代の初期までは、誰が見ていなくても、自分を偽らず正直に生きていくという考え方を多くの人がとっていた。

例えば、「本阿弥行状記」にこんな話がある。
本阿弥光徳が、ある時、徳川家康に正宗の脇差を見せられた。
家康は自慢げに言った。
「この刀は代々、足利公方家の宝とされてきたもので、足利尊氏公直筆の添え状まである。いかがなものか」

光徳は家康を前にして、脇差を鑑定した。

光徳は正直に鑑定した結果を述べた。
家康は腹をたてて以後光徳を召しかかえることはなかったという。

普通は誰でも嘘も方便、家康の機嫌を損なわないという対応をとるのではないだろうか。
ところが光徳は家康の逆鱗に触れて、手打ちを覚悟の上鑑定したのである。
それは普段刀の目利きに命をかけて精進し、生計を成り立たせてきた。
それが、家康の威厳を恐れて、いい加減な目利きをしたとなると、自分の存在価値に傷がつくということを恐れたからである。

そうゆう人は絶えず自己を研鑽して、自分を高めている人だと思う。
日本人は江戸時代、こうした人が少なからずいたようである。
これが明治中期以降、殖産興業、富国強兵という西洋文化が日本に定着して、利己主義、拝金主義、便利主義、快楽追及にとって代わるとともに急速に衰退して来た。
それが今回の食材誤表示にまで及んでいるのである。

森田理論でいえば、本能に身を任せた行動が歯止めもなく突っ走っている状態といえるだろう。

東京オリンピックプレゼンの滝川クリステルさんが、日本人の「おもてなし」の心を強調していたが、本当の意味で「他人を思いやる心」を持っている日本人が果たして存在するのだろうか。






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Last updated  2013.11.02 07:32:53
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
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長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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