森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.05.06
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プロスポーツ選手はよくスランプに見舞われる。
プロ野球ではホームランどころかヒットさえ出ない。
登板するたびに打ち込まれる。スランプに陥ると余裕が無くなる。
早くなんとか立て直そうと焦りがでてくる。
ところがあの手この手を尽くせば尽くすほど空回りする。
最初は練習量で抜け出そうとする。うまくいかない。
次に技術的に問題があるのではないか。自分のフォームを見直したりする。
コーチなどに助言を求める。それでもうまくいかない。
それからスランプであるということを考えないようにしようと考える。

そうこうするうちに長くて暗いトンネルの中に入ってしまう。

これは神経症に陥る過程とよく似ている。
不安や恐怖を早くなんとか取り除こうと格闘すればするほど思いとは逆に深みにはまってしまうのだ。
このことを精神交互作用と言う。最終的には蟻地獄の底に陥ってしまうのだ。

プロの選手はどうしてスランプを脱出しているのか興味は尽きない。
陸上の為末大さんはこんなことを思いついた。
ボールを使ってみた。ボールはよく動く。
足で上にあげたり、止めると言った動作を課題にする。
すると、ボールの動きに気持ちが集中して「これからどうしよう」という余計なことを考えなくてすむ。
次に鈴を使った。足音に集中するようにした。次に腕の動きに神経を集中した。
紐を持って走ることもしてみた。すると少しずつ体が動き始めた。


別の行動を起こせば新しい感情が湧き起ってくる。
するとスランプの克服ばかりに向いていた注意と感覚が弱まってくるということだと思う。

為末大さん曰く。「考えない」ということは、人間にとってものすごく難しい。
そんな「忘我」状態になることへのヒントがある。
子供が遊んでいるのを見ると、何も考えずに遊びの世界に没頭しきっている。

自分だって昔はそうだったのだ。

スランプ脱出にはまずスランプを過度に意識している状態を緩和していくこと。
これが何よりも重要なことだ。そのためには忍がたいことだが、スランプには手をつけない。
スランプ以外のことに目を向ける。感じてみる。行動してみる。一心不乱に取り組んでみる。

神経症で苦しんでいる人も同じことです。
つらいけれども神経症の苦しみはそのままにしておく。
目の前の日々の生活に目を向けていくこと。
日常茶飯事を丁寧に、規則正しくこなしていく。
その中で気づいたことをどんどんストックしていく。
行動に弾みがついてくる。後で振り返ってみれば、神経症の苦しみが軽くなっていた。
あってもなくてもどちらでもよくなっていた。というように変化していくのだと思います。
(「遊ぶ」が勝ち 為末大 中公新書参照)





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Last updated  2015.05.06 07:08:10
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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