森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.07.26
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カテゴリ: 感情の法則
第2の対応です。それはネガティブな感情を放置できる人です。
森田的に見て好ましい対応です。
森田ではどんなに危険、醜悪、好色な感情であっても自然現象である。
台風、地震、雷、ゲリラ豪雨等の自然現象と同じである。
私たちに不利益を与えるものではあるが、基本的にどうすることもできない。
コントロール不可能であるものは、謙虚に受け入れるしかない。
こういうことがよく理解できている人だと思います。
理解できているとともに、そのように対応できている人だと思います。
つまりネガティブな感情を抱えたまま、次に進むことができる能力を獲得している人です。


そういう人は自然に逆らうことがない。
たとえて言えば、風や水の流れに逆らわないようなものです。
気流に乗って上昇してどこまでも飛ぶことができる。
また水の流れに乗って、川下りを楽しんでいるようなものです。
岩にぶつからないように微調整するだけで、あとは何もしなくても自然に任せておけばよい。
ゆっくりと変化する景色を楽しんでいればよいのです。

自然を受け入れる。自然に服従することは万事うまくいくようになっているのです。
こういう生き方は葛藤がない。
苦しみは次から次へとやってくるが、大きな苦悩にまで膨らむということはありません。
これは注射を打たれるときは、ちっと痛いが、針が血管の中に入ってしまえば痛みがなくなるようなものです。その後我慢して注射に耐えてよかったという気持ちになります。

こういう仕組みを理解して生活に応用できるようになるとよいわけです。

その方法は、森田理論がいくらでも教えてくれています。
あと大事なことは次世代の子どもたちにもその仕組みを、養育者が身を持って教えていくことです。
特段難しいことではありません。
子どもの近くにいて、ネガティブな感情を読み取り受容して共感していくことです。
そのためには、大人がまずネガティブな感情を受け入れることができる段階に到達することが大切です。


まず養育者がネガティブな感情の取り扱い方が理解できていない。
つまり感情は人間がいくらでも操作可能であると信じて疑わない人である。
あるいは理屈は分かっていても、今までの習慣でつい抵抗してしまう。
それをもとに間違った対応をしているのです。子どもを叱る。怒る。けなす。
存在自体を否定する。無視する。拒否する。抑圧する。等です。

こういう人は、無鉄砲にしけの中に船を出して悪戦苦闘しているようなものです。
あるいは自分の力を過信して積乱雲の中に飛行機を突っ込ませるようなものです。
エスカレーターに乗って逆走しているようなものです。
自然の流れに抵抗しているので大きな無理があるのです。
最後には心身症になり、精神を病んでしまうのです。

そういうふうに養育されると、自分でもネガティブな感情はいかようにも取り扱いが可能であるという錯覚を持ってしまうのです。
そして骨の髄まで、ネガティブな感情をやりくりする。はからい続ける。
あるいは、直面することを避けてすぐに逃避するようになるのです。
最後には、ネガティブな感情、予期不安が湧き起ること自体を恐れるようになるのだと思われます。

不安や恐怖の対応にはこのように3つの方法があるということを理解していただきたいと思います。
その先どの方向を目指せばよいのかは自ずから分かることです。






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Last updated  2015.07.26 06:26:14
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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