森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.12.13
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
1987年生きがい療法実践会の人たちがモンブラン登山に挑戦した。

その中に末期肝臓がんの椚聰さんという方がおられた。
医師から余命4カ月と言われながら4年以上も生きぬいた椚聰さんの言葉に感動した。

椚さんの生き方は、脊椎カリエスでのたうちまわりながらも、死ぬまで創作活動に打ち込んだ正岡子規を思い出した。

椚さん曰く。
治る可能性があってガンと闘っている人たちと、私のように何をしても治らない者とでは違う。
私は、自分と同じ状態にある人に、こういう生き方をすれば最後までガン恐怖に悩まされずに生きられるのだということを知ってもらいたかった。
そういう状態になった人は、僕みたいに元気を持って生きてもらいたい。
例えば僕の行動を見て、あの人はもう駄目だと言いながらヨーロッパ最高峰の山へ登った。

そう思った時に、患者さんは自分も何かしてみようという気持ちがかならず起きると思う。
具体的に何をしようかということはその人が考えることだが、一つの見本を見せることが勇気を引き出すことだと思う。
山へ行けない人だったら、川へ行ってもいい、野に行ってもいい。
寝たきりの人だったら、日記を書いてもいい。友達に手紙を出すのもいい。
そういうことをするときに、もう死んじゃう人があれだけのことをしたと思えば、手紙だって明るい手紙が出せるし、会話だって明るい会話ができる。
先がないとなるとその分だけ暗くなるけれども、そうじゃなくて生きているということがすばらしいんだと思ってほしい。
生きるということは、何かするということなんだと思ってほしい。
椚さんは、自分と同じような恐れや不安を経験している人たちに、自分が闘っている姿を見てもらい、みんなもこのように闘ってほしいと言いたいのだ。

対人恐怖の人は社会的な死を日々恐れながら生活している。
そういう人たちも恐怖に怯えながらでも、生の欲望を発揮しながら生きていってほしい。
椚さんはガンの痛みに耐えながらそのことを、多くの人に知ってほしかったのだろう。





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Last updated  2024.04.07 00:01:58
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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