森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.02.06
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岸見一郎氏は子どもをほめるということも警鐘を鳴らされています。

母親が子どもに買い物を頼んで、子どもがそれをちゃんとできたら、「偉かったわね」とほめるでしょう。
でも妻が夫に買い物を頼み、夫がそれをこなしたときに、妻は夫に「偉かったわね」とは決して言わないでしょう。

これはどういうことでしょう。
ほめるというのは、能力のある人が能力のない人に対して、上から下す評価の言葉なのです。
「偉かったわね」とほめることが習慣になっている人は、その人が、他者との対人関係の構えが上下関係になっているということなのです。

子どもでも大人でも、対人関係の下に置かれることを好む人はいません。
ほめられたらうれしいという人がいれば、その人は、自分には能力がないことを他者に認定されたいということであると知らなくてはなりません。
このことが分かるとほめられることでは、自分に存在価値があるとは思えなくなってきます。


「ありがとう」「助かった」という言葉を聞いた子どもは、「自分は親の役に立つことができたのだ」と認識します。
人の役に立つことができるという体験は、自分には存在価値があるのだという認識を持つことにもつながります。
つまり自己肯定感を育てることにつながるわけです。
自己否定から自己受容の世界に入っていくことができるようになるのです。
するとありのままの自分を他人の前にさらけ出すことができるようになります。

対人関係は悩みの原因にもなりますが、生きる喜びや幸せは人間関係の中で得ることができることも事実です。人間は一人では幸せになれないのです。
「ありがとう」「助かった」というのはアドラーに言わせればヨコの人間関係です。
ヨコの人間関係というのは他者を仲間として見るということです。
それに対して「偉かったわね」とほめることは、タテの人間関係にあたります。
森田理論でいえば「かくあるべし」的生活態度にあたります。
「かくあるべし」という理想から現実や事実を見て、拒否、無視、批判、否定するのはまずいやり方です。

ここで岸見さんの言いたいことは、森田理論でいう「事実唯真」を生活の中に取り入れて実践していくということだと思います。
(人生の意味の心理学アドラー 岸見一郎 NHK出版 引用及び参照)






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Last updated  2016.02.06 06:59:11
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森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
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