森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.02.23
XML
私たちはオールオアナッシング的な考え方に陥りやすい。
敵か味方か、善か悪か、成功か失敗か、0か100か、白か黒かの極端な決めつけをしてしまう。
中間、灰色、中庸という考え方がない。
少しはまし、ベストではないがベターであるという考え方ができない。

他人から「そのやり方はよくない」と言われると、すぐにあきらめて何もしない。
味方だと思っていた人が、自分と違う意見を言うとすぐに裏切られたと思う。
100%完璧にできないと、自己嫌悪、自己否定してしまう。
自分に一つでも弱みや欠点があると、自分は人間として失格だ。
生きる意味が持てないと言って嘆き悲しむ。自分自身が許せないのである。


うつ病患者でも、「少し良くなったみたいですね」と言われると、「全然駄目です」とよくなっていることを認めようとしない。

森田の言う両面観で見れば、両極端に針が振れることはめったにないことである。
普通は短所があれば長所がある。失敗だと思っても成功の足がかりが見つかることもある。
資格試験でも100%正解できないと合格できないのかというとそんなことはない。
だいたい国家試験などはおおむね60%以上が合格圏と言われている。
全部を完全に理解しようとすると精神的苦痛を強いられる。
難しいところは全く分からなくても、必要最低限の知識を身につけることで目的は達成される。

殺人事件を起こすような人もすべての人格に問題あって、全否定すべき人間かというと必ずしもそうとは言えない。
その証拠に母親や故郷の懐かしい人から、子どもの頃の思い出話を聞くと、つい涙を流すというではないか。
交通事故でも自分は過失が0だと言い張っても、保険会社同士の話し合いではたいていは双方に過失があったと判定される。
事故が起きたということは一方的に相手が悪いということはまれなのである。


神経症で苦しみ、最後にたどりついた境地が「ほどほど道」であったというのが興味深い。
いかに中間、灰色、中庸、少しはまし、ベストではないがベターであるという考え方が大切かということである。

なぜそのような偏った考え方をするのか。
それは事実を無視した観念優先の生き方になっているからである。
極端な観念中心主義に陥っているのである。

イライラして憂うつになる。するとすべてのことに投げやりになる。
もうどうなってもかまわないと思うようになる。手をつけない。努力しようとしない。
元々ある豊かな感情が湧きおこらなくなり、気づきや発見の機会がなくなり、やる気や意欲、モチュベーションを高めることがなくなってしまう。

事実唯真、事実中心、事実服従、事実重視、事実本位の考え方をしっかりと身につけて生活できるようになると、煩悶がなくなる。
味わい深い人生を送ることができるようになる。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016.02.23 07:02:37
コメント(0) | コメントを書く
[観念重視から事実重視への転換] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

寒い時期の脳卒中、… New! 楽天星no1さん

長谷寺~室生龍穴神… へこきもとさん

心食動操 メルトスライム25さん
神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: