森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.06.07
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森田先生と久亥夫人はよく夫婦げんかをしたようである。
入院生がいる前でも平気で夫婦喧嘩をしていた。
そして後でどちらに理があるか聞いていたようである。

けんかの原因は、どうもたわいのないことが多かったようだ。
たとえば、森田先生は豆腐が大好物だったが、奥さんは好きではなかった。
森田先生が「この頃ちっとも食べさせない」という。
それに対して、奥さんは「あれほどたびたびこしらえているのに」と反撃する。

奥さんが温泉行きを前にけんかになり、すねた奥さんが旅行を取りやめたこともあった。
また森田先生が根岸病院に行く前に、えんえんと4時間もけんかをして大幅に遅刻したこともあった。


普段からお互いに言いたいことを言い合って、大きなストレスをため込まないようにされていたのではなかろうか。
二人のけんかを見ていると雨が降って地が固まるようなけんかであったようだ。
お互いに相手を毛嫌いして、まったく寄りつかなくなり、無視しづけるというのとは異なる。
協力しあったり、ともに楽しんだり自由自在であった。

当時大学教授というのは、社会的には権威があり、とても尊敬される立場の人であった。
普通なら雲の上のような立場を利用して、一方的に奥さんを抑圧して思うがままにコントロールすることだってあり得たと思う。
しかし森田先生に限ってそんなことは全くしなかった。
奥さんを一人の人間として、対等で平等な人格の持ち主として処遇していた。

その証拠に森田先生は、奥さんに対して毎月の家事労働に対して給料を払い、盆暮れには賞与も出していた。
給料は最初は20円。それがやがて30円。50円になっていった。
その頃の1円は少なく見て5000円から1万円の価値があった。


今どき生活費の他に家事労働に対して給料を支払うという人がいるだろうか。
ましてや夫婦間で借金をして利子を払うというのは聞いたことがない。
森田先生は奥さんを対等で平等な人間と見ていたということでなかろうか。

森田理論に「物の性を尽くす」というのがある。
これは物だけではなく、自分も、他人も、時間も、お金についても言えることである。

そのものの持っている潜在能力や価値を見つけ出して、とことん活かし尽くすという考え方なのである。
すべての物や人間に対する愛や信頼感がベースにあるのである。
それが人間本来の生き方ではないのかと言われているのである。
その一環として、奥さんの存在そのもの、潜在能力を高く評価されていたのだと思う。





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Last updated  2016.06.07 06:50:59
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
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