森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.05.29
XML
カテゴリ: 身近な社会問題
最近、国会では加計学園問題で紛糾している。

これに対して、菅官房長官や自民党からは、そういうメモは存在していない。したがって、野党が要求している前川前事務次官の証人喚問は行わないと主張している。

テレビでもいろんな評論家が意見を述べている。文部科学省や官邸サイドが、そういうメモがないとは言っているが、実際にはあったのだろうという意見でほぼ一致している。

この件に関して、私の意見は次のごとくである。
議論があまりにも不毛な議論に終始している。もっと真相に迫った議論にならないものか。
前川前事務次官は、文部科学省のメンツを安倍総理や内閣府にふみにじられたと言っている。
これは三権分立の面から見て、おかしいのではないか。
本来、国民から選挙で選ばれた国会議員と内閣が骨太の方針を決定し、それに基づいて行政官庁を使って政策実現を図っていく。これが本筋では無いのか。

文部科学省は、本来国民の総意である内閣府の決定に対して、誠心誠意、その実現に向かって努力するのが本来の姿では無いのか。
菅官房長官も安倍総理からそういう働きかけはなかったと説明するよりも、正々堂々と内閣と各省庁の役割の違いを説明すべきではなかったのか。内閣と業者の癒着を糾弾されること恐れて、枝葉末節的な言い訳をしているとしか思えない。

私は評論家の人たちにも言いたい。
安倍総理や内閣府の押し付けがあったかどうかと言うよりも、そもそも安倍総理が進めている国家戦略特区というものが国民生活にとってどういう意味を持っているのかという点について、再び議論を巻き起こす絶好のチャンスではなかったのかと言いたい。
安倍総理は、国家戦略特区を日本の成長戦略の最重要課題として位置づけているのである。
特区で軌道に乗せたら、自由経済の推進、規制緩和、金融の自由化の全国展開に持ち込もうとしている。
今まで国民の生活を守るために、規制を設けたり、関税をかけて、国民生活と国内の産業を守ってきたのである。
今後は、アメリカの要望に応じて、外資が自由に日本で経済活動を行えるように、その道筋をつけようと考えているのである。つまり、日本の農業、日本の医療、日本の年金制度などすべての面で、自由経済、経済合理主義の方向に向かって、すべての規制緩和を行い、アメリカや欧米の巨大な多国籍企業に日本の市場を提供しようとしているのである。
これをやられると国民生活はガタガタになる。
アメリカの貧困層の生活ぶりを見ていると他人事とは思ない。

日本の巨大な多国籍企業が海外で事業展開を自由自在にできるようにすることの見返りとして、日本でも海外の多国籍企業に自由に経済活動を認めようとしているのである。

グローバル化がいっそう進展して、 1%の超富裕層に富がどんどん集積し、それ以外の人たちは生活がどんどん苦しくなるという状況が進んでくるのである。
近い将来必ず現実となる事実である。

もし、現在フォーチュン500に名前があがっているような巨大な多国籍企業が、その儲けの大部分を法人税として世界の人々に還元するようになれば、飢餓で苦しむような人はいなくなるのである。
人間が作り出した富は、一部の富裕層や一部の企業に独占・集積させてはならないのである。
また、そういう心構えで会社を運営すれば、戦争というものはなくなるはずである。


巨大な多国籍企業は、国民生活を踏みにじり、自分たちのあくなき欲望の追及に邁進している。
これは資本主義社会の矛盾点が、もはや人類の存続にまで影響を与え始めているという証である。
もはや政治家というのは、グローバル企業の子分のような存在である。
アメリカではすでに政治献金とロビー活動によって、政府は巨大な多国籍企業の利潤追求のバックボーンとしての役割しか果たしていない。国民の生命と安全を守る役割を放棄して、グローバル企業の代弁者としての役割しか果たそうとしていない。国際的に見ても、ほとんどの国でそうなっている。
政府が格下で、その格上には巨大化した多国籍企業群がいるのだ。この力関係を間違ってはならない。

日本の政府も同じことである。ここで大事な事は、我々が選挙で選んだ味方であるはずの政治家が、グローバル企業と手を組んで、我々の国民生活を根こそぎ破壊する方向に向いていることである。
それは巧妙に展開されており、矛盾点をついても、すぐに別の問題にすり替えられてしまう。
よほど注意しないと、気が付いたときは釜で茹で上がったカエルのような状況に陥るということである。

ここに焦点を当てて、なぜ議論ができないのか。つまり評論家と言われるような人たちは、人間とは何か、人間が生きるとはどういうことなのか、人間はどのように生きていけばよいのか、という視点から問題を見つめていないのではないのか。

さて、森田先生が講話をされるときは、思想弾圧の意味から特別警察が張り付いていたという。
あわや特高に逮捕されるような事件も実際に起きている。
森田先生は、日本政府が治安維持法を盾にして、思想弾圧を強化していた時に、戦争反対を唱えられていたのである。実際には森田先生は、残念ながら戦争が始まる4年前に亡くなられている。
もし存命だったなら官権によって逮捕・拘留はさけられなかったと思われる。
その森田先生が今現在生きておられたら、国家戦略特区構想については、ご自分の考え方を展開されているに違いないと確信している。たぶん大変憤って反対されるに違いないと思うのである。
その理由は本来の人間性を無視した政策だからである。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.04.07 11:09:15
コメント(2) | コメントを書く
[身近な社会問題] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

寒い時期の脳卒中、… New! 楽天星no1さん

長谷寺~室生龍穴神… へこきもとさん

心食動操 メルトスライム25さん
神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: