森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.06.06
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野菜はそれぞれ際立った個性を持っている。
それを無視して、人間の都合で野菜作りをしてはならないのである。

まず野菜は生育する時期というものがある。
トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、スイカ、メロン、カボチャ、トウモロコシなどは夏野菜である。
冬に作っても育つことはない。反対に、キャベツ、白菜、大根、玉ねぎ、ほうれん草、いちごなどは冬から春にかけての野菜である。
時期を無視して作ろうと思えば、ビニールハウスのようなものが必要になる。
それよりは自然の摂理に合わせて野菜作りをした方が、自然の理にかなっているのではなかろうか。

次に野菜はそれぞれ性質の似通ったもの同士で区分されている。
アブラナ科、アカザ科、セリ科、ユリ科、キク科、ナス科、ウリ科、マメ科、シソ科、イネ科、バラ科、アオイ科、タデ科、ウコギ科などがある。アブラナ科には白菜やキャベツなどがある。ナス科にはナス、トマト、ピーマン、ジャガイモなどがある。

同じ科のものを続けて作ると、病気や収量が減るという連作障害に陥る。
これは磁石でプラスとプラス、マイナスとマイナスを無理やりくっつけようとするようなものだ。
だから野菜は特徴の違ったものうまく組み合わせていくということが常識なのである。

次に野菜には吸肥性の強いものと弱いものがある。トマト、ナス、ピーマンなどは肥料をよく食う。
反対に、カボチャ、エンドウ、ジャガイモ、サツマイモなどは痩せた土地でもよく育つ。
むしろジャガイモなどはその方が良く育つし味のほうも良くなる。
多肥栽培の後はイネ科の作物等を栽培すると残った肥料を吸い取ってくれる。
そういう野菜を上手に組み合わせて、土の状態を改善することができる。

野菜は地中深くに根を伸ばすものと、地上の表面にのみ根を伸ばすものがある。
トマト、ナス、ピーマン、大根、ゴボウなどは深く根を伸ばす。
反対にキュウリやイチゴなどは地上の表面に手を伸ばす。

トラクターなどで反転する手もあるが、作物を組み合わせることによって容易に問題は解決するのである。

トマトの原産地は南米のアンデスの乾燥地帯である。そのトマトを日本で栽培するためには、梅雨の時期ビニールの雨よけが欠かせない。それを怠るとシリグサレ病や炭素病などにかかる。
キュウリの原産地はヒマラヤである。そこは湿気があり、温度は一定している。キュウリにとっては日本の猛暑はとても苦手なのである。
キュウリにとって育苗の時期はとても温度に敏感である。それらの特徴をわきまえて、育苗時期には付きっ切りで世話をしないとまともな苗にはならない。

野菜同士は、人間関係と同じように、よい相性と悪い相性がある。

例えば、ナス科の野菜の後には、ネギやユリ科の野菜を植える。
アブラナ科の野菜の後には、イネ科やマメ科の野菜を植える。つまり輪作が重要なのである。
相性を考えて栽培をすれば、省力化につながり、品質の良いものが収穫できる様になるのである。
だから単一作物の大量生産は無理があり自然の摂理には合わないのである。
自分たちが食べるために多品種少量生産が野菜つくりの基本中の基本となるのだ。

野菜作りにあたっては、旬の時期を見誤らない。
そして個性豊かな野菜の特徴をつかんで、それぞれの野菜たちが十分にその特徴を発揮できるようにすること。
人間の都合によって、同じ野菜を作り続けることなく、違う特徴の野菜をうまく組み合わせていくことが重要だ。
そのような心掛けで野菜つくりに取り組んでいくと、野菜たちは人間の要望によく答えてくれる。
今、政府が進めている野菜の産地化という政策は、同じ作物を同じ場所で何年にもわたって作り続けるという政策である。この政策がいかに自然の摂理と人間の幸せに背いていることか明らかである。
森田理論で言うところの、自然に服従するというのは、野菜作りで言えばこのような事なのである。
「医は農に聴け、農は土に聴け」といわれるが、「人間の生き方は、野菜をよく観察して、野菜たちに聴け」ということでもある。





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