森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.07.08
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平成7年8月号の生活の発見誌に職場の人間関係の悩みに関する記事があった。
3 点ほど挙げられていた。
1 、自分は周りの人たちから良く思われていないという悩みです。他人の思惑や評価が気になるタイプの人に多い悩みです。

2 、仕事の空き時間や休憩時間に同僚達と接するのが苦痛という悩みです。対人緊張の強い人に多く見られます。話の輪の中に入りたいが、うまく話ができなくて苦しいと訴えられます。

3 、上司との人間関係です。上司が地位や権力を利用して、無理難題をふっかけてくる。ミスや失敗を許してくれない。時には自分の人間性を否定してくる。

私も対人恐怖症だったので、この3つはすべて当てはまります。
森田理論を勉強して、仕事の中に応用してくる中で気づいたことを整理してみたい。
1番目についてですが、他人思惑や評価を気にしているときは、頭で考えることのほとんどは、自己防衛のことです。
目の前の仕事のことはほとんど考えていない。自己防衛にエネルギーを使うことで、自分が楽になればいいのですが、楽になるどころか、ますます精神的に追い詰められていく。

そして、仮の自分、見せかけの自分を取り繕うということばかりに力を入れるようになる。
自分はミスや失敗の多い人間ではあっても構わないが、他人から能力の無い人間だと見なされてはならない。自分は悪い人間であっても構わないが、人から悪く思われることは嫌だ。
自分は気が変であっても構わないが、他人から根暗で気が変なやつだと思われる事は避けたい。
仕事で成果をあげることは関心がなくなる。人のために役立つことをすることもなくなる。
日常茶飯事に丁寧に取り組むこともしなくなる。

こうした悪循環からどうしたら抜けてることができるか。私が取り組んできたことを整理してみたい。
気になる事は気になるままに持ち続けて、普段の日常生活を丁寧に規則正しくするように形の方を整えていく。そして、目の前の仕事の能率を上げるように注意や意識の方向を変えていく。
ちょっとした小さなことで、人に役に立つことをどんどん実践していく。
また、会社では、利害関係ですぐに対立的になりやすいので、会社以外での人間関係づくりを心がけいく。1番目については、不安と欲望のバランスが崩れてしまっているということが大問題である。
こういう場合はどんなに苦しくても不安のほうはそのまま放置して、生の欲望の発揮という方面に最大限の力を入れることであると思う。

2番目の問題は対人恐怖の人で言えば雑談恐怖という事だと思う。

恐れているとそういうものを隠そうとする態度が出てくる。
他人にとっては隠そうとすればするほど、そのことがよく見えてくる。
また雑談恐怖の人は目的のない会話と言うのが苦手である。
目的がある会話は自分が主導権をとって、意欲ややる気のある発言をすることができる。
だが雑談恐怖の人は雑談は意味があるとは考えていないのである。

それは味気ない人間関係の中に潤いをもたらすという目的である。
歯車と歯車が噛み合っている所には必ず潤滑油が流れている。
潤滑油がなければ、金属と金属がこすれてギクシャクしてくる。
雑談をそのように捉えれば、雑談に参加することこそ意味がある。
中身のある話をする必要は無い。私はあなた方を拒否してはいけませんよ。
良好な人間関係を維持して行きたいと思っていますという意思表示をしていることと同じことなのです。人気のある人を見ていると、自分の容姿やミスや失敗などの話が出てくれば、はにかみながらも笑いの提供者となっている。
自己防衛に汲々としている人を見ると、相手のほうも自然と攻撃してやろうと対立的な関係になっていくのではないだろうか。そういう人間関係は自他共に不幸になる。

3番目の人間関係ですが、上司との人間関係が全く問題がないという人はいないと思う。
もし、そんな人が存在するとすればイエスマンだろう。
上司は自分の課に与えられたノルマや責任を果たしたいと考えている。
進捗状況が思惑通りなら問題は起きないが、ほとんどの部署では問題が山積しているのではなかろうか。ノルマや責任が果たせなければ、上司の責任問題になるので、上司も必死なのである。
どこの職場でも、上司が冷静さを失い、言いたい放題で部下を追い詰めることになる。
これでは、上司にとっても部下にとってもお互いに不幸である。

では、どうしたらいいのか。私は1つの手がかりを見つけた。
上司の理不尽極まる言動に対して反発ばかりしていても何の解決策にもならない。
それに対して私のとった対策は、理不尽な言動をあらかじめ封じる作戦だった。
上司の机の上には未決と既決の箱があり、未決の箱の中には、これから我々に指示命令へするであろう案件があった。
その内容を上司がいないときに見て、事前につかんでおき、自分の意見や対策を立てておくことが大変有効であった。
また、本社からの直属上司に対する指示命令事項はあらかじめ私宛にもメールしてもらうように依頼していた。
これは、多くの人にとっては参考にならないかもしれないが、上司の抱えている課題や問題点を事前に察知して少しでも対策を立てれば、自分が楽になると思う。
また上司と部下の人間関係は、短ければ1年、長くてもいずれは解消されるものである。
そのことを理解していれば、理不尽な上司の下で1時的な感情のもつれでやぶれかぶれになって喧嘩を売ることはなくなると思う。
上司と対立して退職された方を多く見てきたが、実にもったいないことだと思う。
会社に在籍する1番の目的は、生活の糧を得ることである。
そのためには、優柔不断、臨機応変に振る舞うことが最も大切なことである。





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Last updated  2017.07.09 07:51:45
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