森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.03.30
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厚生労働省によると、全国の児童相談所が2018年度に児童虐待の相談・通報を受けた件数は159850件(速報値)で、統計を開始から28年連続で増加している。
内訳は心理的虐待が55.3%、身体的虐待が25.2%、育児放棄18.4%、性的虐待1.1%となっている。(中国新聞2020年2月19日朝刊より)

テレビなどの報道を見ていると、その親たちが、「これはしつけの一環として行ったことだ」という。子供が虐待の結果亡くなっても、「体罰ではありません。あくまでもしつけるつもりでした」という。これは体罰としつけの違いが分かっていないか、誤解していると思う。

体罰の実態は次のようなものです。
・注意したがいうことを聞かないので頬を叩いた。
・いたずらしたので長時間正坐させた。
・物を盗んだので、お尻を叩いた。
・宿題をしなかったので、食事を与えなかった。
・寒い冬場に薄着で外に追いだした。暑い夏場に家の中に入れなかった。


子供が、親の指示・命令に素直に従わず、勝手な行動をとったので、親がイライラして、あるいは切れてしまって、短絡的に体罰を与えて親に服従させようとしている。
体罰というのは、子供をしつけようという気持ちよりも、自分たちのイライラや不快感を取り去るのが第一目的となっている。消臭剤をスプレーして、瞬時に悪臭を取り去ろうとしているようなものだ。目的があくまでも自己中心的なので、子供のことは眼中にない。
自分たちのイライラ、不快感を払しょくしたいという気持ちが強いのだ。

親から「かくあるべし」を押し付けられて、大人になった子供はかわいそうだ。
人への信頼感が育たず、愛着障害になる。
アダルト・チルドレンになる。対人恐怖症になる。
そして自分たちが親になったときに、世代間にわたり悪しき連鎖が繰り返されるのである。

体罰もしつけも親が主導権や強制力を持って、子供に対する点は同じだ。
ではしつけと体罰の違いは何だろうか。

親がきちんとしつけをしないと、インドで発見されたというオオカミに育てられた少女のようになる。その子は四足で歩いていたという。言葉もしゃべれない。
人間というよりは、動物そのものだった。


親になると子供をきちんとしつける責任がある。
それも強制力を発揮して厳しくしつけるのが親の務めである。
しつける内容としては、まず規則正しい生活習慣である。
食事のマナー、トイレ、挨拶、きまりごと、礼儀作法、思いやり、言葉遣いなど。
次に、社会のルール、法律、仕組み、交通ルールなど多岐にわたる。


何も知らない子供の目線に立って、「こうしたほうがいいよ」「やってみてごらん」と行動を促す。子供の挑戦する姿を近くで温かく見守る。できるようになれば一緒に喜ぶ。
円滑な生活習慣の獲得は、親から子供への愛情のこもったギフトなのである。
後で、よくぞここまできちんとしつけてくれたと子供から感謝されるものである。

体罰は「かくあるべし」を子どもに押し付ける態度であり、「しつけ」は子供の成長を願って、親から子供への愛情のこもった人間教育なのである。
体罰としつけは似ているようであるが、全く別物である。





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Last updated  2024.04.07 19:39:18
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楽天星no1 @ Re:共感と同情は違います(11/26) New! いい視点だと思いました。今回高市総理の…
分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
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