森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.05.01
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夫婦喧嘩が絶えないという人に森田先生は次のように話しされている。

この場合は、ただ自分は、不機嫌な気むずかしい我儘者であるということを自覚し、人にもこれを認めさせて、その結果として、当然人に嫌われ、うるさがられるものであるということを覚悟し、その応報を受けさえすればよい。
決して自分はこのような性質であるから、人は大目に見て、自分を許してくれるべきである、人は自分が悪人でないことや、自分の正直のところなど認めて、理解してくれなければならぬ、などと考えてはならない事である。
このように思い定め、覚悟して後には、社交的にあるいは家庭的に、時と場合とに応じて、笑うも笑わないのも、自由自在で、必ず自然の人情味が現れるようになるのである。

夫婦の人間関係は、お互いが「かくあるべし」を押し付けあっていては、決してうまくいくものではない。相手のことを批判、否定、拒否、無視、抑圧、脅迫していては、一緒の家に住むこと自体が苦痛となる。森田先生はそういう自分の状態を自覚して、事実本位に切り替えて、因果応報を覚悟することを提案されている。

私は夫婦は元々あかの他人であり、分かり合えないという前提に立つことが肝心であると思っている。そういう人が結婚して家庭を作るということにどんな意味があるのか。

人間は一人で生きていくことはできない。
他の人間とのかかわりの中で、はじめて物理的にも精神的にも延命させていくことができる。
その最小単位として、夫婦関係があると思う。これが太古から繰り返されてきた。


家事、育児、子育て、付き合い、生活費の調達などである。
考え方や意思の違いのある二人が、その違いを乗り越えて進むしか道はない。

そのためにどうするか。自分の気持ちや考えを相手に伝えることが必要になる。
ここで相手とは当然気持ちや考え方に違いがあるはずだという前提に立つことが大切になる。
次に、その違いを白日のもとにさらけ出すことだ。
どこに違いがあるのかお互いが認識しあうことが大切である。
二人の間にある溝を埋めていくために話し合いを持つ必要がある。
妥協点をつけて、譲ったり、譲られたりする人間関係を維持する必要がある。

アメリカでは結婚する前に、お互いが対立したときはどのように対応するのか、クリナップ契約で文書にしてあるという。
結婚する前にきちんと取り決めをしておくことはきわめて重要です。
埋めることのできない溝が出てきたときに、それを持ち出して、原点に返って話し合いをするのだ。いざこざの多い夫婦であっても、お互いが問題を話し合いによって調整していくという気持ちを持っていれば、きっと乗り越えていける。


「あの人は何を言っても聞く耳を持たない人だ」などとお互いが口にするようになると、すでに本来の夫婦関係は破綻していると思う。
そういう人は、森田理論を夫婦関係に応用することを真剣に考えてもらいたいものだ。





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Last updated  2020.05.01 06:20:06
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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