森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.05.18
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年金や医療費について次のようなことが公然と言われています。

現在は4人の現役世代が1人の高齢者を支えていますが、これから先は3人の現役世代が1人の高齢者を支えていくようになります。そしてこのまま世界一の長寿が続いていくと、2人の現役世代が1人の高齢者を支えていかなくてはならない。
これを放置していくと、日本国は経済破綻する。

こんな話を聞くと、高齢者は肩身が狭い思いがします。
長生きすることは悪なのか。病院に行くことは、現役世代に迷惑をかけていることなのか。
高齢者は社会の邪魔者として、質素倹約に努めて、ひっそりと生きていくしかないのか。
また我々高齢者は今まで給料の中から年金の原資を積み立ててきた。
それを還元してもらっているのだから、別に迷惑をかけているわけではないと反論する人もいます。

この話は本当なのか。

確かに65歳を超える高齢者はこれからもどんどん増加していきます。
人口ピラミッドを見ているとうなずける話です。
さらに平均年齢も80歳を超え、100歳を超えている人も一つの市ができるほど増加しています。それに引き換え少子化で、15歳から64歳までの労働生産人口はどんどん減少しています。
世代間扶養という視点から考えると、少ない現役世帯が増え続ける高齢者を支えていかなくてはならないという理屈が成り立ちます。

現役世代から見ると、生活することで精いっぱいなのに、どうして高齢者の面倒まで見ることが可能なのか。いい加減にしてくれ。いつまでも長生きされては、我々の生活が破壊されてしまう。
つまり国民年金、厚生年金、健康保険料、介護費用、税金などを増やしてもらっては、私たちの生活が立ち行かなくなります。

しかし高齢者が年金、医療、介護などのサービスを受けているということは、日本のGDPを大きく押し上げているという事になります。GDPを押し上げないと国の成長はないわけです。
現在の日本は世界全体から見ると最低水準です。ほとんど増加していない。
ほとんどの国が大きく増加している中で、日本が一人蚊帳の外といった状態にあるのです。

GDPの増加に大きく影響を与えているのは、個人消費、企業の設備投資、公共投資などがあります。これらは消費税の増税と緊縮財政のおかげでほとんど伸びていません。
それがデフレの原因になっているのです。


自分たちの所得が減って、経済が停滞し、生活がどんどん負のスパイラルに陥ることになるのです。そして生産設備が老朽化して、最後には生産したくても生産できなくなる。
そのよい例が農業です。農業機械が老朽化してくると、米さえ作ることができなくなります。
生産設備を持たない国は後進国、発展途上国に分類されています。
信じられないでしょうが、日本経済を見るとまさにその道を突き進んでいるのです。

このままいけば日本は中国の属国となるかもしれません。


GDPを押し上げる個人消費、企業の設備投資、公共投資は減少あるいは横ばいですが、大きく伸びているものがあります。政府最終消費支出といわれている部分です。
政府が否応なく支出している年金、医療費、介護費用などが大幅に伸びている。
これが今の日本GDPを大きく押し上げているです。

これが仮にマイナスになっていると、GDPはマイナス成長に落ち込んでいるはずです。
極度のマイナス成長は、国としての将来は約束されないのです。
ですから高齢者が医療や介護サービスを大いに消費しているという事は、決してマイナスではなく。経済成長に大きく寄与していると考えた方がよい。

医療や介護の問題は、医療費や介護費用の高騰ばかりが問題にされているが、それは問題を矮小化させていると思う。
真の問題は、増え続ける医療費や介護の需要に対して、供給が追い付いていないという事なのです。医者、看護師、介護職員、医療機器、介護用具の不足があります。
稼働率の悪い病院などは統合やベッド数の削減の政策が行われています。

高齢者が満足できるような医療体制、介護体制がまだまだ不十分という事です。
経費の削減のために、むしろ質やサービスの低下を招いているのです。
現在の医療従事者は懸命に働いておられるのですが、生産性の向上が図られていないという事です。どんどん新しいシステム、技術やサービスを開発し、充実させていく必要がある。
つまり、この分野の生産性の向上が見られない。
停滞して技術革新が止まったままになっている。
どんどん高まる需要に対して、供給が追い付いていないととらえるべきなのです。

それを外国人労働者によって穴埋めしようとしているのです。
安易に外国人労働者に頼ると、医療従事者の所得は増えません。
過酷な労働の割には所得が増えていかない。
また、それに胡坐をかいてしまうと、医療や介護の技術革新は一向に進展しません。
外国人労働力に依存すると、医療や介護の進歩はありません。

あるいは混合診療、自由診療を拡大して、保険適応診療を骨抜きにしてしまうような手法はあってはならないことです。世の中の流れは、そういう方向を目指しています。
将来国民皆保険は骨抜きにされる可能性が非常に高いのです。

人の言っていることを鵜呑みにしてしまうのではなく、いったんは果たしてそうなのかと、調べてみることは大切なことです。一人でできなければ、大勢で手分けして真偽のほどを調べてみることです。そうしないとどんどん間違った方向に流されてしまいます。

気が付いたらもう手の施しようがなかったという事態に追い込まれてしまいます。
森田理論で学習した通りのことが起きてしまうのです。





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Last updated  2020.05.18 07:37:51
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
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